ブルアカ小説本で一年間同人活動してみて 〜2023年振り返り~

みなさん明けましておめでとうございます。ポリメレースです。

一年間お世話になりました。本を購入してくださった皆様、執筆に際してめちゃくちゃ手助けしてくれた知人、そして交流させていただいた作家の方々に感謝申し上げます。

とまあ挨拶はここまでにし、一年ぶりに記事を書いていこうと思います。
今年は色々と同人イベントに出させていただいたり、人生初の合同誌にも参加させていただいたりしたので、その備忘録を作品ごとに、感謝と楽屋話を交えながらつらつらと。
同人活動って楽しいよ、ってことが伝わると幸いです。

▶︎ガッデム・スパム・ソーセージ・エッグ・スパム

pixivに投稿したコユキとモブの女女小説
今年書いた作品の中だと、エモーショナルでオチをつけるやり方は一番うまく行ったな、と思ってる。

昔から、社会には人が持つ才能というものを許容する限界値があるように感じてて、そこからあぶれてしまった人たちのことを時々考えてしまう。
まあ今の世の中、そういう人たちも社会的なソーティングで適正環境へ振り分けられるようになってるはずなんだけど、その行き先ですら馴染み切れない人がいたら、それってすごくかわいそうだよな。と思って書いたのがこれ。

あと『不理解を結論とする理解』を得て終わるシチュも好きだから盛り込んだ。女女を書くと大体このオチになっちゃうから、困る。

バニーチェイサーしか出て来てない段階で書いたから、今読むとコユキのキャラがだいぶ違う気がする。本編はもっとあっけらかんとしてたし、もっとクズかった。やはり公式には勝てない

▶︎月と上蔟 (シン・ペロロ2収録)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2049964
夏コミで出した本。崩壊したゲヘナでカヨコがペロロジラ小型種を狩るお話
まだまだ絶賛発売中です。

冬コミで買った洲央さんの『君と夏フェスが引用祭りの小説でめちゃくちゃかっこよかったので、俺もそれやりたいな。と思って書いた作品。

ちなみにバレてると思うけど、自分は基本的に引用したがりだし引用指摘されたがりの人間です。円城塔とかファイアボールで育ったから。
自分の作品の中身は自分の好きな物で埋めつくしたいし、巨人の肩には節度を守った上で積極的に乗って行きたい。

裏話で行くと、最初に立てたコンセプトは『映像的な構成・文章』だった。結果として、まあ上手くいった部分も力届かずな部分もあり、って感じ。特に構成はもうちょっと綺麗にしたかった。ここらへん、長編小説読むのをサボってきたツケが出ているなぁと感じた。

特撮パートを書くにあたって亀の二作目を意識したのは言うまでもないけど、実はネクサスもちょっと混じってる。前作の26280h (余談だけど、自分でつけたにも関わらずいつまで経っても正確なタイトルを覚えられない) は日常パートと特撮パートが完全に乖離していたので、そこら辺を融和しつつ、キャラクター主体のお話を作りたいと考えてるうちに自然寄っていった。
あと、巨大な生態を持つ生物のこういった末端部分の特徴をつらつらと描写するのって、映画とか30分枠のドラマだと意外と難しいよな。と思ったので、そこに勝機を見出して書いてみたってのもある。
ブルアカプレイヤーにウケるかはちょっと心配だったけど。まあ、これはシンペロを書いてるあいだ中ずっと感じていることなので、今更と言った感じはある。

小説で動かしてみて、便利屋68のキャラパワーを改めて感じた。
アルちゃんというポンコツを支えるズッコケ三人組、って構図に見えて、その実は圧倒的な軸を持つアルちゃんに子供らしい不安定さを持つ部下がぶら下がってる、って作りなのが、本当によく出来てる。
『ベンチャー企業』っていう大人と子供の境界線を自在にステップできる位置付けを利用して、作中の諸問題をガンガンメタ言及出来るのも美味しい。(作中内で創作者をやってるゲーム開発部と似ている)
その上、そこらへんのズルは運営もめちゃくちゃ自覚的にやってるっぽいのが恐ろしい。本編で出しゃばるとあらゆる問題をサラッと解決するか、もっとひどいことに発展させそうだから、スピンオフ送りにしてるってあたりもクレーバー。
センスが良いだけでなく、そのセンスの良さを自分たちで言語化する能力に長けてるところが、ブルアカの本当にいいところだと思う。

ちなみに劇中歌の仮想セトリを組んで公開してるので、もし良かったら聞いてみてください。


▶︎エンクローズド・シェアードワールド

せんせーのアーカイブ10で出したコピ本。成人向け。
カズサとレイサがそういうお店(宿場?)にいく話。
一年経ったら無料公開しようかな、と考えてる。ここらへんの相場がわからないので、教えていただけると嬉しいです。

本気の百合小説をやってみたいって欲求があったのと、後述するすけべ合同に向けて成人向け小説の書き方ってものを勉強しておこうと思って書いた。
結論から言うと、めちゃくちゃ難航した。構成の組み方も官能描写も全然わからず、四苦八苦してるうちに没になったパートが出来上がった原稿と同じくらいある。

最初はもっと山田尚子っぽい、被写界深度が浅いような小説を作りたかったのだけど、そういう湿ったお話をやろうとすると尺も時間も足んねぇということになり、この形になった。
まあこれはこれで悪くないかなと今は思ってる。

正月早々ぶち込まれた動画でもそうだったけど、カズサの『執着してないように見せかけてめっちゃ執着してるけど本人はバレてるとは思ってないし相手にもなぜかバレてない』ムーブは、ブルアカになかなか無い種類の術式で攻撃力が高いなと思う。
一方で、これを自分で書こうとするとめちゃくちゃ難しい。俺がやるとちょっとわざとらしくなるから、なんかもうちょっとコツを掴みたいなぁと思いながら書いてた。
逆にレイサの『相手に執着したくないと思ってるのに自分でも知らないうちに感情が漏れ出し、相手にはバレてるし自分でも自覚してる』って挙動は、こっちはこっちでやりすぎると過剰にメンヘラっぽくなるから加減が難しかった。つくづく面倒臭いカップルだ。
まあ人間性が複雑=キャラとして美味しい、ってことだから、どこかの機会でもう一度この二人のことを書いてみたいとは思ってる。カズレイのレズカップルっぽさが好きだし。

ちなみにこっちも執筆中に聞いてたイメソン集がある。
今見ると言うほどか?って感じがするけど、感性が過敏な時ってあらゆることの特徴が合致するような気がしてくるからお目溢しいただけるとありがたいです。この中だと、惑星ループとかは今でもだいぶカズレイっぽく聞こえる。

と、これを書きながら「そういえば俺バンドリのみさここにもこのイメソン設定してたな」ってことを思いだした。結局やれやれ系と活発系の組み合わせが好きなだけなのかもしれない。ハルキョンにハマってた中学の頃から感性が変わらないことにちょっと絶望する。

▶︎誰もが羨む、(ブルアカすけべ小説合同Ⅱ‐A 先生優位)

なな☆だまさん主催の合同誌『ブルアカすけべ小説合同Ⅱ‐A 先生優位』に寄稿させていただいた小説。成人向け。
先生と付き合い始めたヒナが、本当に自分は恋人として認められてるのか?ってウジウジしながらなし崩しで誤魔化す話。

こちらの合同誌は、夏コミに参加した際に主催のなな☆だま様からお声がけをいただいて参加する運びとなった。
ヘテロ成人向け小説は未経験だったので諸々不安だったけど、色々な人の助力もありなんとか形にすることができた。特になな☆だまさんをはじめとする校閲チームの皆様にはいろんな面でご迷惑をおかけして、申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱい。
その上表紙のイメージ元にも採択していただき、小説のワンシーンをしのびんさんにイラスト化していただけたりもして、たいへん恵まれた時間だった。
この場を借りてお礼申し上げます。特になな☆だまさんは自分が同人活動続けてるきっかけになった人なので、感謝が止みません……。

成人向け漫画が昔から好きだったり、エロゲって文化に憧れがあったりして(ノベゲ媒体が苦手なので数自体はそんなにプレイしてない)、自分でも成人向けコンテンツを書いてみたいな〜とはずっと思っていたのでとてもいい機会になった。まあ読むのと書くのは当然違う行為なので、執筆にめちゃくちゃ苦労したけど。(komifloとpagesを反復横跳びしながら書いた)

特に女性一人称視点での性描写を書くのが非常に難しかった。
先生に対して、ポリメレース自身が『生徒への接し方が場面ごとに180度変わるからなに考えているかわからないし、そもそも性欲があるのかないのかも読み取れない』と感じていたので、そこを上手く反映できればと思ってこのような手法をとったのだけど、そこまでこだわる必要はなかったかもしれない。
自分好みの竿役にはなったから、結果オーライではある。

ヒロインとしてちゃんヒナを選んだのは、単純に好きだからっていうのと、絆エピソード5(メモロビ)の流れがあまりにも全年齢版仕様特有の欺瞞に満ち溢れていたから。あそこまでお膳立てされて毛布をかけるだけで終わるのはいくらなんでも嘘だよ。PC版から家庭用機に移植する際の改変がバレバレすぎる。
というか絆4の時点で、出てるんだよ。生徒へ向ける以上の感情がよ。向こうから距離詰めさせるよう探り探り仕掛ける動き方とかに。ヒナ絆ストーリーの先生は、個別指導の塾講師とかは死んでもやっちゃダメなタイプの人間だと思う

そういうわけで、何があってもヒナのHシーンがないのだけはおかしい、という思いのもとに書いたのが今回の『誰もが羨む、』でした。架空のPC版ブルーアーカイブの後に出た、架空のファンディスクに収録されてる架空のアフターエピソードという位置付け。HAのセイバーとお風呂場でヤるやつとか、ああいうの。

ちなみに本作品の空気感は幾花にいろ、いだ天ふにすけ、7×2先生あたりにえいとまんのエッセンスを混ぜた方向を狙っている。伝わっているといいな……。

▶︎オクシモロン・ホロスコープ (ミレニアムデベロッパーズ収録)

Chloeさん主催の合同誌『ミレニアムデベロッパーズ』に寄稿させていただいた小説。
こちらはメロンブックスに委託されていたり、後々の即売会でも頒布されるそうなので、今回購入を逃した方はぜひそちらでお手に取ってみてください。

「ミレニアム学園で行われている『ミレニアムプ○イス』をコンセプトにした本」というテーマの下に開かれた合同誌で、ミレニアムの生徒が何かを開発していれば何をやってもOKというものすごく懐の広い本だった。
その上かっこいいPVまで作ってくださってる。自分の一文も引用されてて、めちゃくちゃ嬉しい。

自作品の内容は、ヒマリの作った占いAIを通じてエイミが色々と理解する話。ミレニアムだし多少SFに寄せても大丈夫かな……? と思って、キャラクターではなく現象主体の小説にしてみた。
合同誌に一作品だけ載ってるちょっと変な作品、という立ち位置を目指してみたのだが、馴染めているかはいまだに不安。

あとこれはガッスパや後述するイデアポリンでも顕著なのだけど、周りから突出しているが故にこの世界での居場所を失くした天才って人物造形が好きなので、これを機会にヒマリにそのロールをやらせてみたいという狙いもあった。
本編のヒマリはそこらへんをめちゃくちゃ上手く立ち回っている人物なので、AI周りの設定はそういう後天的に身につけたであろう処世術みたいのものをどう剥がすかって観点から組んで行った。

あとがきにも書いたけど、ヒマリ・エイミ・リオ・トキ周りの人間関係は本当によくできていると思う。全員が理詰め人間の癖にお互いを不理解気味だから、解釈の対立が起きやすく会話劇が書きやすい。多分、どこのファミレスが一番美味いか、みたいなテーマでも短編一本は転がせる。

▶︎イデアポリン(シン・ペロロ3収録)

www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2272397

冬コミで出した本。
ペロロジラ討伐のために組まれた専属チーム『特異生物対策本部』があーだのこーだの会議するお話。
シリーズの中でも、パロディ本としての側面とSFとしてのわかりにくさが一番強くなっていると思う。
ちなみに、執筆中は本家を五回くらい見直した

本当は今回で完結するつもりだったのだけど、プロットを組んでいる最中にどう考えても今のスケジュールで書き上げられる量じゃないということに気づき、分冊の形となりました。ごめんなさい……。

加えて、かなり趣味に走る内容となったのも申し訳なく思っている。
シンペロは基本的に青春モノとして読めるように心がけているのだけど、完結へ向かうにあたってペロロジラ回りの科学的ディテールをもう少し詰めたい思いもあり、シリーズの空気から外れるのはわかりつつ本チャンの決戦へ入る前のこのタイミングで書き切ってしまった。
夏頒布予定の完結編はもう少し青春モノっぽくなる予定。そちらまでお付き合いいただけると嬉しいです。

一年を通して

「もう少し量を書けたのでは」と思っていたけど、こうして並べてみると意外と書いたな。という気もしてくる。
特に合同誌二冊へ寄稿できたのは本当にいい体験になりました。ありがとうございました。

社会人一年目というイベントが思ったよりも忙しく、原稿を進める時間を取ることになかなか苦労した。みんな社会人やりながら文庫本100ページとか200ページとか本が自立するくらい書いてたりとかしてて本当にすごいなぁと思う。自分が短編の方が好きってのもあるんだけどね。

来年の予定としては、とりあえず夏コミでのシン・ペロロ完結を目指しつつ、ふらふらと何か書いていけたらなぁと考えている。
ブルアカで書きたいネタが何個かあるのと、友人と「そろそろ一次創作をやりたいね」という話もしているのでそちらも進めていきたい。
コミティアにも出たいし。

最後に今年見たコンテンツの中で面白かったものを紹介するコーナーでもやろうかと思っていたけど、思ったよりも記事が長くなったので気が向いたら別記事に載せます。
それではみなさん、今年もよろしくお願いいたします。

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