横浜とアンタレス

6～7年ぐらい前か、私は横浜をあちこち泊まり歩いていた。と言っても豪遊していたわけではない。マンガ喫茶に泊ることもあったし、24時間営業しているジムで時間をつぶし、ジムについているお風呂に入ったりもしていた。
夜ふらふらと歩いているものだから、歓楽街で偶然声をかけてきた見ず知らずの人が、事情を聞いて、半ば無理矢理ホテルをとってくれたこともある。その人は私を部屋に送り届けて帰っていった。そのホテルで朝目覚めた時、私はアンタレスのマークを見た。空中に3×3のマスが並び、中央に非常口のマークのようなピクトが描いてあった。

アンタレスは横移動の扉で、交差点のようなものだから、中央のマスの周りに8つのマスがあるというのは、アンタレスを表している。中心に体があって、8本の脚が出ている蜘蛛みたいなイメージだ。これは生命の樹のティファレトと同じでもある。ティファレトからは8本のパスが伸びている。

横浜は昔小さな漁村だったが、ペリー来航をきっかけに開港し、貿易のポータルとなった。これがアンタレスと型共鳴しているわけだ。私は横浜の開港に対して、少しだけ親近感を覚える所がある。それは横浜のホロスコープと自分のホロスコープに似ているところがあるからだ。ジオセントリック的には共感する。

ちょうど部屋の更新が切れるので、横浜の開港の近辺に引っ越したいと思っていたのだが、色々問題もあり、かなり難航しそうだった。そこでアンタレスに、「アンタレスと似たような場所の横浜というところに住みたいんだよ」と訴えかけるようなイメージを持って眠りについた。

夢：ケンジ君

夢では、ケンジ君が銃をあちこちに撃っていた。あちこちといっても3方向ぐらいかもしれない。ケンジ君は知っている人ではなく、夢の中でケンジ君だと思ったのだ。銃をあちこちに撃つのは、ティファレトを思い浮かべる。先に述べたように、ティファレトからは8本のパスが伸びているのだから。
そしてとりわけ、ティファレトとホドの間のパス「アイン」のことだと思う。ティファレトから漏らさず真っすぐ下に注ぎ込むのは、節制のカードで「サメク」のパスだけれど、その余剰成分を外に漏らすのは、ホドへ向かう「アイン」のパスで、タロットでは悪魔のカードだ。

イェツラー界をエーテル界として、そこで想ったこと、つまり胸の位置のティファレトで想ったことは、一つ下のアッシャー界のケテルと重なっている。イェツラー界で想うことは、アッシャー界で思考として降りてくるといっても良い。思考は自分から生まれたものではなく、常に上から降りてきたものなのだということが、生命の樹ではよく分かる。

そしてイェツラー界のティファレトからホドへのパスは、そのままアッシャー界のケテルからビナーへ向かうパスと重なっている。つまりここではじめて物質界に降りてくるのだ。ということは、ケンジくんは顕示くんだ。

一般的に願望実現のパスというと、イエソドからマルクトへ降りるパスと考えても良いけれど、アンタレスをティファレトの位置に置いた場合、ここから一段下に降りる時は、ホドかネツァクへ降りることになる。ティファレトがアナハタだとしたら、ホドとネツァクの位置はマニプラだ。

ネツァクだと期待がいっぱいだ。開港は恐ろしくも魅力的なのだ。海の向こうは未知の世界。みたこともないようなものが横浜に入ってくることは、受動的な喜びもあったろうと思う。
アンタレスの夢では、ケンジ君はだいたい3方向に銃を撃っていて、これはホド、ネツァク、そしてイエソドの3つなのかもしれない。
アンタレスの夢の翌日に、到底無理だと思っていた物件に入れることになった。

月食と日食

実は今住んでいる部屋の管理会社と少しもめていたが、月食に解決。そして横浜に引っ越すのは日食。月食や日食に何かを始めるのは良くないというけれど、まるでそこを選んだかのような日程になった。蝕は通路になると考えるなら、月食で物質にめり込んだ錨を上げ、日食で出航と考えることもできる。
アンタレスに住むのだから、どこへでも行けるはずだ。

土地に恒星を結びつけて良いのかというと、物質的な横浜に結びつけるのではなく、エーテル的な横浜に結びつけるのはありだと思う。地球グリッドではないインドラネットの横浜があるというと変な話になってくるけれど、反対にインドラネットまで降りてきているアンタレスは、横浜と呼ぶこともできると言っても良いかもしれない。こうなるともはや地上の横浜は関係ない。
ではなぜ横浜に住むのか本末転倒になってくるが、引っ越し自体はしなければならなかったのだから、どうせ選ぶなら、物質的目的で場所を選ぶのではなく、非物質的目的で選びたいというところ。
とは言え、今後引っ越し先で何を見つけるか、今から楽しみだ。