2019年度 立教大学 アスリート選抜 小論文 模範解答

小論文:
筆者によれば、ある地域に暮らす人々の身体所作の様式は、生産様式に合わせて変わる。たとえば、南アジア、東南アジア、東アジアなどの農耕民の文化圏では、舞いの文化が発達している。これは、すり足や腰を据えてゆっくり動く動作を基調としており、その代表例は能である。他方で、遊牧民の文化圏では、飛ぶ、跳ねる、回るといった踊りの文化が基本である。バレエを代表とする踊りの文化圏は、ユーラシア大陸の中央部から、西はイベリア半島、東は朝鮮半島まで広がっている。このように、文化圏が異なれば身体所作の体系も異なるので、舞踊の様式もそれに合わせたものになるのである。さらに筆者は、舞いと踊りという二つの文化の基底には、狩猟採集民の舞踊があったのではないかと推測している。

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