ソムニウム(2)ジェットコースター
公園に行くと砂場で自分が燃えていた。
すっかり炭化して中身が空になっていた。
遊んでいた女の子が、片手で持ち上げて振り回した。
抜け殻がパリパリと崩れて散った。
「脱皮したんだな」と思い、嬉しくなって自転車で走った。
白い歩道をすいすい進んだ。
園服を着た幼稚園児が一列に並んで歩いていた。
近寄ってみると子供は一人で、残像を残しながら、同じところを何度も歩いていた。
自転車を止めてしばらく眺めた。
単純な繰り返しが面白かった。
子供がこっちを見てニッコリ笑い、残像の中から抜け出して走った。
自転車で後を追いかけた。
だんだんと坂道になり登れなくなった。
見下ろすと、巨大なジェットコースターのてっぺんにいることが分かった。
それは恐竜のかたちをしていた。
子供がすぐ横で「ぱぴらか」と言った。
ぼっ、と体が燃え上がった。
急転直下でコースターを落ちた。
(終わり)
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