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2023年6月【教育】 注目の動き・ニュース

政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年6月の「教育」に関する注目ニュースをお届けします!


(1)7月下旬の提言に向けて、「質の高い教師の確保特別部会」が立ち上がる

 2023年5月、文部科学大臣から中央教育審議会への諮問、その翌月の「骨太の方針2023」の内容を受けて、中央教育審議会内で「質の高い教師を確保」するための環境整備等の方策を調査・審議すべく「質の高い教師の確保特別部会」が立ち上がりました。第1回では具体的な検討事項として3点が整理されています。1点目が「更なる学校における働き方改革の在り方について」、2点目が「教師の処遇改善の在り方について」、3点目が「学校の指導・運営体制の充実の在り方について」です。
 「骨太の方針2023」には、2024年度から小学校高学年の教科担任制の強化、教員業務支援員の小・中学校への配置の拡大を速やかに進めることなどが示されており、特別部会としても、直ちに取り組むべき施策に関して議論を深め、7月下旬頃に提言をする予定としています。

(参考)
・文部科学省「質の高い教師の確保特別部会」
・文部科学省「永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年6月27日)」

(2)「令和4年度科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告」が閣議決定

 「科学技術・イノベーション白書」は、日本政府が毎年公表している報告書です。この白書は、日本の科学技術とイノベーションの現状や課題、政策の方向性などを伝えるために作成されています。6月20日、この年次報告が閣議決定され、日本の現状や課題が取りまとめられました。特集となる第一部では、「地域から始まる科学技術・イノベーション」として、地域の特性や強み、革新的な技術をいかした事例が掲載されています。
 年次報告を受けて、文部科学省は、研究力の基礎となる国際卓越研究大学への支援と地域中核・特色ある研究大学への支援を両輪として、研究大学群の形成等に取り組むことを表明しました。また、地域の自治体や企業等の連携による地域課題の解決や地域経済の発展に向けての拠点作りの推進、技術を武器とした地域の大学や高専でのスタートアップ創出に力を入れるべく支援を強める方針を明らかにしました。

(参考)
・文部科学省「令和5年版 科学技術・イノベーション白書(令和4年度科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告)」
・文部科学省「永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和5年6月20日)」

(3)「GIGAスクール構想」の取組について評価と課題が話し合われる

 6月8日、文部科学省「次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ」において、1人1台端末等が掲げられている「GIGAスクール構想」の評価と課題について話し合われました。
 GIGAスクール構想の中心となる「学習者用端末の1人1台環境の整備」の進捗は概ね完了していることが振り返られましたが、利用状況としては、都道府県ごとに利用率が異なること、学校のネット環境等で問題が起こっていることが課題としてあげられています。また、校務DXを進める上での「統合型校務支援システム」の整備状況は8割となっていますが、その多くが閉鎖型ネットワークによる自組織内設置型運用で、次世代型としてのクラウド型のシステム普及が課題として挙げられました。
 利用の面においては、利活用頻度が高くなれば高くなるほど、端末活用に対する効果認識が高まる傾向が見られるという回答があったものの、現場の声として、「指導者向けの研修やサポート体制が十分ではない」「児童生徒が授業や学習とは関係のない目的で端末を利用している」「保護者の理解が十分に進んでいない」などの課題が上がっています。

(参考)
・文部科学省「次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ」