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2023年12月【教育】PISA2022、日本がICT機器活用でV字回復も課題は残る 他

 政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年12月の「教育」に関する注目ニュースをお届けします!



(1)PISA2022、日本がICT機器活用でV字回復も課題は残る

 12月5日、経済協力開発機構(OECD)の国際的な学習到達度調査「PISA2022」の結果が発表されました。この調査は、義務教育終了時の生徒に対し、課題に対して知識や技能をどの程度活用できるかを測ることを目的に、3年ごとに行っています。
 日本は、参加した37か国の中で、数学リテラシー1位、読解力2位、科学的リテラシー1位と世界トップレベルの結果となりました。前回の「PISA2018」の結果と比較すると、参加国全体の平均得点は低下した一方で、日本は3分野全てにおいて前回調査より平均得点が上昇し、V字回復することとなりました。
 OECDは、この背景について主に3つの要因があると指摘しました。

  1. 新型コロナウイルス感染症のために休校した期間が、他の参加国に比べて短かったこと

  2. 学校現場において、現行の学習指導要領を踏まえた授業改善が進んだこと

  3. ICT環境の整備が進み、生徒が学校でのICT機器の授業や使用に慣れたこと

 一方で国内では、12月の「デジタル⾏財政改⾰会議」で、デジタル端末が小中学生全員に配布されているものの、中学校の授業において「ICT機器の活⽤」が週2回以下の割合が4割以下の結果に対して、学校や家庭の通信環境の改善が必要であることが指摘されました。加えて、教員の働き方改革についても、紙とデジタルと両⽅の業務プロセスが存在していることで、恒常化した教員の長時間労働の改善に繋がっていないとの指摘もあり、対応策が検討されています。

(参考)
国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA2022)」
内閣官房「デジタル行財政改革会議(第3回)」
文部科学省「盛山文部科学大臣会見(12月8日)」


(2)少子化対策の一環、多子世帯の大学授業料無償化

 少子化の大きな原因として、教育費の負担が指摘されています。
 政府は、2023年1月より「異次元の少子化対策」を掲げており、その一環として高等教育である大学等の「貸与型奨学金」や「授業料等減免及び給付型奨学金」、「授業料後払い制度の変更」などが検討されてきました。
 12月22日に、上記政策をまとめた「こども未来戦略」を閣議決定しました。
 しかし、「多子世帯の大学・短大・高専(4-5年生)・専門学校の授業料・入学金」は、所得制限を設けず無償とする措置については論点となっています。
 適用条件である「多子世帯」は、子供3人以上を扶養している世帯を指していますが、子どもの1人が扶養を外れると無償化の対象外となります。厚生労働省の調査では、日本の子育て世帯は900万世帯程度ですが、その中でも適用条件となる多子世帯は12.7%のため、その適用範囲については今後も議論が行われることが想定されます。
 この授業料減免の制度改正は2025年度施行の見込みです。

(参考)
内閣官房「子ども未来戦略会議(第8回)」
文部科学省「盛山文部科学大臣会見(12月12日)」
厚生労働省「国民生活基礎調査(2022)」


(3)東京都が2024年から高校の授業料完全無償化へ

 現在、文部科学省では「高等学校等就学支援金制度」により、高等学校に通う生徒に対して、返還不要の授業料支援、いわゆる「授業料無償化」を行っています。
 これは、世帯年収が910万円までの世帯に対し段階的に、公立高校授業料に相当する金額が支給されます。一方で、私立高校は支給額との差額を自己負担することになっています。
 東京都内の私立学校の平均授業料は、2022年度では47万5,000円と、「高等学校等就学支援金」の上限額である39万6,000円よりも高くなっています。そのため、東京都は2022年よりこの支援に上乗せする形で、「私立高等学校等授業料軽減助成金」を支給し、世帯年収910万円未満の私立高校の授業料を実質無償化する助成を行ってきました。
 12月5日、小池都知事はさらに所得制限を撤廃することを発表、来年度より施行の調整を進めることとしました。
 「高等学校の学費無償化」は、各都道府県でも検討されており、大阪府でも、2024年度から段階的に高等学校の学費無償化が行うこととしています。

(参考)
文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
東京都「私立高等学校等の学費負担軽減に係る支援について」
東京都「令和5年第四回都議会定例会 知事所信表明」
大阪府「私立高校等授業料無償化制度の改正(案)」


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