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2023年6月【こども・子育て】 注目の動き・ニュース

政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年6月の「こども・子育て」に関する注目ニュースをお届けします!


(1)骨太の方針の焦点「異次元の少子化対策」が発表される

 「異次元の少子化対策」の詳細が、「骨太の方針2023」を構成する「こども未来戦略方針」にて明らかになりました。
 来年度からの実施を表明している児童手当制度では、一定以上の所得がある世帯には支給を行わなかった所得制限の撤廃や中学卒業までの支給期間を高校卒業までに延長、そして第3子以降の給付金が3万円に増額されることが明示されました。その他、「出産育児一時金」の引き上げや育児休業の手取り額の維持、時短勤務に対する給付金など、多くの施策が組み込まれています。
 一方で、この少子化対策に対する財源の確保の詳細の一部については、年末までに結論を出すなど、先送りになっている部分もあります。

(参考)
内閣官房「こども未来戦略方針」
内閣府「児童手当制度(現行)」

(2)性犯罪歴がないか確認する「日本版DBS」導入へ議論

 教育・保育施設等やこどもが活動する場等において働く際に、性犯罪歴等についての証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に向けた検討が始まりました。イギリス・ドイツ・フランスにおける犯罪歴照会制度に関する資料等も参考に、「どのようなことを求めるのか」、「範囲をどのように考えるか」、「性犯罪前科等についてどのように考えるか」、などが議論のテーマに上がっています。
 一方で、憲法が定める「職業選択の自由」や「プライバシー権」にも関わることで、どのように制度を設計していくかが課題となっています。
 今後、具体的な検討を進め、制度設計のための法案が提出される予定です。

(参考)
こども家庭庁「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」

(3)自営業・フリーランスの仕事と子育てを両立する支援の検討が始まる

 政府の「こども未来戦略」においては、多様な働き方と子育ての両立支援を行うことが明示されています。現在の「仕事か、子育てか」の選択を迫られている状況の是正を図るため、厚生労働省の社会保障審議会年金部会(第5回)では、その一環として自営業・フリーランス等の育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置として、保険料免除措置を導入することが議論され、出席した有識者からも賛成の声も多くあがりました。
 今後、免除期間や給付水準等の具体的な制度の検討を進めながら、2026年度までの実施を目指すこととなっています。

(参考)
厚生労働省「第5回社会保障審議会年金部会」