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【矢田わか子議員】「みんなで一緒に不幸せになる?」児童手当改正問題を考える意見交換会開催!

「年収1200万円以上」は児童手当がもらえない?

かねてからPoliPoliにて少子化政策を打ち出されている国民民主党・矢田わか子議員。今回のオンライン意見交換会は少子化政策の中でも児童手当改正に的を絞ったテーマで開催しました!

児童手当に関しては今年2月、以下のように決定されました。

政府は2日の閣議で、一部の高所得世帯の児童手当を廃止する児童手当関連法改正案を決定した。2022年10月支給分から対象を絞り、世帯主の年収が1200万円以上の場合は支給をやめる。今国会に提出し、成立を目指す。

日本経済新聞2021年2月2日付『児童手当「年収1200万円以上」支給せず 法案を閣議決定』

矢田議員はこの児童手当改正について「コロナ禍を通じて子育て世帯の可処分所得が減っている現状を、当事者の方の意見を踏まえて、総理に質疑したい」と意見交換会を開催していただきました!

今回は児童手当改正を起点とした少子化政策に関する意見交換会の様子をお伝えします。

政策の詳しい内容はこちらから↓

自己紹介!

矢田さん:ご参加ありがとうございます。来週の月曜日(※3月15日)の予算委員会で質疑をすることになりました。そこでぜひ児童手当改正の問題をやりたいと考えています。子育て世帯の可処分所得が減っていることについて、当事者の人の意見を踏まえて質疑したいので、ぜひみなさんの意見を聞かせてほしいです。

佐藤さん:大阪に住んでいて、9ヶ月の子供の子育てをしています。仕事は公立学校の教員です。

竹下さんビジネスインサイダーの記者をやっています。これまで児童手当縮小に関する取材を継続的にしてきたので、今回の意見交換会も取材させていただきます。よろしくお願いいたします。

メアリーさん:不妊不育治療の当事者の会をやっています。今のところ政府からは不妊治療の保険適用が政策として出ていますが、児童手当縮小を聞いた時は、国として少子化対策についてどんな方針なのかに関心を持つようになりました。

めぐみさん:7歳と5歳の2歳の3人の男の子の子育て中です。国の少子化対策がどんな方向性なのかチグハグな感じがするので、今後どういう方向で進んでいきたいのかを伺いたいです。

山中さん:電気連合に所属しています。電気連合は電気系企業の労働組合が加盟している団体で、日頃矢田議員とは協力しながら活動しています。今回は加盟組織の組合員さんからの意見もたくさんお聞きしましたのでお伝えしたいです。

工藤さん:子どもがしゃっくり中ですみません笑 埼玉在住です。都内のソフトウェア関連の会社で働いています。子どもたちが大人になった時にもう少しいい社会になっていればいいなと思っています。

Kさん:自身が特例給付世帯ということで、児童手当問題について関心があります。7歳と5歳と3歳と7ヶ月の子どもを子育て中です。

中嶋さん:1ヶ月前にくらいから子育て関連のNPO法人のお手伝いしていたので関心があって参加することにしました。よろしくお願いします。

水上さん:9ヶ月の子どもの子育て中です。大学生で4月から働きます。夫も新卒で、年収も低い状態なので児童手当とかを受けながら、子育てをしていくことになると思います。

金澤さん:子育ては終わっているのですが、今回はいろいろ意見を聞いて、反対だけではなく、対案についてもお話しすることができたらいいですね。

笛美さん:広告関係の仕事をしています。コロナになってから政治に関心を持つようになりました。独身で子どもはいませんが、最近では子どもを持つことが幸せなのかモヤモヤしています。その中で児童手当が廃止されることを疑問を持つようになりました。

なぜ児童手当は改正される?国の方針とは?

司会:まず矢田さんから今回の児童手当改正についてご説明いただけますか?

矢田さん:この国の少子化対策がどんな方向でいくのかとても疑問に感じています。今の国は(収入が)大きな人から(お金)を取ればいいという方針です。

政府は年収1200万円以上の人からより多くのお金を取ろうとしていますが、例え1200万円の年収があっても、実際の可処分所得は手取りの70%。これから認可保育園の保育料などを入れてしまうと可処分所得は700万円台になってしまうんですよね。

(低所得者層に比べて)中間所得層に置き去りにされていってしまっています。0〜2歳の幼児教育無償化も全然進んでいません。1200万円の人でも苦しくなってしまうのが現状です。

工藤さん:本丸的な話をすると菅政権はどれほど本気でやるのか疑問に思います。自民党は衛藤さん(※ 衛藤晟一参議院議員)が希望出生数1.8を目指すとして国債発行するアイデアなどを発表されていました。自民党と菅政権は本当に歩調があっているのでしょうか。

矢田さん:多様な意見があるのが自民党です。いつも争っているわけではないし、私自身も衛藤さんともよく話します。自民党自身が掲げている待機児童ゼロ政策が重くのしかかってしまって、少子化対策に制約がかかっているのが現状です。待機児童はまだ1万2000人いて、その解決のための(保育所整備などの)財源問題が大きくのしかかってしまっているんですね。

当事者不在の少子化対策?

メアリーさん:前の矢田さんのツイッターで拝見したのですが、今回の児童手当の改正に伴う事務費は300億近くかかるらしいです。それだけのお金をかけて児童手当を削るものなのか驚きました。

当事者の世代が制度を設計していれば、こんなことにはならないのではないでしょうか。国民の声と実際に仕組みを考えている人と議員さんとの間にギャップがあるなと感じます。

矢田さん:官僚としては足りなくならないように多く予算をとってるというのが正直なところです。改修費予算は230億円で、改修に伴う事務費は1回限りらしいですが、本当に1回限りなのか疑わしい部分もありますね。

将来的にまた児童手当の制度改正がないとも限りません。将来的な話も含めて考えないといけません。

佐藤さんこの国は子育てする人に冷たいです。ある高校に出前授業をしたことがあったのですが、授業アンケートには高校生の中にも子育てに関するマイナスなイメージが広がっていました。

経済面や精神面などでの潜在的なマイナスイメージも少子化にも大きな影響を及ぼしているのではないでしょうか。子ども1人あたりの教育費として2000万かかると言われていますからとんでもなく大きな政策転換が必要だと考えます。

矢田さん:全く同感ですね。総理にも理解してほしいことです。今回の質疑では、妊産婦の数が異常に減っていることも質疑したいですね。金勘定ばかりしていると、実質的に子どもが増える政策にはなりづらく、少子化対策が前に進みません。

水上さん:不妊治療などの子どもが欲しいけど産めない人への支援が必要なのはわかるのですが、国の政策としては1人産んだ人を2人うむ人を増やした方が政策として楽なのかなとも思います。実際に二人目どうしよう、三人目どうしようと悩んでいる人は年収1200万円くらいの人が多いのではないでしょうか。

児童手当改正は「みんなで一緒に貧しくなろう」?

めぐみさん:年収1200万円もらっているからいいじゃないかとの意見もありますが、1200万円もらっている人でも子どもを習い事に行かせたり、私立に行かせたりすることがあります。「ご飯を食べるのに困っていないなら、(児童手当くらい)いいでしょ?」のような批判の仕方はみんなで不幸せになる議論に思えます。

日本の児童手当は親に対して給付する手当です。しかし、子どもの権利という視点から考えると、親ではなく子ども一人一人に給付することが理想ではないかなと思います。高所得者層の子どもでも虐待を受けることがあり、親の年収と子どもの生活は一致するとは限りません。子どものための制度にしなくてはいけないと思います。

金澤さん:昨年、日本学術会議も児童手当はすべての親に配るべきとの提言をしていました。去年47都道府県の中で福井県が1番の幸福度が高かったです。その福井県は教育と仕事の分野での満足度が日本1位。これは少子化対策のモデルになると思います。

竹下さん:児童手当の特例給付をもらっている人や、今回の改正案で児童手当がカットになる人を取材していますが、全然暮らしぶりは楽ではありません。世間のイメージと乖離し、孤立しています。

実際に取材していて、児童手当撤廃の対象になる人が心配していることは扶養人数の具体的なことは政令で決めるという点です。4人育てるのに年収1200万円ではキツい。改正案撤廃が理想です。

矢田さん:保育料に限らず、子どもが高校や大学に入った時のことをトータルで考えて、1200万円だけ楽ではないというのを訴えていきたいですね。

Kさん:日本学生支援機構における大学の奨学金も1200万円だと申し込めません。1200万円は全然楽じゃないんです。そもそも年収制限の基準が1200万円になった根拠もよくわかりません。企業なら意思決定に納得感が大切になりますが、正直1200万円には納得感ある根拠がないです。

笛美さん:年収1200万円の女性も少ないけどいますよね。そういう人の多くは社会的プレッシャーがあり、ボロボロになって働いています。親の年収で線引きするのではなく、子どものための制度にしていく必要があると思います。

佐藤さん:お金厳しい人ばかりが厚遇される雰囲気になってきています。子育て世代に寄り添った視点で政府が対策を打たないと子どもを生みづらい変な社会になっていくのではないでしょうか。

安心感ある少子化政策を!

工藤さん:子育て支援策で政府に期待するのは安心感が伴う政策です。今回の児童手当廃止については、廃止対象になる以外の人からも反対の声が多く上がっています。これは将来的な安心感が失われるからではないでしょうか。子育て支援って現役世代の負担もすべて含まれますよね。独身世代の意見もともに考えていかないといけないと思います。

矢田さん大きな視点でなぜこの法律を変えるのかを考えないといけないですよね。なんでこの児童手当を変えるのか。児童手当の議論を子育て政策の起点にして政府に訴えていきたいですね。

最後に

意見交換会から3日後の3月16日に矢田議員は今回の意見交換会の意見を踏まえて、実際に参議院予算委員会で児童手当に関する質疑を行ったそう!

これからもPoliPoliユーザーの方々が政治家さんたちと実際の政治や政策づくりに関わっていける機会を作っていきます!