8月2,3週【教育】 日本の医学研究力の低下、大学病院改革に課題山積み
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2023年8月2,3週の「教育」に関するトピックをご覧ください!
日本の医学研究力の低下、大学病院改革に課題山積み
<概要>
文部科学省で、「今後の医学教育の在り方に関する検討会」が8月16日に開催されました。この検討会は、学部・大学院での医学教育の改善・充実、医学部臨時定員を含む医師養成、大学病院における教育研究環境の充実などについて話し合うために設置されました。
本検討会ではこれまで、大学病院の制度・構造、経営財務、人材確保、医療DXなど様々な面において課題が話し合われましたが、本会議では「研究」をテーマに議論が行われました。
8月に発表された「科学技術指標2023」によると、トップ10%の論文等のランキングにおいて、日本の研究力の低下は著しく、高等教育への公的支出においてもOECD平均の半分以下となっていることが課題に挙げられています。
研究力の確保のために財務・経営の改善や診療時間に充てる時間を減らし、研究に当てられるような体制を作っていくべきなどが提案されました。
今後、中間取りまとめの作成とその検討を行い、来年2024年6月ごろに「大学病院改革ガイドライン(仮称)」として最終的な取りまとめを発表する予定です。
<これまでの課題>
大学病院における臨床研修医の受入数は、近年減少しており、臨床研修の場としての大学病院の魅力が低下しているという大学病院勤務の医師からの指摘がある。
大学病院で勤務する医師の研究時間は、経年的に減少しており、助教授の業務時間に占める教育・研究時間の割合は2割程度に留まる一方、診療時間の割合は7割を占めている。実労働時間で見ても、15%は全く研究をできておらず、50%は週当たりの研究時間が5時間以下に留まっている。
<これまでの取組>
2004年に「国立大学法人法」により、国立大学に法人格が付与された。大学は自己収入の獲得努力が求められる中、大学病院は、活動資金を生み出す主な組織の一つと位置付けられ、運営において診療など経営効率を追求するようになった。
2022年、文部科学省が「大学病院における医師の働き方に関する調査研究」を81大学病院に実施。医師の働き方についての実態を明らかにした。
<これからの課題>
「研究」についての課題は、大学病院の制度・構造自体の問題や構造から生じる財務・経営状況、人材確保の観点、医療DXの遅れなど様々な要因から生じているもので、個々の課題に対する制度設計が喫緊で求められている。
少子高齢化が進む中で、財源・人材の確保、絶対的な診療数の増加は止められず、どのように対応していくかを考える必要がある。
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