7月3週【スタートアップ】 中東3カ国との会談。スタートアップの技術力も巻き込み、脱炭素技術の協力を進める
政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、PoliPoli有識者限定公開の「weekly」ニュースレターを(β版)限定で、一般公開でお届けします!
2023年7月3週の「スタートアップ」に関するトピックをご覧ください!
中東3カ国との会談。スタートアップの技術力も巻き込み、脱炭素技術の協力を進める
<概要>
岸田総理は、2023年7月16日から18日にかけてサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールの中東3カ国を歴訪しました。この訪問では、エネルギー分野における協力が重点的に取り上げられ、グリーン・トランスフォーメーションの推進に向けて協力することで一致しました。
中東は、石油・ガスの輸出が国家収入の半分以上を依存している状況から、脱炭素エネルギーの輸出国に転換するとともに、経済・産業の多角化を図りたいという強い意思があります。こうした意思に対して、日本は中東の脱炭素化を支援し、将来のクリーンエネルギーや重要鉱物のグローバルな供給ハブとするビジョンを提示し、賛同を得ました。
今後は水素・アンモニアの製造や、脱炭素技術の実用化と普及に向け、連携を強化していく他に、例えばグリーンスチールなどの、製造過程で二酸化炭素を排出しない素材の研究・開発に関する協力も深めていきます。
日本政府は訪問に際して、大手企業の他にクリーンエネルギー分野のスタートアップを連れて行ったことも特徴的です。企業の協力では、水素・アンモニアの製造や、グリーンスチールの製造過程で二酸化炭素を排出しない素材の研究・開発、海水淡水化プラントの共同研究、医療ソフトウェアなど、50本以上の両国企業間の覚書への署名がありました。
会談の結果として、サウジアラビアとクリーンエネルギー協力のための「ライトハウス・イニシアティブ」、UAEと「日UAEイノベーション・パートナーシップ」を発表しました。そして、最後の訪問国のカタールとも、LNG(液化天然ガス)の安定供給と技術発展に関する共同声明を発表しました。
<これまでの課題>
ロシアのウクライナ侵略により、世界的なエネルギー供給の不安定化しており、エネルギー資源国である中東3カ国の関係性が重要となっている。
昨年からOPEC加盟国で合意している原油原産について、7月3日、中東最大の産油国サウジアラビアは、自主的な追加減産を8月も継続することを明らかにしており、日本を含めた輸入国は産油国の決定という外的変動を改めて受けることとなった。
<これまでの取組>
2023年1月、UAEのアブダビ国営石油会社と日本のスタートアップ企業が「グリーンアンモニア製造に向けた事業調査」を共同で実施するという契約を締結。
2023年6月の「骨太の方針2023」では、脱炭素分野で新たな需要・市場を創り、日本経済の産業競争力強化・経済成長につなげること。今後10年間で、官民協調で150兆円超の関連投資を実現すると発表。
<これからの課題>
日本政府と日本スタートアップが、中東3カ国に向けて十分なプレゼンの機会を設け、更なる対日投資を引き出すことができるか。
中東3カ国は重要なエネルギー国として、他国からも積極的な提案が行われているため、競争が働いている。
『PoliPoli』の有識者について
『PoliPoli』では、特定分野に実績や専門性のある有識者を募集しています。多様な意見が政策により反映されるためにも、ぜひ有識者にご応募ください。詳細につきましては、以下の「有識者向け『PoliPoli』活用ガイド」をご覧ください。(有識者登録には一定の審査がございます。)
『PoliPoli』に掲載されている、スタートアップに関する政策
誰でも気軽に政策に関する意見を投稿できるプラットフォーム『PoliPoli』には、スタートアップに関する政策が投稿されています。
ぜひ政策提言やコメントをしてみて下さい。
上記政策の閲覧・コメントはこちら→https://polipoli-web.com/projects/gOEEa0N50Rd7UFHhdmhn/story