中国でクワガタは害虫だと知った話
デカっ!
中国で日本語教師をやっていた時、休日によく近くの山へ散歩に行っていました。散歩なのでもちろん昼間に行くわけですが、7月のある日、木にクワガタが止まっているのを見つけました。
それまでは春や秋に散歩に行くことが多く、暑い夏の日に散歩に行くことはなかったからクワガタが生息している事に気づかなかったんです。
私も子供の時、やはりクワガタやカブトムシに夢中になった時期がありました。こんなおっさんになってもクワガタが木に止まっているとつい興奮して捕まえてしまいましたね。
しかもそのクワガタ、大型のものはとにかくデカい!
ノコギリクワガタやミヤマクワガタの大型のものは子供のころに何度か目にしましたが、それよりも一回り大きい感じです。
それからというもの、その夏は休日になると山へ行ってはクワガタ採りに熱中していました。
ところで、今思えばクワガタが明るい時間に普通に木に止まっているというのは不思議です。
子供の時の記憶ですが、明るい時間にクワガタが見える所に止まっているのを見たことがありません。
夜、樹液の出る所に行くと何匹も集まっているのですが、昼に同じ所に行っても見事に一匹もいなくなっていました。
競合相手のスズメバチ等の存在が関係しているのかな、とも思いますがよくわかりません。
そういえば、中国でスズメバチを見たことがないような気もします。
害虫!?
さて、そんなある日、いつものようにクワガタを採りながら散歩をしていると、前から二人の男(中国人)が歩いて来てジロジロこちらを見ます。
私が木の裏側に回ったり、上の方を見上げたりしているから何かを探していると思ったのでしょう、声をかけてきました。(中国人は知り合いじゃなくても普通によく声をかけてきます)
中国人「何を探しているんだい?」
私「これだよ。」(クワガタの中国語が分からなかったので見せた)
中国人「何だ、害虫を集めているのか。」
私「これは害虫なのか?」
中国人「ああ、木を削るからな。」
私「……」
中国ではクワガタは害虫なのか!
これは衝撃でした。
「所変われば…」と言うけれども、中国に来てこれが最もカルチャーショックを受けたことです。
日本のホームセンターでは、その辺の林で採れるノコギリクワガタでさえ、そこそこいい値段で売られているというのに。
それが害虫!?しかもこんなデカいクワガタが!?
後日、学生に授業した時、クワガタとカブトムシを中国語でなんと言うか質問してみました。20歳前後の中国人5人です。
もちろん全員知りませんでした。
中国人がクワガタを中国語で何と言うのか、分からないのです。
それどころか、彼らに写真を見せてもクワガタとカブトムシの違いさえ認識していませんでした。
学生「先生、これとこれは何が違うんですか?」
私「いや、こっちがクワガタでこっちがカブトムシだよ!違うでしょ!」(うまく説明できなかった…)
その後、クワガタ、カブトムシに熱中する日本の子供のことを教えて授業の材料にしました。
それにしてもクワガタが害虫なんて…。残念というか、ショックというか。
子供のロマンですよ、中国の方!
追伸
このクワガタ、捕まえた場所は中国の江蘇省なんですが、詳しい方いらっしゃいましたら何という種類のクワガタか是非教えてください。写真のオスは小ぶりな個体です。(足の黄色がちょっと特徴的な気がします。)
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