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うまれて一番最初のおっぱいで大切なことって なぁに? それは・・・


こんにちは。
助産師ぽれぽれです。

私は、長年母乳育児のお手伝いをしてきた助産師です。
母乳育児をしたいんだけれど、どうしたら良いのかわからない、そんな悩み多きママのお役にたてれば幸いです。


うまれたての赤ちゃん


お産も無事終わりました。
わー こんなかわいい子が入ってたのね。
エコーでみたのと、同じ顔だー、なんて和むひととき。

赤ちゃんを胸に抱っこすると、じわじわと実感がわいてきます。

うまれたての赤ちゃんは、目を閉じていることが多いです。
だって、お腹の中には光がないですから、外の世界はまぶしくってしかたないのです。

「おめめ開けてくれないね~」

そんなときには、お部屋のあかりを暗くしてみましょう。
少しあかりを落としてもらうように、スタッフさんにお願いすると良いかもしれません。
それが難しい場合には、赤ちゃんのお顔の上に手をかざして、あかりをさえぎってみてください。

そうすると、大抵の赤ちゃんはおめめを開けてくれますよ。

ぱちぱちまぶしそうな瞬きをしながら、赤ちゃんはみつめてくれます。



うまれたての赤ちゃんの視力は、そんなに良くありません。
抱っこして、ちょうどママのお顔のあたりがぼんやり見える程度です。


では、赤ちゃんはママをどうやって認識しているのでしょう。

赤ちゃんはどうやってママを認識しているの?



うまれたての赤ちゃんは、実は、においでママを認識しています。

おっぱいの乳輪のあたりに、ぷつぷつとした突起がありますよね。
それはモントゴメリー腺といって、そこから出てくる分泌物のにおいは、赤ちゃんを引き寄せ、おっぱいを吸う意欲をそそるはたらきがあるんです。
またその分泌物は、細菌の感染や、組織の損傷から守るはたらきもあります。

一昔前、授乳の前には清浄綿でおっぱいを拭いてからおっぱいをあげるという習慣がありました。
今では、そんなことをしている施設はあまりないと思います。
もしあったとしたら、最新の知識を取り入れていない古い体質の施設です。

せっかく出てくる皮脂を取り去ることで、おっぱいも傷つきやすくなりますし、何より赤ちゃんが大好きなママのにおいが消えてしまいます。

ときに、おばあちゃんに聞いたからと、「清浄綿で拭かなくていいんですか?」ときかれることがあります。
確かに、おばあちゃん世代のころは、清浄綿全盛時代でしたね。

おっぱいって、汚いものじゃないんですよ。
ちゃんと清潔な状態に保つためのはたらきをもってるんです。
拭いてしまうと、その働きをじゃましてしまうんですよ。
そう言って、やっとわかってもらえることも多いです。

モントゴメリー腺って、アポクリン腺ですから、ある意味フェロモンのようなものです。
そのため、最近では「チチガ」(ワキガのおっぱい版)と言われる体臭の原因になるからと、美容整形で除去してしまうこともあるようです。

でもね、モントゴメリー腺はどんな方にもあるものですから、あまり気にしないでくださいね。
授乳をしていくためには、とても大切なはたらきがあるんです。

毎日おっぱいを拝見している私から言わせると、「チチガ」というほどの悪臭を感じたことは一度もありません。


うまれたての赤ちゃんの探索行動




赤ちゃんは、そのママのにおいをたよりにおっぱいを探します。

うまれたての赤ちゃんって、ホルモンのはたらきもあって、すごく覚醒した状態にあります。
頭がとてもさえていて、何でも吸収できる状態です。

鳥でよく言われるのですが、卵が割れて最初に見たものを親として認識してついていってしまう現象、
インプリンティング(刷り込み)というのがありますね。
人間の場合は、鳥のように一瞬で決まってしまうわけではありませんが、それと似たような感受性の高い時期があります。
うまれてから1~2時間くらいの間の、赤ちゃんが覚醒している時期です。

その時期、呼吸も安定して外の世界に慣れてきている状態であれば、赤ちゃんはおっぱいを欲しがり探します。


口をパクパクさせて、左右に首を振って探す動作がそれです。
首を振っても、決してイヤイヤをしているわけではありませんよ。
ママのにおいをたよりにママに近づいていき、首を振って口に触れたものがあれば、それを吸いつくといううまれつきの反射があるのです。

そして、赤ちゃんはおっぱいに吸いつきます。

まだ何もわからない、真っ白な状態の赤ちゃんです。
そのときにおっぱいを含んで吸うという行為、それをしっかりと頭に刻み込んで覚えていきます。

そうなんです。

その一番最初のおっぱいが大事なんですよ。
そこで一度覚えた吸い方は、後で修正するのが難しいのです。

うまれたての赤ちゃんを胸に抱いて、おっぱいを吸ってもらいます。
そのとき、助産師などの専門家がおそらく手伝ってくれることでしょう。

ちゅっと赤ちゃんが吸ってくれたその瞬間、『いたっ』と思っても、大抵のママは我慢してしまいます。

赤ちゃんにおっぱいをあげるのって、こういうことなんだわ、そこで誤解が生じてしまいます。


そうじゃないんですよ。
おっぱいをあげるのって、痛いのはおかしいです。

もしも痛いなと思ったのなら、一度赤ちゃんが吸って陰圧になっている状態を解除してから外して、もう一度やりなおしてみてください。


陰圧状態のままで無理やり外すと、乳首に傷をつくってしまいますよ。
プッチンプリンみたいに、お口に指を入れて空気を入れ、陰圧をしっかりなくしてから外すのを忘れないようにしてください。

そして、再度含んでもらいます。
そのとき大切なのは、乳首の先だけではなく、乳輪が見えなくなるまでしっかり深く含んでもらうことです。
これが適切にできていれば、乳首に痛みを感じることはありません。

おっぱいをあげるのって、痛くないのが普通です。

そこ、そこ!
そこが大事なんですよ!

いくら初めてのおっぱいであったとしても、うまく含めていれば、痛くないものなんです。
それが痛いということは、うまく含めていないということを意味します。

そこをちゃんと修正しておかないと、間違った含み方を赤ちゃんが覚えてしまいます。

上手に赤ちゃんが自分でしっかりと含んでくれて、痛みを伴わないこともあります。
ただ、痛みを伴ってしまった場合は、早めにプロの力をかりて、しっかりとした含みに修正してもらいましょう。

それができるかどうかで、その後の授乳が違ってきます。

赤ちゃんの吸う力って、思ったよりも強いです。
その力でデリケートな部分を間違った方法で吸われてしまうと、すぐに傷がいったり、ヒリヒリして授乳を続けられなくなってしまいます。

また、間違った吸いによって、乳首の先がつぶれた形になったり、変形したりで、スムーズな乳汁の流れを妨げてしまうこともあります。


痛い授乳は生き物としておかしいのです


痛いのを我慢して、良いことはひとつもありません。
そもそも、授乳が痛くなるなんておかしな話なのです。

人間も動物のひとつです。
子育てをしていくために必要な授乳が痛いなんて、子孫繁栄の原則に反します。
授乳をしていくこと、それが快感でなければ、生き物としてはおかしいのですよ。


おっぱいを吸ってもらってすっきりした!

おっぱいを吸ってもらって赤ちゃんが満足そうでうれしい!

おっぱいを吸っている赤ちゃんをみていると癒される!

そうでなきゃ、おかしいですよね。


痛くない授乳ができるようにと、私たち助産師は授乳のお手伝いをしています。

痛くない授乳

楽しい授乳

つらくない授乳

無理のない授乳

そんな授乳ができると、私もうれしいです。



うまくいかないなと思ったとき、どうか私たちにお声かけください。

楽しくのんびりと授乳ができるように、よろこんでお手伝いしちゃいます。

そのときを、いつでもお待ちしていますよ。

助産師ぽれぽれ


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