自己中心主義勇者 egoistic hero

第九十一話 今できる事

コンピュータールームへ戻るとカズマはコンピューターに問いかけた。

カズマ:「BシェルターのDNA操作装置はハッキングしてオマエの支配下だ。」
コンピューター:「ハイ、ハッキングしたBシェルターの端末を操作して全てのモンスター及び遺伝子操作は元に戻しました。」
カズマ:「このまま装置を残すか壊すかはオマエに任せる。」
コンピューター:「DNA操作装置は既にプログラムを全て消去しております。設備の電源も切断しましたので二度と回復する事はありません。」
カズマ:「そうか、そいつは良かった。で?次はどうする?俺を元の世界に戻してミッション終了か?」
コンピューター:「ハイ、あなたを元の世界へ戻します。旧世界にこの世界の物質や人間を持ち込む事はできません。それらを全て外してからコンピュータールームへお入りください。」
カズマ:「今着ているのは全てこの世界のものだ。素っ裸になれってか?」
コンピューター:「旧世界にこの世界の物質を持ち込むことはできません。それらを全て外してからコンピュータールームへお入りください。」
カズマ:「ぶち壊すぞ・・・ポンコツ・・・」

カズマはコンピューターに背を向けコンピュータールームを出る。
するとそこにマリが立っていた。
コンピューターとの会話を聞かれていたようだ。

カズマ:「どこから聞いてた?」
マリ:「あなたを元の世界へ戻します。からかな?」
カズマ:「すまねぇ・・・融通の利かない奴でな・・・」
マリ:「いいんだ。あれくらいスッパリ言われた方があきらめがつく。」
カズマ:「俺がこの世界に残るという選択肢も持ってきたんだがあの様子じゃそれも許可されないだろうな。」
マリ:「そうだな・・・いつ戻る?」
カズマ:「なんかやり残したことあるかな?」
マリ:「メイとちゃんと話をしてあげて。」
カズマ:「わかった・・・他にないか?」
マリ:「自分で考えて・・・」

そう言うとマリは寝室へ戻ろうとする。
そのマリの腕を捕まえるカズマ。
振り向かせて思い切り抱きしめ、口づけを交わす。
マリを連れてもう一つの寝室に入るカズマ。
二人は堰を切ったように激しく愛し合い始めた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?