自己中心主義勇者 egoistic hero

第九十二話 泣くなメイ

次の日、カズマとマリは一つのベッドで仲良く寝ていた。
そこへメイが現れ、二人の間にボフンと飛び込んで来た。

メイ:「パーパ、マーマおはよ!」

元気よく二人に挨拶をするメイ。
眠りから冷めたカズマはしかめっ面をしながらメイの頭をなでる。

カズマ:「おはよう・・・バカ娘・・・」
マリ:「おはよう、メイ。」

カズマもマリも眠そうにしながらメイに挨拶を返す。

メイ:「二人とも裸アル!さては・・・合体したな?」

メイの直接的な表現にマリは赤面し、カズマは無言でメイの頭を殴る。

カズマ:「オマエに話がある、メイ」

カズマは真面目な顔になるとメイを自分とマリの間に横たわらせた。

メイ:「な~に?パーパ。」
カズマ:「俺はこっちの世界を救ったから、元の世界に帰る。」
メイ:「そうなの?じゃあ私も一緒に行く。マーマもいこ!」
カズマ:「元の世界には俺一人しか行けないんだ。」
メイ:「なんで?ヤダ!アタシも行く!」
カズマ:「聞いてくれ。俺は元の世界へ戻ってやる事がある。そいつが終わったらまた帰ってくる。」
メイ:「ホント?」

メイの顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。

カズマ:「ああ、だからそれまでマリを頼む。」
メイ:「アタシパーパいないと寂しいよ・・・マーマも寂しいよね?」
マリ:「ああ、だけどオマエがいれば我慢できるよ。頼むから一緒にいておくれ。」

そういうとマリはメイの頭を抱えて抱きしめた。
メイはマリを抱きしめ返した。

メイ:「わかったアル。マーマ一緒にパーパ待とう!」
カズマ:「ありがとう。メイ、マリ。」

そういうとカズマは二人を抱きしめた。

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