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《,》と《Wolfy》リン コーウェイ

多摩美術大学の卒業制作展、タマビにも去年の卒制で始めて訪問した。去年は4回ほど来ただろうか。坂道の多いキャンパスもなんとなく把握できてきた。頂上にある彫刻棟群の中でも最も奥にある石彫の展示スペースで、リン コーウェイさんの石彫作品が展示されていた。

《,》©リン コーウェイ

立方体の大理石に刻まれた魔法少女、ステッキが彫り込まれているために女性の横顔は魔法少女であるだろうと想定した。立方体は恐らく石の無垢と思われる。サイズからしておよそ3トンほどはあるだろうか。
作品からは、プレローマあるいは初期キリスト教美術の石棺を連想させる。仮に何等かのカラミティによってこの作品が埋まってしまい、1万年後に掘り出されたとしたら、女神崇拝の証拠として扱われるかもしれない。もしくは巫女だろうか。

いわゆるアニメキャラクターを石に刻むモチベーションはどのようなものだろうか。

《Wolfy》©リン コーウェイ

こちらは狼娘だろうか。頭の上のミミは狼ということだろう。アニメ調が好きならば絵に描いた方が手軽ではないだろうか。立体であるために、様々な角度から眺めることができる。それならば3Dモデルという手もあるが、石に刻むということをあるいは掘り出すということを思うと、愛着があるのではないだろうか。

間違いなく現代に生きている作家による石彫、遺跡を剽窃しているかのような作品が、とても面白かった。

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