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『夢の絵本』 読書メモ

大学院のスクーリング、ゼミ生の発表で紹介されていた本。ネタバレにならないように読後感をまとめておきたい。

およそ100ページくらいの童話、右手のページに物語が、左手のページに挿絵があり、30分もあれば読み終えてしまうくらいのボリュームだと思う。

挿絵を眺めながら、物語を反芻しながら読むのが楽しい。

商業主義的な発想と行動、そうしたものが、どれほどの価値があるのか、そうした気持ちにさせる。招待状とは何か、そしてタイトルの夢が持つ多重な意味合い。

修士論文の執筆にあたり主体と客体について考えていた。

擬人化、アニミズム、主語のない日本語は、そもそも私と皆や環境との境界が無いのかもしれない。西洋のコンテキストで見てきた現代アート研究、西洋のアーティストが、どうやら森羅万象や自然崇拝的な価値観に出会ってきた。しかしながら、西洋的な二元論と東洋的な一元論が、対立を示すものでは無いだろう。

旅の中の出会い、自分の世界と他者の世界、人と人以外が等価にある世界。そうした世界とのコミュニケーションを紡いでいく様子は、それこそ夢の世界なのかもしれない。

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