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2022年のアートマーケットレポート from Financial Times

フィナンシャルタイムの2022年アートマーケットレポートがでていた。UBSが発行しているので、Art Basel関連のニュース。タイトルは強気。

Art Basel/UBS art market report predicts an all-time high in 2022

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コレクター2700人の調査によれば、アートへの支出額は2倍になっているという。そして、対面のアートイベント復活にあたり、二酸化炭素排出が気になるとも答えている。

アートの輸出入は伸びており、購入価格の中央値も大幅に増えている。2020年に落ち込んだマーケットは、元気を取り戻しつつあるように見える。

The value of art exports increased too, by 47 per cent in the same six-month period, having already grown 38 per cent last year, and after a slump in the pandemic year of 2020, the report finds.

輸入は2021年に41%、2022年は19%増加、輸出は38%、2022年の前半で47%も増加している。

UBSのArt Basel レポートを執筆しているMcAndrewによれば、2022年は歴史的に見て、アートの輸出入が過去最大になるだろうと予測している。

対面式フェアは、パンデミック前の水準に戻しつつあるとしつつ、新しいアートフェアとしてFrieze SeoulとParis+ par Art Baselが指摘されている。

Online buying options have grown increasingly attractive after the investment made by art businesses during the pandemic. But the report finds overall that “While the pandemic offered an example of how the market might function differently, the desire for [high net worth] collectors to see artworks in person, particularly higher-priced works, versus the sustainability of doing so, is still swinging very much in favour of the former.”

オンライン購入の選択肢は、パンデミック時にアートビジネスが行った投資の後、ますます魅力的になっています。しかし、報告書は全体として、"パンデミックは市場がどのように異なる機能を果たすかの一例を提供したが、(富裕層)コレクターが美術品、特に高価格の作品を直接見たいという欲求と、そうすることの持続可能性とは、依然として前者に非常に大きく振れている "と判断しています。

ここで指摘されている(富裕層)コレクターは、ブーマー世代(58歳から75歳)のことで、毎年100万ドル以上の支出をしているコレクターのことを指している。やはり、高額な作品を購入する際には実際に見たいらしい。そして、そうした高額な作品は、ニューヨーク、ロンドン、香港に集中しているとし、グローバル化とは逆行するような傾向と指摘されていた。

絵画が依然として人気が高く、続いて彫刻になる。この二つが占めるシェアは大きいようである。これはブーマー世代が支出を増やしているからではないかと推定する。レポートではNFTに関する言及もされているが、ほんの数行なので、詳細な分析はArt Baselのレポートを待った方がよさそう。

NFT をはじめとするデジタルアートは、現代アートとは違うコンテキストに派生するのではないかと思う。

そのための備えだろうか。


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