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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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#NFT

OpenSeaのレイオフに見る、NFTの次の段階

NFT界隈が失速というニュースがいくつか流れてきているのを眺めていた。そうしたニュースは、現時点の最大風速を見ていたり、予測だったりなので、そうなんだ、くらいで流していた。 OpenSeaに関して、雇用に関するニュースを見たとき、NFTは失速しているのだなと思った。 この人員削減の記事は、様々な見方ができると思うけど、成長しているのであれば人員を削減することはない。「暗号通貨の冬」と呼ばれており、急速に拡大した市場にブレーキがかかった。予測のできない急成長がいきなり無くなっ

NFTの展示問題

ArtyにNFT展示についてのコラムがあった。NFTに限らず、1990年代に台頭してきたビデオ・アートをどのように提示するのか?という問題(というか悩みだろうか)は存在していた。 古くて新しい課題なのかもしれない。 ロックダウンで閉じ込められていた時は、バーチャル空間に遊ぶことができた。そうしたバーチャル空間を彩るためにNFTは一役買っていた。フィジカルが大分戻ってきた段階で、これらをどのように提示するべきなのか、という点が大きくなってきたという。 NFTの場合は更に事

ウクライナのNFT博物館

いくつかの媒体で流れていたニュース、ウクライナがNFT博物館を使った寄付を講じている。NFT博物館は暗号資産の送付やNFTの購入を通じた寄付であり、その寄付を更に進めた格好となる。第一生命経済研究所のテキストを読んだメモを書いておく。 画像付きでNFT博物館を紹介しているが、リンクまで画像なので、ここに貼っておく。 NFT博物館はウクライナ政府が運営している。 ロシアのウクライナへの軍事進攻における出来事をアーティストが描いた103件のデジタル絵画、デジタルアニメーショ

リバウンドするアートマーケット

少し前のことだけど、アート・バーゼルの2022年のアートマーケットレポートがダウンロードできるようになった。 様々な変化を経験した2020年と2021年、アートマーケットは回復の傾向がみられる。レポートにはゆっくりあたることにして、Art Newsのテキストから概観してみたい。 タイトルは、アート・バーゼルのレポートによればアートマーケットの大きさはパンデミック前の水準と同程度の65ビリオンUSドルとなった。だろうか。 2021年のセールスは651億ドル、2019年のセ

NFT市場の予想 Jefferies Sees the NFT Market Reaching More Than $80B in Value by 2025

JefferiesのNFTマーケットの予想、ちょっと前のニュース記事だけど、強気の予想が出ていたので、メモとして残しておきたい。 2025年にNFTマーケットの大きさが、800億USドルに到達するという。あと3年後、そしてNFTと呼んでいるため、ゲームアイテムや野球カードやファッションアイテムも含めたNFTとして取引されるモノを全て包括していると考える。2022年の予想は350億USドル。今後5年で倍以上になるという強気の予想になっている。この強気の数字は上方に修正されたと

NFTマーケットプレイスの闇

NFTマーケットプレイスが注目されて数か月が経ったけれど、まだまだNFT商取引が一般的とは言えないように見える。楽天がNFTマーケットプレイスに参入するとして、報道があった。 発表の時とは変わって静かにサービスローンチしたように思う。 楽天のIDを持っていれば、そのIDとパスワードでログインできる。新たな利用規約に同意する必要はあるけれど、楽天のサービスを使ったことがあれば戸惑うことは無いと思う。 並んでいるNFTを見たけれど、日刊スポーツとウルトラマンの写真コンテンツ

What is an NFT? ARTnews.comの記事を読んだメモ

2021年はNFT元年と言われていた。NFTはそれより前からあったけれども、Beepleとメタコバンが、全ての話題をさらってしまったように思える。ARTnews.comの記事が興味深かった。NFTについて簡潔にまとめられているし、より深い記事へのリンクも用意されている。2022年はどのような展開になるのか引き続き注視していきたい。 2021 Has Been the Year of the NFT. But What Exactly Is an NFT? この記事はNFT

2021年のNFTセールスは$22B.

そろそろ2021年はどういう年だったのか、まとめの記事が出てくる。 art newsに掲載されたNFTのマーケットの記事、22ビリオンドルまで拡大したという。日本円だと2.5兆円くらいだろうか。大きな金額、例示も分かりづらいかもしれないが、日本の小売で販売されるパンの規模と近い。(2019年の小売 2.7兆円、富士経済) タイトルの$22 B.から、キャッチ―である。なんと2020年から見て220倍の成長率、まさに新しい世界が始まったというインパクト。 この市場規模はG

楽天グループもNFTプラットフォームを展開(予定)

楽天がNFTマーケットプレイスに参入することが各社から報道されていた。おおむね同じような内容であり、プレスリリースを記事にしたと推測する。 楽天グループのプレスリリース 8/30に楽天が発表、2022年の春にNFTを取引できるマーケットプレイスをローンチするという。スポーツ、音楽、アニメなどのコンテンツをNFTとして取引できるようにするというもの。マーケットプレイスなので、コンテンツを持っている人が、自身のコンテンツをNFTとして販売することも可能になるという。購入は楽天

Alibaba の NFTプラットフォーム 「Alibaba’s new blockchain auction platform is selling Star Wars art on a ledger run by Sichuan’s government」

NFTはデジタルに拡張した世界において、当然に受け入れられる技術なのだろう。アート・ワールドに限らず、およそデジタルで表現されるものや、表現できるものにインストールされていくに違いない。 中国のBAT(巨大テック企業のバイドゥ、アリババ、テンセントの頭文字)のひとつAlibabaが、NFTプラットフォームを構築したという。 リードに並ぶ二つの文、NFTオークションサイトを端的に説明している。 アリババオークションの新しい部門では、アーティストが自分の作品の著作権

MOMAのテキスト「What NFTs Mean for Contemporary Art」を読んで思ったこと

NFT が注目されて久しい。作品に限らず、売り方、どんな作品が売れたのか、アートをNFTのコンテキストに持ち込んだときにどんな影響、反応、変化を受けるのか、NFTの技術的観点そのものについて、様々に議論があり、いろいろなテキストがある。そんな大量のテキストの中から、MOMA の『What NFTs Mean for Contemporary Art』が目についた。 冒頭のリードから、アーティストとキュレーターが語るBeepleそしてNFTがどのようなものかという点を整理して

NFT ファッション業界の場合

ひとつのブームのような展開を見せるNFTの取引、ニュースを全て追いかけるわけにはいかないけれど、少し整理をしておきたい。WWDの記事から考察する。 修士1年生の時の研究テーマがアート×ブロックチェーンだった。進級レポートにまとめたが、その時は様子を見ようという事で、その後のリサーチはひとまず保留にしておいた。 NFT の取引は最近始まったわけじゃない。2019年の研究当時はゲームアイテムの取引でNFTが活用されていた。CryptoKittiesで取引された猫に2000万円