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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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#アート

瀬戸内への旅 淡島、丸亀、直島

スケジュールの合間、一週間のスポットができた。 香川県の友人からいろいろと相談があり、当初の思惑からは少しずれてしまったが、打ち合わせも兼ねて、香川にでかけることにした。 訪問にあわせて友人が綿密な計画を立ててくれており、かなり充実した滞在をすることができた。 最初の目的地は淡島 淡島芸術家村では、秋会期に向けた作品準備をしていた。島民と一緒になって作品を作る。過去の作品も見せてもらったが、結果としての作品と作品を作る過程とが、共に島の暮らしとのサイクルを形成しているよ

WWFF:対話編 第3回「機械と衣服」人工知能とファッションにおけるコンピューテーショナルな生成力 - パターン / パラメータ / アルゴリズム 聴講メモ

2019年8月の話。渋谷で開催されたセミナーに申し込んだ。 登壇者は次の通り。FBで友達の友達だったりする人も講演している。世の中狭いものだと、常々思う。 岡瑞起: 工学博士、筑波大学システム情報系・准教授。 砂山太一: 建築・美術研究者。京都市立芸術大学専任講師(芸術) 藤嶋陽子: ZOZO テクノロジーズ研究者 川崎和也: (主催者)スペキュラティブ・ファッションデザイナー セミナーは各人からのミニレクチャーを行ったあとで、パネルディスカッションを行うという流れ。フ

雲のように考える:コンテンポラリー・アートはどこへいくのか 聴講メモ

年明け早々に、東京藝大でハンス・ウルリッヒ・オブリストの公開講義があった。チケットは相当人気で、あっという間に満席になっていたように思う。 ゼミ生も多く参加した公開講座、日本のアート関係者も多く出席していた。結構、名の知られた人も一般席で聴講していた。招待席を埋めていた人達は、ベテランというか、そうした人たちと若い人たち。若い人は学生なのでしょうね。20代から60代が入り混じって、講堂は満席になっていた。 5時間くらい話したいと言ったハンス・ウルリッヒ・オブリストに対して

構造と表面展@駒込倉庫

8月の頭くらい。齋藤恵汰と堀崎剛志との二人展。駒込倉庫で週末のみ、14時から開始という展示。なんと、展示期間中は毎晩アーティストトークを開催するというもの。 齋藤恵汰の代表作『渋家』。実際の不動産を所有し、地図に署名するために登記簿謄本上の手続きを行った作品は、ゼンリンの白地図のみの展示であった。(価格表によると5万円。どこまでが販売範囲なのかは不明で、地図一枚なのか、署名をした行為なのか...。) 渋家は実際にアーティスト、エンジニアなどが住むシェアハウス。このシェアハ

アートのお値段(ネタバレ注意)

8月の初めだったと思うけど、アートのお値段の先行試写会に参加した。日本語字幕付きで見ることができるのは助かる。 映画はオークション開始2週間前、オークション準備の緊迫した場面から始まる。 沢山のアーティストがスクリーンに映し出される。ジェフ・クーンズ、ラリー・プーンズ、ステファン・エドリス、ジデカ・アクーニーリ・クロスビー、マリリン・ミンター、ジョージ・コンド、それぞれの作品への取り組み、制作に関する思いが語られているだけでも勉強になる。 サザビーズのエイミー・カペラッ

ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム ファッションとアート

8月、京都で開催していた「ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム」を見に行った。ゼミのT先輩が、アートとファッションの接続に関する研究を行っている。僕も、ファッション企業のデジタル化に関するコンサルティングを行っていることもあり、ファッション系の話題にはアンテナを張っている。 アートとファッションの接続。 様々な作品の中のファッション 広い展示室は、スーツの展示から始まる。様々なブランドのスーツ、一言でスーツと言っても様々な様式があり、クラシカルなスタイルながらモダンに見