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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2021年9月の記事一覧

小瀬村真美 『Classic – 絵画の輪郭/Outline of a Painting –』 @kenakian 鑑賞メモ

佐賀に硬派な現代アートギャラリーが開廊した。 佐賀駅からバスで20分ほどの立地、周辺は広大な駐車場を抱えるコンビニエンスストアとドラッグストアがある。夕方の時間帯になると高校生が自転車で下校していく。どこにでもあるような地方都市の郊外、そんな場所にkenakianがある。 二階建ての広大なスペースは、天井が高く、一階と二階とで趣が異なる。自然光の入る二階の展示室は、大きな窓が開口しており、展示室とその先の空間が接続しているかのような錯覚に陥る。一階は暗転させることも可能で

レイ・ブラッドベリ『華氏451度』 読書メモ

思索の深いところまで辿り着けないようにする。国家あるいは社会が、そのように判断した時に本を燃やす。 華氏451度とは、本が燃える温度という。 大衆に考えさせることを放棄させた世界、考えさせないように、人と人との対話ではなく、即興的な刹那的な情報消費をさせる。それでも考える人は出てくる。そうした人を次の世代までつなげないようにするためか、考えさせないような社会になっていた。防火技術の進展によって火事がなくなった世界、本を焼く昇火士という職業がある。今の世界の消防士とは逆の役

メタバースの可能性

参照先によってはメタヴァースという表記もあるけれど、このnoteでは、引用以外はメタバースに統一したい。 テクノロジー業界の新しい流行語として、メタバースへの注目がにわかに高まっている。しかし、すでにメタバースの実現を目指している人々にとっては、インターネットの永続的で広大な「後継版」というメタバースの概念は、ハイプサイクルの浮き沈みを超越している。メタバースは単なる流行語ではなく、すでに始まっているインターネットの進化だと考えているのだ。 こんな書き出しで始まるDIGI

楽天グループもNFTプラットフォームを展開(予定)

楽天がNFTマーケットプレイスに参入することが各社から報道されていた。おおむね同じような内容であり、プレスリリースを記事にしたと推測する。 楽天グループのプレスリリース 8/30に楽天が発表、2022年の春にNFTを取引できるマーケットプレイスをローンチするという。スポーツ、音楽、アニメなどのコンテンツをNFTとして取引できるようにするというもの。マーケットプレイスなので、コンテンツを持っている人が、自身のコンテンツをNFTとして販売することも可能になるという。購入は楽天