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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2021年4月の記事一覧

根本彰『アーカイブの思想 言葉を知に変える仕組み』読書メモ

アーカイブというのは知を活かすための仕組みである。 アーカイブとは、ドキュメント(文書)を保管し、後世も含む他者へ知識を伝搬することである。ドキュメントあるいは文書は、他者に知識を移転するための仕組み、記録はドキュメントとは区別される。 日本で図書館の役割が受け入れられておらず、司書という職業が確立されていないのは、知を蓄積して活かすという考え方が十分に理解されていないからではないかと思わざるをえません。(P.10) 文書(あるいはドキュメント)の役割が希薄になったとき

『生誕100年記念ヨーゼフ・ボイス展』@カスヤの森現代美術館 鑑賞メモ

横須賀まで出かけてみた。ヨーゼフ・ボイス展を見たいと思った。およそ2時間くらい、京浜東北線、横須賀線を乗り継いで、最寄り駅の衣笠駅に到着する。駅から美術館までは歩いて15分くらい。行道は登坂、住宅街を抜けた先の山の入り口にあった。 『生誕100年記念 ヨーゼフ・ボイス 展』 展覧会のページもあるんだけど、今時珍しいフレームを切ったページなので、展覧会ページへの直接のリンクができない。(フレームを外すとか、フレーム中を直接していするとかすればできるけれど、それも違うと思う。

『分裂と融合 post / photography 2011-2021 3.11から10年目の、写真の今と未来展』@銀座奥野ビル 306号室 鑑賞メモ

3.11から10年。あの年に生まれた次女は今年の9月に10歳になる。父親が秋田出身、そのためか親族に東北出身者が多かったような印象がある。母親は東京出身というか、いくらか事情がある。 確かな話は確認のしようが無いけれど、母親の親世代、父が代官の家系で母が豪農の家系、明治に変わるかどうかの頃合いだったのか結婚が許されず、駆け落ちして東京にやってきた。 東京で始めた運送業の商売が軌道に乗り、成功したので親に許しをもらい、東京に呼び寄せた。運送業といっても、その当時は馬車であり