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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2020年10月の記事一覧

『展覧会3.0 辺獄への遡行』鑑賞メモ

京都芸術大学の学生が企画した展覧会、仮想の空間に実際の作品を仮想的に展示する試みがあった。 仮想空間上に展示会場を作り、そこに作品を展示する試み。この展示会場は実際に存在する空間であり、その場所を知っている人に対しては、記憶と映像との重ね合わせを誘発する。 展覧会はYouTubeでも観ることができる。 僕はこの場所を知っているし、行ったことがある。逆に、行ったことが無い人はどのように感じるのだろうか。 オンラインの作品発表の場が模索されていると考える。それは、作品写真

『瑠璃の浄土』@京都市京セラ美術館

ようやく瑠璃の浄土を見に来ることができた。今年の3月くらいに訪問する予定だった。 緊急事態宣言解除後は、地元京都在住の方から順次、対象範囲が広がっていった。Webからの事前予約が必要であり、これは来場者の人数を把握するためと、クラスタ発生の場合の連絡先の確保という二つの意味合いがあるみたい。 展示室すべてが参道かのような配置、薄暗い照明の中で、五輪塔が光る。クリスタルの五輪塔は、木材の柱の上に設置されており、足元のプレートには、海の名前が書かれている。五輪塔の水輪の中には

《Celebration Park》考察メモ

ピエール・ユイグの《Celebration Park》(2006) は、改修工事のために2年以上閉鎖されていたパリ市立近代美術館(ARC/Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris)のリニューアルオープンの幕開けとなった。 ユイグは、1995年にディジョンのル・コンソーシアムで開催された「モラル・メイズ」に参加して以来、展覧会の形式や時間的な枠組みについて実験を行ってきた。自由な時間という概念によって、彼はプロジェクトを「シナリオの制作

横浜トリエンナーレ『AFTER GLOW光の破片をつかまえる』鑑賞メモ

予定に入れていなかった横浜トリエンナーレの鑑賞、日産アートアワードとあわせて見に来た。完全予約制、チケットを取ってしまったらキャンセル、日程変更はできない。チケットシステムの都合なのかなと思うけど、ちょっと不便だと思う。 日産を後にして、プロット48の会場から訪問してみる。地下鉄の移動を計画していたけれど、横浜駅から徒歩圏内ということは発見だった。 四連休の賑わい、密を避けるための措置も、行列になってしまったら仕方ないのかな。横浜トリエンナーレのボランティアスタッフになっ

日産アートアワード 鑑賞メモ

日産アートアワードを見に来た。最終日の前日、4連休だったかと思う。なんと、入場のための行列ができていた。聞くと、入場のための連絡先登録(LINE)と体温チェックに時間がかかっているということ。 家族連れとアートアワード目的の客が交差する感じ。 テントに囲われた中は、庭園と呼びたくなるような雰囲気、芝生と木の色、そこに日産の車が展示されている。 ギャラリーに入る。 グランプリ受賞式をライブで見ていた。 大きな消波ブロックが中央にあり、その対角線上にモニターらしきものが