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ホームを離れて取り戻す自分~飯綱町リトリートプログラム

こんにちは、ちひろ@自由七科です。Polarisでは2022年10月から2023年2月にかけて、長野県飯綱町でワーケーションプロジェクトに取り組みました。合言葉は「持ち寄る・繋がる・混ざりあう」。地元企業の株式会社カンマッセいいづなさんと協働で、東京近郊に住む人と地元の人が互いの価値を交換し合う機会をつくってきました。

今回は2023年2月に「休息」をテーマに開催したリトリートプログラムのレポート。参加者としてプログラムを体験した自由七科メンバーのきりちゃんよりお届けします。

【リトリート1日目】「空気」と「直感」

宿にチェックイン後、今回の企画元のPolarisとカンマッセいいづなのメンバー、飯綱町の行政の担当者、参加者でオリエンテーション。現地で今回の企画を進めてきたよっしー夫婦のファシリテートにより、ニーズカードを眺めながら、手に取り、その背景を共有していく。

ニーズカードとは、NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)の考え方を元にしてつくられたカード。ニーズとは、大事にしていること、必要、欲求、その時の価値観など。(出典:NVC Japan)

私が選んだのは「空気」と「直感」。しな鉄を降りた瞬間から感じる香り。いつもどこかにある焚き火と針葉樹の存在を身体が心地よく喜んでいること。ふだんはロジカルに、誰かにわかるように可視化しなければならないけど、その場所から離れると、直感が理解のベースにあることを思い出す。

宿泊は「Glamprook 飯綱高原」一番奥のドームが我が家。

雪が静かだからか、ワークショップでいろんな話を聞いてもらったからか、とても心が穏やか。家事に追われて、ってよく主婦が言うけど、家事もなく、且つ家族もいないってことが、今の私には安全だと感じる。ずいぶん回復してきたけど、膝を傷めたことで、一部戦力になれない申し訳なさを感じていたのかもしれないな。それがどうしようもないことだったとしても、役に立てないことは私にはすこぶる居心地が悪いことなのかなぁ。

周りにいるのは家族ではなく、Polarisがつないでくれたはじめて会った人たちなのだけど、【他人と自由にくらす】ことで回復していく。想像していたリトリートとは少し違う、でも豊かでたしかな時間のはじまり。

私はなにものでもない私なのだなぁーと雪の夜に想う。

雪の日だったけど、室内は寒さゼロ。雪国の室内はあったかいとは聞くけど、ここもそうだった。寒いのがめちゃんこ怖いんだけど、心配なかった!

【リトリート2日目】別々に、満たされる

前の晩はふぁっさぁーーってつっぷして寝た。

朝目が覚めた時「あれ、目が覚めなかった」って思った。私はいつも夜中に目が覚めるんだけど、ちゃんと朝な気がする。しかもなんだろう、気持ちがとても軽い。

頭がぼっさーなので、センターハウスのお風呂に入りにいく。外はさらに真っ白で、ひたすら静か。本当にこの静けさだけで満たされる。これが【感覚の休息】なのかな。こりゃ東京や日常ではむずかしいな。

雪に埋もれてワカサギ釣り。釣りの後に天ぷらも食べたそうです!

朝ごはんもモリモリ!しっかり食べて、その後はチェックアウトまで自由時間。わささぎ釣りに行く人、スキーに行く人、仕事をする人、いろいろ。私はラウンジでひたすらボーッとしてた。本を読むつもりが読まず、振り返り投稿したり。

連日ワークショップが用意されているけれど、選べるのが助かる。みんなでわかさぎ釣りってプランだったら私は行けなかったかもだし、はたまた無理をしたかも。各々の選択したことがお互いを満たすという状態。そのわけは、選択肢があるからだけではなさそう。

別々であるのに、満たされているというこの感覚はなんなんだろうということには、あえてこれ、という答えを見つけないでおくことにした。それが私の今の「休息」ってことにしておいてもいい。

宿を出たお昼は、「れうりあ」さんでごはんをいただく。東京でも知らない誰かの「食」を囲むことは何度もあるけれど、そこに「れうりあ」さんのストーリーが見えた途端、また同じ感覚がやってきた。別々であるのに、こんなに満たされる「食」が飯綱という知らない町にあるなんて。

2日目のお昼は「天然酵母パンとお惣菜の店 れうりや」
お料理のこと、日々の暮らしのこと、新しい企画のお話などで静かに大盛況
2泊目の宿の夜は「対話のワーク」

【リトリート3日目】「自由」な「自己表現」

チェックインの後は、今回の企画の主催者、カンマッセいいづなの本拠地、「いいづなコネクトEAST」へ。

廃校をリノベして生まれた「食・農・しごと創り」をテーマにしたしごとの創業交流施設

中にはシードルの醸造所があって、ショップが開いてた!もちろん買うよねー。さらに、一切れにりんご2個分のタルトタタンも!こっちももちろんお買い上げ!

いいづなコネクトの中にある「林檎学校醸造所」でいろんな個性のシードルに出会う

りんごの木でスプーンを作るワークショップ。

プロの導きで”クセ”のあるりんごの木に従い、寄り添い、削ってものにしていく時間
みんなの手から産まれたスプーンたち、どれもかわいい!

スプーン制作後は、プログラム最後のニーズカード。

山下フルーツ農園さんの「Cafe 傳之丞」をお借りしました。
人気のキッシュ、優しい味付けでボリューム満点の大満足

【まとめ】日常から離れて自分をほぐす休息


今回リトリート企画に参加して「休息」を頭と体でなぞらえていった感覚だった。これまで「休息」って、手を止めて体を休めることだと思っていたけれど、他人を通じて自分と対話すること、知らない町で丁寧に作られたごはんを食べること、世間話をしながら作業をすること、そうした時を重ねることは、頑なだった自分をほぐして、「自由」と「自己表現」を取り戻していくことにつながっていく「休息」だった。一緒に過ごした人たちとの間で交わした言葉や、最後のニーズカードの助けを借りて手に取ったこの感覚を確かめることができて、本当によかった。

バイバイまたね、と手を振りながら「いってきます」の心持ちになれた時間

【Special thanks】
今回のリトリートプログラムで訪れた場所。どこも素敵なところばかり。ご協力ありがとうございました!

Glamprook 飯綱高原
https://glamprook.jp/iizuna/


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