もはや変化は「兆し」ではないー「進化思考」に重ねて。

市川望美です。

早いもので、もう5月。2021年も1/3が過ぎましたね。

この春から、息子が大学生となりました。2002年の出産を機に退職してかかわった子育て支援のNPOから始まり、2011年から事業を開始したPolarisまで、具体的にやっている事業は異なれど、「子どもたちが社会に出る頃までに、なるべく多くの選択肢をこの世に生み出したい」という願いは共通。

2002年4月に初めて小さな命をこの世に生み出してから、もう18年もたってしまいました。「こんな社会にしたい」と願ったことが、どれだけ実現できているかだろうか・・・。

そんなことを振り返る2021年の春です。(しかし、大学になかなか通えなくて不憫です・・)

それぞれの新生活も始まったばかりだと思いますが、ここにきて3度目の緊急事態宣言+延長。またまた私たちの生活も制限されてしまいました。

でも以前とは違う空気感のようにも感じています。緊張感がなくなっている、ということかもしれないけど、私たちがこの環境にすでに適応しつつあるとも言える。

Polarisの中でも、そんな風に「適応」のフェーズにいるんだなということを実感する出来事は多いです。例えば、以前なら難色を示されたり不安に思われる方も多かったオンラインミーティングが、もうあたりまえとなりました。今までどれだけ丁寧に伝えても越えられなかったハードルが、すでになくなっている。

働き方を移行する人や、人を抱えられなくなったり、抱えることを手放して複業を解禁する組織も増えて、結果、Polarisにも複業人材が増えたり、生き方や働き方を探究する学び事業「自由七科」に集う人たちも、今までとは違う顔ぶれ・・・。とにかく人材が流動化・多様化しています。

これは、コロナ禍において「自分らしく働く、暮らす、生きる」ための実践の場を求めて動き出している人が増えたということなのでしょう。それぞれの暮らしの中で1年かけて経験した様々な変化を「機会」「きっかけ」としてとらえ、行動変容へぐっと踏み出す。自分の価値観や選択の意味の再点検をする。もはや変化は「兆し」ではない。そう感じたりしています。今までのやり方に戻そうとしたり、前の形に戻りたいと思う人もいるようですが、きっと、もう戻れない。いや、戻らなくていい。

今読み進めていて、著者の太刀川さんのイベントにも参加ができて(質問させてもらった^^)、つらつら考えている「進化思考」という考え方は、この状況を理解するのにとても参考になりましたので、最後におすすめ。

内容説明からちょっと抜粋。

★進化思考──それは、生物の進化のように二つのプロセス(変異と適応)を繰り返すことで、本来だれの中にもある創造性を発揮する思考法。

私たちは道具の発明を通して、擬似的な「進化」を達成してきた。そこには必ず、私たちの本質的な願いが込められている。

変異によって偶発的に無数のアイデアが生まれ、それらのアイデアが適応によって自律的に自然選択されていく。変異と適応を何度も往復することで、変化や淘汰に生き残るコンセプトが産まれる。その結果、本質的な願いを具現化するイノベーションを起こせるようになる。この本は、「あなたが進化思考を実践しながら身につけられる」ことを目指している。

今置かれている状況も、変異によって偶発的に起きたこと。私たちが意図したり望んで起こした変化ではない。だけど、その変化を思慮深く観察し、適応していくことは、自分たちが望む未来をあぶりだし、必死に適応していくことで、一人一人の創造的な行動につながっていくのだと思う。

「世界は辺境から変わる」と、太刀川さんもおっしゃっていました。

ビジネスの辺境にいる私たちから変えられることもあるだろうし、暮らしの辺境にいた人たちによって、私たちが越えられなかったことがやすやすと変えていけるのかもしれない。

変異ー適応を繰り返していく日々から、どんな日常があたりまえになっていくのでしょう。

#進化思考 #世界は辺境から #変異と適応 #くらすとはたらくと生きる   

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