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自然環境に与えるダメージ(環境負荷)の考え方について

先日の記事の件で、いろいろ調べていて、ちょっと考えさせられることに突き当たったので、書いてみました。

先日の記事

現在行われている、川湯の森ナイトミュージアム。

これに反対する自然ガイドさんといろいろ考えていた時のことです。
私の住む弟子屈町は、観光が産業の一つの柱です。
なので、観光の進め方は、それなりに考えようとしていて、観光振興計画なる遠大な計画もあります。

https://www.town.teshikaga.hokkaido.jp/material/files/group/9/teshikagakankoshinkokeikaku.pdf

その中で、「持続可能な観光」を目指しています(16ページくらい)
取り組みについては、こちらのページにまとめてあります。

この中で、あげられているのが、
・エコツーリズムに取り組む
・JSTC:Global Sustainable Tourism Council(持続可能な観光とはこういうこ所をチェックして自己診断しましょうねという国際基準だと思います)の理解と活用
・それの日本版(JSTS-D:Japan Sustainable Tourism Standard for Destinations)に基づく自己診断
・町民への理解促進
などです。

3つ目に上げた、JSTS-Dについては、報告書が提出されています。

https://masyuko.or.jp/jp/wp-content/uploads/2023/06/Sustainability-Report_2022.pdf

https://masyuko.or.jp/jp/wp-content/uploads/2023/06/Sustainability-Report_2023.pdf

前置きが長くなりましたが、この報告書の光害の部分を読んで、ショックを受けました。
2022年版であれば、64ページ
2023年版であれば、67ページ
です。
内容はどちらも同じで、これです。

弟子屈町サステナビリティレポート2023年67ページ

「光害は発生していないと考えられる。」
という文章のみで報告されています。

環境負荷を知ることは思ったより大変かも

クルマの排気ガスを例にとって説明します。

現状、排気ガスによる公害は、排出される有害成分、一酸化炭素(CO)、窒素化合物(NOx)、粒子状物質(PM)、二酸化炭素(CO2)など多岐にわたり、人体、生物、森林、農業などに悪影響を及ぼします。

さて、例えばですが、この弟子屈町に、自動車はたった1台だけしか走っていないとします。
弟子屈町の面積は、東京23区の1.2倍という広さなので、1台だけ走っている状況では、その排気ガスによる公害は、無視できる状況だと思います。
クルマの排気ガスについては、人間社会の理解が深まっているので、その影響については、「排気ガスによる公害は無視できるほど小さい」ということができます。
しかし、「排気ガスによる公害は、発生していない」と表現すれば、どんな人でも、
「いや、ゼロじゃないよね。小さいけど。」
と考えると思います。

人間社会全体としても、昔からそう考えていたわけではないと思います。
排気ガスが人体に悪影響があり、それをきれいにしないと、健康被害がどんどん広がるという認識を得て、対策に取り組むという未来を、一番最初にクルマを作って走らせた人たちは、思いもしなかったでしょう。

光についての知見を持っていれば

という考え方を頭に入れたうえで、弟子屈町のサステナビリティレポートを、あらためて見てみましょう。

弟子屈町サステナビリティレポート2023年67ページ

今や、スミソニアン自然史博物館でも問題として取り上げられるほど、光による人体や自然環境への影響について、人間社会は学習してきています。

その中で、「光害は発生していないと考えられる」と書いてしまうということは、その無知をさらけだしているようなものでしょう。
そこには何もデータもなく、「そんなの知らない」と言っているだけです。

本来であれば、「調査していない」ので、達成度判定も、最低ランクの「E」にならなければいけないところでしょう。

まず、必要なのは、知ること

まずは、行政としても、勉強するところから始めないといけないという状況に、おおきなショックを受けました。

これでは、ライトアップ云々ということを議論しても、かみ合うわけはありません。
情けない話です。

今回は、以上で・・・

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