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誰だよ 呪いをかけたのは

世の中には色んな呪いがある。
何歳を超えたら行き遅れ。何か問題がある人。
おばさんは、おじさんはああだこうだ。
若いうちはこうしなければ、ああしなければ。
可愛くないから、格好よくないから。
あの人は天才、自分は凡人だから。
あの人は運がいいだけ、自分はそうじゃないから不幸から抜け出せない。

ああ、本当にダラダラと。ウジウジと。
常日頃から、どこにあるかもわからないような呪いをかけ続ける。
私もやる。

きっかけは些細な一言かもしれない。
親、友人、世間の些細な一言。
でもそれは、呪いの発動条件の一部に過ぎない。
発動条件にはもう一つある。

自分がそれを受け取ること。

避けて仕舞えばそれは呪いとして機能しない。
どんな攻撃だって、避ければ当たらないのと同じように。

なのに避けずに受け取って、それを何度も繰り返す。
頭の中で四六時中、何度も何度も無意識に。
そうして洗脳して呪いの完成だ。
その呪い通りにしか生きられなくなる。

その呪いは、何かが起こった時に受け取り方を変えてしまう。
例えば、本当に褒められているのに疑ったり、偶然聞こえてなかっただけなのに嫌われてるから無視されたと思い込んだり。
些細な一言にひどくひどく傷ついたり。
みんな自分で呪いをかけている。

こんな朗報があるだろうか。
これは朗報だ。
多くの物語でもあるだろう。呪いをかけた術師にしか解けないという設定。
その呪いは私にしか解けないとかいう台詞。
呪いをかけた奴は大抵解く方法を知っている。

かけられた呪いは自分で解ける。
呪いを解く気があるのなら。

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