奥さんにフラれた時の話

ぼくは結婚して6年目になる。

奥さんとは約7年付き合って、結婚したので知り合ってからは14年くらい経つ。

結婚して6年、交際が7年、足して13年。

おいおい計算間違えてるやんけと思うかもしれないけど、これであっている。

一回フラれて1年ほど間が空いている期間がある。

これはその時フラれた話である。

自分でも、自分がものすごいカッコわるい。失敗談としてここに綴っておくことにする。

当時ぼくは、今のトリオで活動していて(当時はポラロイドマガジンというトリオ名)ちょっとずつ成果が出てきて、これから頑張っていかないと!という時期だった。

毎週木曜日に新ネタをするライブがあって、次の日曜にネタ見せをしてダメ出しを貰って、次の木曜に改良した新ネタをするというルーティーンの生活をしていた。

それだけならまだなんとかなるかもしれないけど、それと別にユニットライブで新ネタを作ったり、企画イベントでやることを決めたり、オーディション用のトーク考えたり、それだけじゃ生活出来ないのでアルバイトしたりと、なんかいっぱいいっぱいな毎日を送っていた。

そんな生活をしていたので、彼女(今の奥さん)からのメールには返信するのが次の日になることが多々あった。

長文でなくてもいいのに、返信するだけでいいのに、それすらも面倒なくらい自分のことしか考えたなかった。

たまにネタ合わせをしてる時に電話が鳴り止まないこともあった。

ネタ合わせを中断して、電話に出ると、彼女はなんで返信してくれないのと泣いていた。

今考えれば確かに、彼女の言う通りだと思う。

そんな大した内容のメールでもない。ちょっとしたメールも打てないくらい時間がないはずがない。カップルの日常的なやり取りすら面倒くさくなっていた。

そういうことが続いていたのもあって、だんだん彼女が面倒くさくなっていた。

その頃から、知り合った別の女の子に心移りしだした。別の女の子と知り合う時間ある時点で彼女と連絡できるがなと今は思う。

完全にぼくが悪い。

その後、彼女と付き合って3周年で旅行に行ったけど、あんまり楽しくなかった。旅行から帰って来てすぐ彼女もそれは気付いてたらしく、そこでぼくは別に気になる人がいることを伝えた。

すごく悲しませた。

その数日後に、突然彼女から電話がかかって来て、「今から話したいことがあるから、難波に来て」と呼び出された。

彼女はいつになく大人しく、普段の柔らかい笑顔とは別人のような冷たくて寂しい表情を浮かべていた。

話の用件は単刀直入で、もう別れようというものだった。

ぼくが別の人と彼女で揺らいでいるのが、彼女には辛かったそうだ。

ぼくは内心ホッとしていた。

ずっと彼女のことを面倒くさがっていたから、楽になれると思っていた。

わかった、とぼくもすんなり承諾したら、彼女は「これ返すわ」と鞄からぼくがプレゼントしたペンダントを出してテーブルに置いた。

自分でもその時の自分の感情よく分からないが、そのペンダントを見た瞬間、めちゃくちゃ泣いた。

そのペンダントを選んだ時は、いくつもお店を回って、これなら喜んでくれるだろうと彼女のことを考えながら選んだ。

その時は、あんなに愛していたのに、今はなんでこうなってしまったという後悔とか、こんなに嫌われることをしたのに彼女はペンダントを持ってくれてて、そんな彼女の気持ちを全く考えていない自分が情けないのとか、彼女への申し訳なさとか、やっぱり好きなことに今更気づいたけど、もう会えない悲しさとか、いくつもの感情が混ぜ合わさって、めちゃくちゃ泣いた。

そのあとすぐ帰って、家に着いて、また泣いた。

子供みたいに泣きすぎて喋れないくらい泣いた。

イヒンッイヒンッ言いながら泣いた。

カッコ悪いけど、泣きながら彼女に電話した。

もう会えないのが悲しすぎて、たまにはご飯行きたいみたいなことを泣きながら言った。

元カノになった彼女はわかったと言ってくれた。

それから結局1年は連絡を取らずに過ごしたが、結果的によりを戻して今に至る。

自粛期間でずっと2人でいるから、プチ喧嘩の回数も増えている。

腹立った時は、この出来事を思い出して冷静になるようにしている。

ああ、かっこわるい。

夏ですね スイカでも食いたいもんですわね