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IVS京都で実感した「商売」の難しさ|起業ってなんだかんだハードだよという話

このnoteは、2023年6月28日〜30日に開催されたIVS京都の備忘録や、そこから得ることができた自分の挑戦に活かす学びのメモです。

IVSに初参加してきた

今年2月に創業し、色々と若手起業での勝ち筋を模索している中、
色々なご厚意が重なってほぼ無料でIVSや関連イベントに参加してきました。

そもそもIVSとはなんぞやという方は、IVSに関しての動画も色々と見てみてください🙌

ざっくりとだけ説明すると、普段会えないような著名な経営者や、起業家、投資家などが集まり、資金調達やビジネスマッチングが盛んに生まれるスタートアップのためのカンファレンスです。

今回の僕のIVS参加の目的としては、

「とにかく多くの人に自分のやりたいことを語って繋がりを作ること。」
「スタートアップとしての進み方を実感すること。」
「共感、興味を持ってくださる相性の良いエンジェル投資家と出会う。」

この3つを掲げて参加しました。

まだ創業期であったこともあり、
資金調達なんてどう動けば良いかもわからなかったので、
今回はとにかくいろんな先輩起業家や投資家と仲良くなり、学びを得ること、今後の関係を築くことを最優先にしました。

実際、数日間でいろんな方とお会いして、色々な学び・失敗がありました。

今回のIVSは、起業ってめちゃくちゃハードだよねという現実の実感と、それでも挑戦していこうと再確認できたいい機会でした。
下記からはそのIVSで得た教訓みたいなものを色々とまとめます。

なんで「起業」したの?は言語化しておこう

僕自身、大学卒業後そのまま「起業」という挑戦の道を選びました。

学生起業も今や増えていますし、起業のハードルはどんどん低くなっています。でも、「なんで起業したの?」という質問には意外と答えられない若手起業家が多いような気がします。

これは、特にエンジェル投資家の方に必ずといっていいほど聞かれることです。

僕はここで上手く本音が出せず、著名な投資家の方に上っ面だけ語ってその方の時間を無駄にしてしまいました。(めちゃくちゃ怒られて凹んだ)

そもそも起業したいと思うきっかけや理由って、色々なものが混ざっていることが多いと思います。

エグジットして金持ちになりたい。

普通とは違うことをしたい。

自分に就職は向いていないから。

〇〇に憧れた。

やりたいことがあって、それをするために起業した。

だいたいよく聞くのはこんなもんでしょうか。
でも、正直自分はこの5つ全部が起業した理由に入ってきます。

金の話ばかりな親の影響でお金の優先順位は僕の中で上位にありますし、
就活やインターンで普通の就職は無いなと実感しました。
憧れた経営者がいて起業の踏ん切りが付きましたし、
自らの手で創りたい「新規価値」もあって起業しました。

社会課題の解決などにも結びつくような価値を社会に創りたい等、他にもいろんな起業への想いがあります。

多分他の方も同じで、一つの理由で「起業」を選んでいることは無いのではないでしょうか?

しかし、投資家はそのいろんな理由の中から、抜きん出て強い一つの想いを知ろうと質問します。

なぜなら、起業して成功まで持っていくのに5年・10年生き抜く必要があるからです。

また、一度組織を束ね、大きな資本で事業を世に展開していったら、そこには経営者自身に大きな責任が生まれます。
出資頂いた方へのリターン、メンバーの雇用責任、そして顧客に対する責任等です。

これらを加味した上で、投資家の方々は「起業家の本質」を知ろうと質問します。

でも、自己開示なんてめちゃくちゃ難しいですし、自分のことを言語化するのもなかなかの難易度です。

それでも、起業を選ぶからには、5年・10年この道で挑戦し続けられる理由を説明できるようにはしなければいけません。

僕は今回IVSでその言語化に失敗し、めちゃくちゃ考えました。
これはあくまでも僕個人での落とし所なので参考にはならないかもですが、

これまで女性が中心だった美容などの「見た目消費」が、近年メンズにも新たな消費トレンドとして日本だけでなく世界的にも生まれている。
これは「ジェンダーレス社会」にもつながる大きな変化で、市場の成長性も期待できる。そして何より若者のインサイトがキーとなる領域で、自分ならこの市場で大きなインパクトを生むことができる。

多くの大手・中小の参入が考えられる中で自分なら別の切り口で新規価値を生み出せる。そう自信満々で根拠なく思っちゃったから起業しました。

正解かなんてわかりませんが、この根拠なき自信があれば5年・10年見据えて走る選択はできると僕は考えています。(あくまでも僕個人の心持ちです)

メリットを提示できる「交渉力」を身につける

これは商談や資金調達だけでなく、人とのコミュニケーション全般で意識しなければいけなかったことです。

当然ですが、ことプライベートではそんなこと考えてたらヤバいです。
メリットありきの付き合いなんて、友人も恋人も目の前からすぐ消えていきます。

しかしビジネス(商売)においては、何よりも必要な能力です。

商談や投資などは、特に中長期的な金銭面のメリットを強く説得できた人間が受注、出資を決めてきます。

ワンピースでいうルフィみたいな、「人の魅力」で人を巻き込む例もあります。

「この人なら自分だけでは見られない世界を見せてくれる」という魅力がメリットとして存在して仲間を増やしたり、業務提携などに至ることも。

多くの似たサービス、起業アイデアがある中で、成功してお金を生む人間は上記のような「交渉力(巻き込み力)」が何よりも強いです。

目的や人によって、提示しなきゃいけないメリットは人それぞれですが、
そのメリットを提示するためには、「相手を知る」ことを徹底しないと難しいです。

IVSでは、起業家同士で投資家たちの特徴や出資先、好みそうな人を徹底的に分析・情報交換して資金調達に動いている人を見ました。

僕も色々と情報をシェアしてもらい、同席の機会などをもらいましたが、
正直自分の出せるメリットが何で、どれを提示すればいいかわからず多くの機会を無駄にしました。
(せっかく同席させて頂いたのにただただ邪魔で申し訳なかった…)

特に自分はエンジェルラウンドで、アイデアや市場のインサイト(情報)しか持っていない状態。
そんな状態で起業家としての魅力を伝えるのは難しかったんです。

途中から、下心なくとにかく仲を深めることにシフトしたので、
IVSの3日目以降で大きな失敗はなかったですが、能力不足や実績を持たない自分にもどかしさをずっと感じていました。

パッションだけで生き抜くルフィみたいな起業家もいますが、ロジカルに考えてしまう僕には絶対真似できない以上、次回から必ず事前準備を徹底していかなければ、というのがこの章の学びです。

これが社会でビジネスを行う上で必要な「交渉力」であり、「商売」の本質だとなんとなく理解しています。

こんなの一日50戸以上飛び込んだ新電力の戸建て営業でもITの新規事業立ち上げでも全然学べませんでした。
結局責任が伴っていないので、実感が湧かなかったのもあるかもです。

プロジェクト、会社の責任者として矢面に立つ経験が「商売」を深く知る上で通らなければいけない関門だとするなら、
僕は無理してすぐに起業しなくてもいいと起業を目指す学生に伝えたいです。

まずは失敗しても取り返しがつく就職を選ぶのも一つでしょう。

僕はそれでも今が市場チャンスで、自分ならできると思ってるからどんどん失敗して吸収していきます🔥

1を10、100に見せられる力

商売において重要な交渉力。
これにはメリットの提示が大切だという学びをシェアしましたが、
もう一つ必要な力があります。

それが、「1を10、100に見せられる力」です。

これは何も嘘をついてお金をだまし取るということではありません。
ビジネスにおけるずる賢さのようなものです。

例えば、コーポレートサイト制作の進行でクライアントと面談していて、営業先がたまたまEC事業の展開も進めているといった話を聞いたとします。

ECサイト制作の案件は100万〜の高額案件だったりしますが、クラウドソーシングでは価格割れしていてShopyfy制作でも5〜10万と意味がわからない価格になっています。
そして自社ではまだEC制作をやったことありません。この場合の本来の力が1としましょう。

ここで、1である自社を見せてしまうと、100万の高額案件は消えていきます。

ならどうするか?

ECサイトも制作を任せようと思ってもらえる要素を自分からどんどん提示するんです。

技術は着金まで持っていければ後から業務委託で補充できます。

その上で、ECが作れること、運用ノウハウなども持ち合わせている(後から死ぬ気でリサーチする)、費用に不満なら補助金申請のプロを紹介する、など自社のスキルやアセットが10、100と大きく見せられる力が重要になってきます。

特に信用力もなく、経験も少ない創業期で営業をかけるなら必ず必要となるでしょう。

大事なのは、大きく見せて受注したならば必ずそれを言ったとおりに何が何でも実現することです。

その度胸は簡単に身につくものではないからこそ、僕も現在苦労しているんですが、これも「商売」を上手くやる上で必要です。

どうしても自分には無理だと思うなら、それが得意な営業マンを会社に引き入れることもトップの仕事です。

僕は自分でも身につけながら、どこかで上手い人間を見つけて巻き込んでいきます。

人に頼る図々しさも起業家の必須スキル

正直僕はここがめちゃくちゃ苦手です。

遠慮しがちで、まずはできる範囲まで自分でやり切ろうとします。

それも大事ですし、何でもかんでも人に聞いて仕事する人間は逆に起業には向いてません。

でも、未経験で起業して、エグジットまでさせるのに誰からも助けなしでできるでしょうか?

信用力もない会社に案件をくれる企業はいる?
事業のスケールに必要な大手との協業、そのツテはある?
会社のキャッシュが無くなりそうな時、一人で解決できる?

よくよく考えると、頼れる人や相談できる人なしで起業するのってかなり難しいんじゃないかって位のハードシングスが起業家には待ち構えています。

だからこそ、ビジネスを教えてくれる師匠のような方や、一・二歩先を走って道筋を示してくれる起業家仲間はめちゃくちゃ大事です。

僕には幸い、応援してくださる方も共に起業に挑戦する先輩起業家もたくさんいます。

ただ、自分から声をあげないと、彼ら彼女らもどうサポートすればいいかわかりません。
だからこそ、適切なタイミング・頻度で起業家は「人に頼る」ことをしないといけません。

無償で応援してくださる方もいれば、お金を払って力を借りなきゃいけない場合もあります。(接待費はそのためにある)

僕自身、現在はひたすら無償でお力添えをいただいています。
そのうちしっかり稼いでご飯等ごちそうしたり相性の良いご紹介など恩を返しますので、それまで前借りさせて頂きます。

まだまだ頼り方は下手くそですが、応援よろしくお願いいたします!🙇‍♂

起業はハード、でもワクワクする

現実的に考えて、スタートアップ企業の上場する確率は数%です。
上場している企業は日本全体の法人のうち、0.1%以下だといわれています。

大きな借金して血反吐吐きながら起業家として必要な力を身につけていかなければいけませんし、その過程でも人間関係の問題や、競合と数億規模の莫大な資金力で広告戦争したりと、もっとハードな経験が待っているでしょう。

でも、僕はその過程で得た失敗や経験は普通じゃ得られないものだし、いろんな凄い方との出会いも起業家だからできる。

そして成功した未来では自分の信じて創り上げた「新規価値」が社会に浸透して世に広まっていく。

こんなにワクワクすることはないですよね!

失敗しても、借金背負っても死にはしません。
やばくなったら出会った方々に仕事をもらってやり直すこともできます。

なら、挑戦するしかないでしょう🔥

だいぶリサーチして勉強もしてるんですが、
それでもまだ僕には足りないことだらけです。

当然失敗は怖いですし、正解がわからず悩みに悩んで時間を無駄にしてしまうことも多々あります。

それでも、起業に全力をかけてエグジットするまでの大きな挑戦をこれからも続けていきたいなと、IVSの参加とそこでの経験を通して改めて実感した次第です。

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ただただ自分の心境や想いをテキスト化しただけのnoteですが、
本音の吐露はリアルでは苦手なので、こういった形でお世話になっている方々へ現状報告としてシェアさせて頂きます。

最後に

Polace(ポラス)では、男性の自分磨きにいろんな選択肢を作ることを目指して、メンズ向けのコスメ・ファッション等P2Cブランドのマネタイズで、選択肢を幅広く展開していく事業展開や、メンズ美容コミュニティの運営を進めています。
「次の挑戦として、“メンズ美容”という切り口で何か面白いことをやってみたい」「興味ある」「メンズブランドを立ち上げてみたい」などありましたら、是非DMいただけると嬉しいです。

このnoteが同じ志、ワクワクを持った方と、市場を共創していく出会いのきっかけとなれば幸いです。

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5000字に渡る長文、最後までお目通し下さりありがとうございました。

Polace株式会社
代表取締役 兒島雅偉


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