体を売り続ける女の話し 2

それは1985年、これから日本がバブルを迎えようとしていた頃のことです。

私は中学生の頃から、アルバイトをしてお金を稼ぐ楽しみというものを知ってしまいました。
どうにか入れた高校にも、ろくに行かず、アルバイトの日々、前回話したミナミで引っかけられた彼を助ける為、お金を稼いで彼に会いたい
と、頑張っていた私の前に、
私が勤めているミナミのラウンジの店長の
友達である石沢さんが、お店に初めて訪れた時に
石沢さんの隣の席に私がホステスとして接客をする事になりました。
とても話上手で、それでいて大人で、初めて会ったばかりの石沢さんに私は惹かれていき、すぐに男女の関係になった。

彼にお金を渡す為に入った水商売だったのですが
彼から電話がかかってきたとき、私は『好きな人が出来たの。ごめん』と言って電話を切りました。20歳そこそこの彼より、ホストの石沢さんは25歳だったが、とても女性の扱いが上手かった。

それから、私のホスト通いが始まりました。
石沢さんに、会う為、ホステスの仕事をしてそのお金を持って、ホストに通う、そんな毎日を送っていました。
こんな毎日だから、まともに高校に通えるはずも無く、担任の先生から『退学を考えたらどうだ』と連絡があり、家族に相談して2年生の夏休み前に高校を退学したのでした。

石沢さんに初めて会ってから、半年が過ぎた頃
ラウンジの店長、石沢さん、数人が、
東京に居るヤクザの親分を訪ねて上京する話になって
みんなで、ヤクザになって、東京で金儲けをするのだと、
そこで、一緒に付いて行く彼女連中は、金儲けが出来るまで、ソープランドで働いて生活を支えなければならないという話でした。
石沢さんには、私以外に23歳のホステスをしている彼女が居た。
その彼女を連れて行くか、私が付いて行くのか、相談されて
私は、付いて行きたいと伝えた。
ただ、私の年齢は17歳。
普通に考えて、ソープランドで働ける年齢では無い。
家族も男に付いて、東京に行くなんて許してくれなかった。
でも、私は何がなんでも、付いて行きたかった。
17歳の私には、全てが好奇心でしかなかった。
普段から家族のいうことなんて聞かない私に、親もキツくは言わなかったような気がする。
結局、23歳の彼女ではなく、私が東京に付いて行くことになりました。
あれは、17歳の9月のことでした。


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