2020年の11月。 岡山県井原市にある華鴒大塚美術館に足を運んだのは、児玉知己展「遠距離深夜行」のためだった。 https://www.ibarakankou.jp/info/pdf/202010_tokubetsuten.pdf 児玉知己の作品を初めて見たのはおそらくもう20年以上前のことだが、その作品をはっきりと好きだと思ったのは2013年に岡山県立美術館で開催された「ふたりは絵画する」展だ。 その大きさとエネルギーに圧倒された。 綿密な筆致と、それに反比例す
美術館で働いている。 と、言うと大抵『学芸員ですか?』と聞かれるけれど、残念ながら私は事務職をしている。 残念ながらというのは、お尋ねの方のご期待に沿えず残念ということであり、私自身にとっては特に残念なことでも何でも無いのだが。 自分の働いている美術館が好きだ。 この美術館が好きで、この美術館に毎日居たくて、何と言うか無理矢理入社した。 人生の岐路で選択を迫られたことも何度かあったけれど、それでもやっぱり私はこの美術館で働くことを選んだ。自分の意思で。 自分の働いている