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蝉の声を浴びる(2024年8月1日)

・仕事中、移動のため外を歩いていた。めちゃくちゃ暑い。ショートカットのため広場を突っ切ると、遮るものが何も無く、直射日光が容赦なく照りつける。グリルで焼かれるさんまの気分だ。焦げるんじゃないかと本気で思った。

・しばらく進むと並木道があり、日陰に入ることができた。助かった。日陰と日向じゃ世界がまるで違う。通り抜ける風が心地いい。セミが大合唱している。酷い耳鳴りのように頭の中まで響く。

・ふと前方をみると、おじいさんが1人、木の真下からゆったりと見上げて何かを観察している。直感的に「蝉を探しているのだろう」と思った。そういえば声ばかりで姿をみたことないな、私も見てみたいと思い、木のふもとで立ち止まって上を見上げた。

・とにかくすごい鳴き声だった。しかし注意深く木の幹や枝葉に目を凝らしても、蝉は1匹も見当たらない。通り風に揺れる木漏れ日がちらちらと顔を照らすだけだ。夏の音と光のシャワーを全身で浴びているような感覚で、心地よかった。1人で木を見上げていたおじいさんも同じ気持ちを味わっていたのだろうか。

・こういう瞬間、「1句詠めたらな〜」と思う時がある。興味はあるけどなかなかやるきっかけがなかった。新しい趣味として始めてみようかな。

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