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念願の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を観た後の駄々もれ感想

※このnoteは、ミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』と映画『ムーランルージュ』のネタバレを含みます。ご注意ください。

2023年、東京での初演を迎えた『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』。
「めっちゃ見たいけど遠征ありきだし、そもそもチケット取れる気しないし…?」
指をくわえて東を見つめていた去年の私に言いたい、ついに念願は果たされたと。

2024年、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は大阪にもやってくることに。
そして大千秋楽の前日である9月27日のイープラス貸切回に当選。
あまりに楽しみすぎて、前日まではちょっとした不調にも敏感になり、当日も電車が止まったりしないか怯えていた。ワクワクも度を過ぎると、緊張から吐き気に変わるらしい。梅田芸術劇場に着くまでほぼこんな感じだったので、我ながら思い入れが強すぎて引くレベルだ。

それだけの期待感を持って参戦して、まだ1日しか経っていないのだけれど早くも「また観たい」と思っている。

ミュージカルはエンターテインメント

というのも、やはり耳に残る音楽と圧倒的なパフォーマンスが忘れられないから。
「Welcome To The Moulin Rouge!」のダンスは、際どい衣装といい演出といい、決してお上品ではないのに自然と体がのってくる。むしろ欲望に忠実なスタンスが潔い。「みんなでCANCAN!」というジドラーの道化っぷりも、観客をムーランルージュに誘い込んで、冒頭からエンターテインメントのパワーがさく裂している。
特にお気に入りのなのが、「Backstage Romance」。私の好きなレディーガガの楽曲をミックスしていて、しびれるパフォーマンスなのだ。
楽曲はサティーンの持ち歌に惹かれるものが多かった。「The Sparkling Diamond」ではムーランルージュの色褪せないダイヤモンドとしての美しさを魅せて。「Firework」では置かれた立場を理解しながらも"自分であること"を諦めたくない思いが伝わってきて。
クリスチャンとのデュエット「Your song」と「Come what may」は私が言うまでもなく名曲。2人の愛を語るのに、表現するのに、これ以上の言葉があろうか?いや、あるまい。
クリスチャンの贈った歌がサティーンにとってどれだけ大切で、大きな意味を持っているのか。とりわけ「Your song」は2人が恋に落ちた瞬間を象徴するだけに、歌われる場面ではぐっときてしまう。

ジュークボックスミュージカルというだけあって、聞き覚えのある洋楽が随所に盛り込まれているのもめっちゃくちゃ楽しい。
とはいえ楽曲が日本語で歌われているので、いい意味でヒットソングのメロディに引っ張られ過ぎず、歌詞の意味を咀嚼しやすいのもいいなと。
この点は、ベイビードール役で出演されている大音智海さんによる解説動画で触れられていまして、観劇しながら納得しっぱなしでした。

MR!は千秋楽迎えちゃうけど、再再演に備えてぜひご覧になってみてくださいまし!

映画版とも違うのよ

そもそも『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の原作は、2001年に公開された映画『ムーランルージュ』。
監督はバズ・ラーマンで、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーが主演を務めました。

観劇前に予習しておこうかと思いながら、私は結局翌日に観たのですが。

一番の感想は、ストーリーや設定が「ちょいちょい違うな??」

映画版のちょっとアレな表現や台詞は、舞台版でかなりマイルドにされていたんやなあと。
ムーランルージュの踊り子たちも、映画版は娼婦っぽさが押し出されているのに対し、舞台版はどちらかというとダンサー寄りのイメージ。

サティーンやクリスチャン、ジドラー、公爵、ロートレックたちボヘミアンズもキャラクター設定に違いがあります。

特にサティーンは、映画版の方が野心があって怖いもの知らず、秘密の逢瀬を楽しんでいる振る舞いが印象的でした。それだけに、クリスチャンへの愛を自覚し、その思いに正直に生きようとする姿には、個人的にすっと感情移入できたなと。
(舞台版だと自己犠牲の要素が強めなので…)
また、舞台版では純真無垢で危ういクリスチャンにハラハラしていたのですが、映画版だと多少落ち着きがあるような。いや、暴走はするんだけどね。

舞台版ジドラーは、踊り子たちの父親的ポジションとして情に厚い面も垣間見えて。映画版の方が、経営者らしく現実的なキャラだったなと。ただ、長く裏の世界で生きてきただけあって、決して悪人でもなければ非情でもないんだよなあとしみじみ思わされる、良いキャラです。

一方で、映画版ジドラーのリアリストっぽい性格を全部詰め込まれたのが、舞台版の公爵だったんかなと思っております。
映画版の公爵も横暴ではあるんですが、まだちょっと人間味がある。対して舞台版は冷徹、「信じられるのはお金だけ」というタイプ。
サティーンのことも自分の所有物にしたい、という支配欲でしか見ていません。三角関係としては、圧倒的にクリスチャンを応援したくなるやつ。

そしてロートレックも、クリスチャンにとって大きな助けとなる存在であることは共通しているんですが、舞台版の方がよりキャラが立っているように感じました。
サティーンのことを昔から知っていて、好きだったという設定とかね。
そのうえでクリスチャンの背中を押したりね。
クリスチャンとサティーン、それぞれを諭したりね。
ひとりの人間である以上、相手を尊重し、思いを押し付けたり強制したりしないというスタンスを貫いたロートレックが“ベストオブかっこよい”でしたた。
演じられる上川一哉さんが最近気になっているというひいき目も加味されてますが…ロートレックは本当に、MR!になくてはならないキャラのひとりだだと思います。

再再演を待ってる

正直言って、色々と書きたいことがありすぎてまとまる気がしない。
でも何かしら文章に残しておきたい、という思いだけでここまで一気に書き上げました。

もう1回舞台観て、ストーリー落とし込みたいし、細かい演技や演出もチェックしたい。
Wキャストの違う組み合わせだって見たい。

どんどん欲が出てくるだけに、「9月28日で大千秋楽なんて…」としょんぼりモードです。
この2年間、MR!を演じてくださったキャストのみなさんと支えてこられたスタッフの方々に最大限の感謝を。
そして、またMR!の舞台を観られることを切に願って。

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