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コーカサスから中東へのバイク旅行 (その102)

2023/11/3   (その3)

ついに年貢の納め時が来たか
何?このリアルミッドナイトエキスプレス
ここはトルコじゃないけど
まあ似たようなもんか
嗚呼、これで善良な無実の日本人が消えてしまうのか?
命こそ取られはしないけど、アメリカの刑務所のようにレイプされたりとか?
ただでさえ、ここはイスラムの国だし
そうならないように、昔マンガで読んだ刑務所に入る新人が、タバコを肛門に隠して持ち込んで、その牢の中のボスにプレゼントしないといじめられたりするのだろうか(古っ!)
そんな妄想が頭の中で超高速回転で駆け巡る中ひときわ陽気な囚人がいてとりあえず座って休むように勧めてくれた
しかも英語を話す彼はパキスタン人だと言う
彼は飯を食べたのか腹が減ってないのかと聞いてきた
昼飯も食べてないし、今は多分21時ごろか?
確かに腹は減っている
すると、彼は大きな皿に黄色と白米の盛りつけられた食べ物を自分の前に出してくれた
米の中に鶏肉があるので遠慮しないで食べろと言う
食器がないので、その大皿から直接手把みで食べるようだが、他の囚人は手を出してこないので恐る恐る米をすくって食べる
ここで出される食べ物は衛生的にどうなのか全く不安しかないが食べてみると割とイケる
というか、イラクのシャバを旅行していて、レストランで食べる料理よりもこちらの方が味つけが好みだ
少し掘ると大きな鶏肉が出てきて、そちらもしっかりした味がついている
しかし、状況が状況だけにそれほど食欲もなく少しだけいただいてご馳走様する
パキスタン人はチャイが飲みたく無いか、水がいいか聞いてきたので、チャイをもらう
彼はポットからプラスチックのコップに
チャイを注ぎ渡してくれた
ちゃんと砂糖も入っていて、甘い
よく見ると、12畳ほどの部屋に14人の囚人
自分を入れて、15人
マットレスがみっちりと敷いてあって、床がほぼ見えない
右に入り口とその左の隅にトイレがあって2畳分のその動線だけ空いている
そこに皆が履いて来たサンダルや水の入ったタンク、皿やコップ、チャイの入ったポットが3つ雑然としながらもまとめられている
英語を話すパキスタン人はアミルと言う名前で新しく入所してきた変わり種の囚人に色々と質問をしてくる
まだ少し警戒をしつつも、受け答えをしていると気がつくと、周りに囚人が集まっていてみんな興味津々
1人だけ英語を話すアミルがそれを通訳して周りに伝える
少しずつ周りの雰囲気にも慣れ、それぞれの囚人を見てみるがそれほど危険な雰囲気を出している囚人はいない
1人だけ話に混ざらず、部屋の一番奥で顔に布をかけて寝ているガタイの良い男がひとり居るだけで他の囚人たちは、普通の一般人と何も変わらないように見える
アミルが教えてくれたが、ここに収監されている囚人はパキスタン人5人とイラク人9人
パキスタン人は皆、不法滞在と労働の罪でイラク人は皆喧嘩の罪で収監されているらしい
抱く人の中でも、高校生位の若者も2人ほど混じっている
アミル曰く、イラクの警察は、喧嘩の取り締まりが厳しいらしく、捕まったら留置場に入れられるらしい
しかし、ケーキはそれほど長くなくて、短いものは5日位で釈放されるらしい
アミル達の不法滞在は、1ヵ月から数ヶ月
彼らは刑期が終わると飛行機に乗せられて強制送還だそうだ
小一時間ほど話をして、今日は疲れたので横になり休みたいがスペースがない
するとアミルが仕切って1番奥にスペースを空けてくれた
ありがたい
横になって、イラク人達の馬鹿騒ぎを眺めながら、気がついたら眠りに落ちて、長かった1日が終わった

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