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夢見て憧れて、また夢が見たいんだ!―ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~―

 2021年5月8日・9日に埼玉県のメットライフドームで開催された「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~」。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(以下、ニジガク)にとっての大きな夢であったTVアニメをコンセプトとしたライブがどのようなものになるのか…2日間の公演を見届けてきましたので、その感想を書かせていただきます。配信映像についても2日分確認しているので、現地でより良くなっていると感じた2日目の映像をベースにしつつ、いつも通りキャストパフォーマンスを中心として書いていきます。
 なお、今回も宮下愛役村上奈津実さんにお祝いのお花を送らせていただきました。企画および参加していただいた皆様に、この場で恐縮ではありますがお礼を申し上げます。

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1-3,2-3 Dream with You / 上原歩夢(大西亜玖璃)
1-12,2-12 Awakening Promise / 上原歩夢(大西亜玖璃)
2-En5 開花宣言 / 上原歩夢(大西亜玖璃)
 まずはソロパフォーマンスについて書かせていただきます。アニメ順ということで最初は上原歩夢役大西亜玖璃さんから。初披露曲のトップバッターのうえTVアニメと合わせた息遣いからアカペラスタートという、相当プレッシャーのかかる立場だったことでしょう。しかし大西さん、そんな場面でも歩夢らしい素敵な表情や動きの美しさが光っていて、2ndライブでも感じたことですがまた一段と成長しましたね。特に「Awakening Promise」では成長した歩夢と大西さんの姿が非常に重なって見えて、これから先もみんなを愛しみんなから愛されるスクールアイドルとしてどのように歩んでいくのか楽しみになりました。
 そして「開花宣言」。この曲は私にとって思い出深いFirstライブで特に印象的な曲だったわけですが、一歩ずつ大きく花開いていく今の大西さんが披露するからこそグッと来るものがありました。この楽曲に限らずなのですが、Firstライブでの2ndアルバム楽曲はどれも心を動かされたものだったので、メドレー形式なのがもったいないなとは思うのですが…。とはいえこの曲をフルで披露した際に、声出しができない今の状況では真価が発揮できないので難しいところです。

1-4,2-4 Poppin' Up! / 中須かすみ(相良茉優)
1-En1 無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(相良茉優)
2-En9 ☆ワンダーランド☆ / 中須かすみ(相良茉優)
 TVアニメ順では2番手となるのが中須かすみ役相良茉優さん。前回の校内シャッフルフェスティバルの感想を読んでいただいた方はご存知だと思いますが、私が非常に評価しているキャストの1人なのでとても楽しみにしていました。「Dream with You」の雰囲気をひっくり返して入るのがいいですよね、これはニジガクのライブの魅力だなといつも思います。そして入りからかすみらしい表情が素晴らしい!相良さんといえば徹底的にかすみを演じるのが強みのキャストですが、今回のパフォーマンスでもそれが全面に出ていました。かすみの「かわいい」は相良さんが演じるからこそ、観客にいる私たちも見つけることができるのだとつくづく思います。
 アンコールではこれを待っていました「無敵級*ビリーバー」。2ndライブでは悔しい思いをした楽曲だっただけに、有観客ライブとなった今回で披露されたのは非常に嬉しいですね。むしろDay1だけではあまりにもったいないくらい。「Poppin' Up!」で感じられた相良さんの魅力だけでなく、自分自身を信じるかすみのために努力を重ねた強さが感じられました。「☆ワンダーランド☆」でも積極的に煽りを入れる姿も印象的で、相良さんの成長が感じられたパフォーマンスでしたね。ステージパフォーマンスの技術という点ではまだ課題はあると感じますが、私はそこは大丈夫だと信じています。ステージ上で観客にしっかりと気持ちを伝えるパフォーマンスができるキャストには、必ず結果がついてくるものですから。これからも中須かすみ役相良茉優さんに期待しています。

1-2,2-2 CHASE! / 優木せつ菜(楠木ともり)
1-5,2-5 DIVE! / 優木せつ菜(楠木ともり)
2-En8 MELODY / 優木せつ菜(楠木ともり)
 ソロ曲披露の順では最初になったのが優木せつ菜役楠木ともりさん。「CHASE!」はTVアニメの映像を背景に披露しましたが、ラストのサビの部分に映像がついているため、そこのシンクロパフォーマンスも楽しむことができました。「DIVE!」ではセンターステージへと向かっていく姿が特に印象的でした。後述する朝香果林役久保田未夢さんとはまた対照的な歩き方になっていて、パフォーマンス中の笑顔も相まって非常にせつ菜らしいなと感じます。ここまでの2人がTVアニメに合わせた演出をしていたので、最後を「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!優木せつ菜でした!」でシメてくれても良いなとは思うのですが。
 さて、今回楠木さんは体調の問題もあり全体曲のステージには乗らない場面もありましたが、ダンスの動きや「CHASE!」のシャウトなどソロステージでも影響は見えていたように感じます。しかしながら優木せつ菜としてステージに立つという気迫はしっかりと見えていて、熱意のこもったパフォーマンスを見せてくれたとも思います。「MELODY」で煽りを入れる姿やラストのシャウトをバッチリ決めていたのが非常に良かったですね。2ndライブの感想でも書きましたが、今の状況で開催できるライブでは楠木さんの強みをなかなか活かせないというのもあり、楠木さんが思う存分に魅力を発揮できる状況になることを願うばかりです。せつ菜と同じく、会場を一気に熱くする素敵なパフォーマンスが持ち味のキャストですから。

1-6,2-6 サイコーハート / 宮下愛(村上奈津実)
2-En2 友 & 愛 / 宮下愛(村上奈津実)
 続いては宮下愛役村上奈津実さん。毎回のライブで素晴らしい姿を見せてくれる方ですが、今回の「サイコーハート」も本当に圧倒的で。心の声をそのまま言い表すならば「マジですげえなこの人」となっていました。ソロ楽曲のなかでもダントツで運動量を要するこの楽曲を、サイコーな笑顔を絶やすことなく煽りも全力で入れ最後までパワフルにやり切る村上さんの姿は、まさしくスマイル系スクールアイドル・宮下愛そのもの。村上さんの積み上げてきた努力を思い、2ndライブに引き続きまた涙してしまったほどです。朝香果林役久保田未夢さんが「努力の天才」と称していた村上さんですが、個人的に応援していることを差し引いても、村上さんはニジガク最強のキャストと言っても過言ではないと思います。スクールアイドルとしては当然のことながら、宮下愛という1人のキャラクターを演じてステージに立つ「役者」として純粋に素晴らしい方だと強く感じるパフォーマンスでした。
 ここのところパワフルな楽曲続きの愛ですが、だからこそ「友 & 愛」に立ち返りたくなるというのはあると思います。この曲はFirstライブで観て私がこんな有様(おっと)になってしまった原因なのですが、今回も村上さんの素敵な笑顔で会場を盛り上げる姿が印象的でした。ステージ上の圧倒的なパフォーマンスも、観客と近い距離感で会場を一緒に盛り上げるのも、村上さんの姿がとにかく愛と重なるんですよ。愛と共に走るために努力を重ねていく村上さんがこの先どこまで行ってしまうのか…今まで以上に楽しみになりました。これからも応援していますよ。

1-7,2-7 La Bella Patria / エマ・ヴェルデ(指出毬亜)
2-En10 声繋ごうよ / エマ・ヴェルデ(指出毬亜)
 今回の3rdライブで特に期待していたステージがエマ・ヴェルデ役指出毬亜さんの「La Bella Patria」。校内シャッフルフェスティバルで成長を感じられた指出さんが、あの場で学んだものをどのようにぶつけてきてくれるのか。そして穏やかな楽曲が多かったエマだけに今までと違うこの楽曲でどのような姿を見せてくれるのか、非常に楽しみにしていました。そして指出さんはその期待以上のパフォーマンスを見せてくれたと思います。美しい歌声が最大の武器の方ですが、それだけでなくエマらしいおおらかな笑顔もとても素敵でした。そして今回強く感じたのは、何よりもダンスの美しさ。アップテンポなこの楽曲だからこそ美しい動きが映えていて、伸びやかなダンスからはエマの根源であるスイスの大自然を感じられるほどでした。エマのこういう楽曲も素敵だなあ…と実感するとともに、もっと観てみたくなるようなパフォーマンスでしたね。
 アンコールのメドレーで最後となった「声繋ごうよ」も良かったです。やはり指出さんの歌声は素晴らしいと実感するばかり。全体を通して非常に楽しくパフォーマンスをしていることが観ている側にもよく伝わってきて、校内シャッフルフェスティバルからさらに成長を感じることができました。指出さんがこれからもどんなエマの姿を見せてくれるのか、ますます目が離せませんね。

1-8,2-8 ツナガルコネクト / 天王寺璃奈(田中ちえ美)
2-En6 テレテレパシー / 天王寺璃奈(田中ちえ美)
 そして今回のライブで私が特に期待を寄せていたのが天王寺璃奈役田中ちえ美さん。思えばFirstライブから田中さんのパフォーマンスにものすごく魅力を感じていたのですが、2ndライブと校内シャッフルフェスティバルではあまりの素晴らしさにやられてしまったのは記憶に新しいところです。そして今回もただただ素晴らしかった。田中さんはキャラクターとしての声で歌うのを本当に徹底されている方で、そこに璃奈が伝えたいとびっきりの笑顔が重なるのが本当に素晴らしくて…。田中さんのライブ後のブログでは「私自身がパフォーマンスするときはボードを付けていませんが、私の顔は璃奈ちゃんボードだと思ってください」と書いてありましたが、本当にその通りなんですよ。ステージを通して璃奈の胸いっぱいの想いを共有して私たちに届けてくれる姿を観て、(2ndライブの感想でも書いたことですが)璃奈が田中さんと出会えて本当に本当に良かったと今回も感じました。もちろん今回も涙でボロボロでした。
 Firstライブ同様にトロッコ上での披露となった「テレテレパシー」も非常に良かったですね。璃奈の気持ちを届けてくれるこの素敵なステージを、これから先ももっともっと観ていたいと思いました。先ほど村上さんを「ニジガク最強のキャスト」と書きましたが、村上さんと田中さんで圧倒的ツートップだと感じます。田中さんの場合は最強という表現だとまた違う気もするので最高とかの方がいいですかね。とにかく本当に素晴らしいキャストです。これからも璃奈と田中さんの二人三脚でどんな気持ちを届けてくれるのか、本当に楽しみですし、こっそり応援もしています。

1-9,2-9 Butterfly / 近江彼方(鬼頭明里)
2-En3 My Own Fairy-Tale / 近江彼方(鬼頭明里)
 7番手は近江彼方役鬼頭明里さん。「Butterfly」も今までの楽曲とはタイプの異なるもので、どのようなステージになるのかと期待していました。ここでのパフォーマンスは鬼頭さんのきれいな歌声はもちろんのこと、彼方らしいゆるさを含んだ美しいダンスが非常に魅力的で、ステージ上が本当に別世界のようでした。シャボン玉を飛ばす演出もかなりプラス効果が出ていましたね。今まで眠り姫的な部分に偏ってしまっていた彼方だけに、このような新しい姿を見せてくれたのは嬉しい限りです。様々な場所で活躍されている方だけあって、鬼頭さんの表現力はさすがだなと感心するばかりでした。
 アンコールの「My Own Fairy-Tale」は個人的に好きな楽曲なのですが、こちらでも鬼頭さんの歌唱力が光っていましたね。この楽曲も(どちらかといえば)ハイな方の彼方なので、もちろんローな方も好きですが、この姿もこれからもっと見せてくれればと思います。これから先も鬼頭さんがどんな姿の彼方を表現してくれるのか、ますます期待してしまいます。

1-10,2-10 Solitude Rain / 桜坂しずく(前田佳織里)
2-En4 オードリー / 桜坂しずく(前田佳織里)
 ソロパフォーマンスも残すところあと2人、続いては桜坂しずく役前田佳織里さんです。2ndライブではちょっと辛口に感想を書いてしまったキャストですが、うーん…正直今回ももったいないという一言に尽きると思います。これは常々書いていることですが、ステージ上での存在感や美しい声が前田さんの持ち味で、今回の「Solitude Rain」でもそれは発揮されていました。ラストのサビ前の「あなたの心に触れたい」の部分の歌い上げなんかは非常に良いですよね。ただ、その良さが表情で打ち消されてしまっている感がどうしても拭えないのです。特にこの楽曲は自分自身をさらけ出す覚悟を決めたしずくを表現するわけですから、強さを持ちつつも晴れやかな表情が必要だと思いますが、今の表情だと違うなあ…と思ってしまいます。曲調としてもカッコいい方向に寄るのは分かりますし、それも当然表現のひとつではあるのですが、モニターに流れるしずくの表情との差が目立ってしまっているというのがパフォーマンスを通しての感想です。もちろん全部の場面でそうだったというわけではなく良い瞬間もあったのですが、表情が抜けているように見えてしまう時があることと、決め所での表情が決まっていないのが影響してしまい、ステージの世界観に入り込めないように感じてしまいました。
 アンコールの「オードリー」についても、パフォーマンスへの感想としてはほとんど同じになってしまいます。今回は以前にもまして辛辣にはなりましたが、スクールアイドルとしてステージに立つからには肝となる部分だからこそきちんと書きました。前述したように非常に良いものを持っているキャストでもあり、実際校内シャッフルフェスティバルでは好感触だったので、この課題さえクリアできればパフォーマンスが格段に良くなるはずだと思います。桜坂しずくと共に歩むキャストとして、しずくの表現の世界へと観客をいざなう姿を見せてくれるのを待っています。

1-11,2-11 VIVID WORLD / 朝香果林(久保田未夢)
2-En7 Wish / 朝香果林(久保田未夢)
 ソロパフォーマンスのラストは朝香果林役久保田未夢さん。久保田さんはやはりすごいですね…果林らしい強さと余裕にあふれていて、さすがのパフォーマンスでした。全キャストのなかでもダンスの技術は本当にピカイチですし、ステージを通して表情も非常に良かったです。なかでも2番でセンターステージへ向かう、絶対的な存在でありつつも観客に魅力的な表情を向ける姿は果林そのものでした。間奏頭でカメラに投げキッスするのとか手口がエグくてですね…ステージをものにしている久保田さんだからこそできる圧倒的なパフォーマンスでした。ただそれだけに、あのスモークの音はなあ…配信で確認したら大して聞こえてなくてビックリしているのですが、あれ現地だと相当大きな音だったんですよ。せっかくキャストがステージの世界観を作っているのに、それを壊しかねないものになってしまったのは残念です。楽曲が楽曲だけにレーザーを多用する演出にはなるので、スモーク焚きたいのは分かるんですけどね…その辺りはメットライフドームという会場との相性の問題でしょうか。
 Firstライブ同様イスに座った形での披露となった「Wish」も、高い歌唱力が光っていて果林の作り上げるステージとして見事なものでした。前後が盛り上がる曲であっただけに存在感を放っていましたね。久保田さんが果林としてこれから先もどんな姿を見せてくれるか、楽しみが尽きません。

応援出演:高咲侑(矢野妃菜喜)
 今回のライブ、高咲侑役矢野妃菜喜さんについて書かないわけにはいかないでしょう。エンディング映像に映っている以上「NEO SKY, NEO MAP!」のステージに出るだろうなとは思っていましたが、「夢がここからはじまるよ」でも立つのはさすがに想定外でした。矢野さんがピアノを弾くことでこの楽曲にTVアニメを超える価値が生まれたわけで、そういう意味でもライブだからこそできる非常に良い演出でした。Day2でピアノ経験がなかったことを明かされたわけですが、本当に本当によくやってくれたと思います。あれだけのプレッシャーがかかるなかで、震える手をおさえて弾ききった矢野さんに最大限の賛辞を。
 最初の挨拶で田中さんが璃奈ちゃんボードをつけに一旦下がる際、別のキャストが付き添いとなるのが恒例ですが、今回はその役割がきちんと矢野さんになっていましたね。ライブ後に矢野さんがキャストの皆さんを支えていたことがTwitterなどに出ていましたし、矢野さん自身がキャストの皆さんからとても愛されているのも伝わってきて、そんな姿のひとつひとつがまさしく高咲侑であることを実感させてくれました。スクールアイドルではなくてもニジガクの大切な仲間であり、またニジガクにとっての「あなた」そのものである矢野さんが高咲侑を演じるキャストであることは、ニジガクにとっての最大の幸運と言ってもいいと思います。これからも一番近くでニジガクを支えてくれる彼女に、私は全ての想いを託したい―心からそう思いました。

ライブ全体に対しての感想
 全体楽曲については曲ごとに触れることはしません(あくまでキャストパフォーマンスについて評価する場としたいので)が、ニジガクの全体楽曲ステージはまた魅力あるものですよね。ソロステージとは違いグループであるという安心感もあるでしょうか、いずれのステージも楽しくパフォーマンスできているなと感じます。ただそれ故に、全体楽曲のステージをもっと大切にしてほしいとも思っています。ニジガクですからソロステージが大切になるのは当たり前ですが、Day2で大西さんが語った夢を本当に叶えるためには、全体楽曲のパフォーマンスレベルをもっともっと上げなければなりません。夢を語られたからこそ率直な意見として書きますが、全体としての動きや決め所でのハーモニーがまだ甘い部分が多いなと私は感じています。ニジガクのキャストは現時点でもそれぞれ個人の仕事が多いことや、昨今の情勢の影響もあり全体練習の時間はあまり取れていないだろうと思いますが、数少ない全体楽曲はニジガクにとって重要であるだけに、この問題は必ず乗り越えなければなりません。逆にそこをきちんとできれば、ニジガクはグループとしてより羽ばたくことができるとも言えます。そのためにはキャストが努力することはもちろん、プロジェクトとしてニジガクをどう支えていくかが鍵になるわけですが…現状そこが一番の不安要素なわけで。その詳しい話はライブ感想として書く内容ではないので、また別の機会にします。
 次にライブ全体として俯瞰した感想ですが、今回の構成は疑問点が多かったです。「School Idol Festival ~夢の始まり~」というライブタイトルと合っていないように感じられたのがその原因。このタイトルで構成するのであれば(ニジガクだけでスクールアイドルフェスティバルとなってしまっていることはさておき)、TVアニメ第13話の拡張的な内容とするのが自然なのではと思うのですが(だからこそ「夢がここからはじまるよ」のピアノの演出が良いと書きました)、「CHASE!」から1回目の「NEO SKY, NEO MAP!」に至るまではTVアニメのストーリーを追った形になっているんですよね。ソロステージの間はフェス形式ではありましたが、第1話・第10~13話までの映像を幕間に流したことからもそれは明らかです。その流れだからこそできたTVアニメと連動した演出もありましたが、一方で3rdライブ最強の切り札である「夢がここからはじまるよ」「NEO SKY, NEO MAP!」の余韻を十分に味わうことができなかったわけで、どうしてこんなもったいないことしちゃうのかなあ…とすら思います。あとはTVアニメコンセプトにもかかわらず2ndアルバムの楽曲が入ってしまっているのも構成的には疑問ですね。「TOKIMEKI Runners」はスクスタストーリー17章挿入歌Ver.と分かれているので、問題ないとしてもここがギリギリというところかな…。
 あと演出の話ですが、ダンサーの使い方はどうなの?と思います。今回ダンサーがついた楽曲は「サイコーハート」「Solitude Rain」の2曲ですが、いずれも楽曲に合わないのではないかなと。ステージは1人ではなく観客とともにあることに気がつくのが「サイコーハート」ですし、自分自身をステージ上でさらけ出す覚悟を決めたからこその「Solitude Rain」ですから、楽曲の意味合いからすれば1人でステージに立つことがふさわしいはずです。前者については状況が状況だけに観客と一緒に楽しむのが難しいからこその補助というのは分からないでもないですし、共にステージを盛り上げてくれたダンサーを否定するわけではないですが、それが演出的に適切かどうかというのはやはり別問題だと私は思います。これに関しては2ndライブからかなり気になっているんですよね…Firstライブの「声繋ごうよ」はアリかなと思いますが、それ以降は気になってしまう気持ちの方が強いです。ソロアイドルとしてキャストがどのような世界観を見せてくれるかがニジガクの見所なはずなので。


 今回の3rdライブの感想としてはこんなところでしょうか。途中でも書きましたが、ステージ上でニジガクとして夢を語ってくれたからこそ、いつも以上に率直な感想としてまとめています。この感想読んでる方からすれば全くそんな風に感じないと思いますが、私はFirstライブでスクールアイドルの素晴らしさに改めて気づかせてくれたニジガクに並々ならぬ想いを抱いている1人でもあります(なんのことかと思う方はこれを読んでください)。ソロパフォーマンスについて色々書いているのは、単に私に見る目がなくてグループパフォーマンスより見やすいからというのもありますが、スクールアイドルとしてメンバーと真剣に向き合いパフォーマンスをする姿が好きだからこそですし、構成や演出について苦言を呈するのもそんな素敵な彼女たちを最高に輝かせる舞台であってほしいからです。だからこそ「夢がここからはじまるよ」「NEO SKY, NEO MAP!」を歌う姿に、彼女たちの夢が叶うことをただただ願って涙があふれるばかりでした。いつか「NEO SKY, NEO MAP!」を共に歌える日が来ることを願って。
 夢見て憧れて また夢が見たいんだ 見たい、見たいんだ!―スクールアイドルの夢を夢見る者として、ニジガクの夢を夢見る者として、また彼女たちに会える日を楽しみにしています。

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