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走り出したTOKIMEKI Runnersは止まらない―ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2nd Live!―

 待望の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の2nd Liveが2020年9月12日・13日に開催されました。今回は無観客生配信ライブという形になり、私も自宅から12日の"Brand New Story"の昼夜公演と、13日の"Back to the TOKIMEKI"を観させていただきました。ラブライブ!フェスから8ヶ月で9人どのように成長したのか、そして新メンバー・三船栞子役小泉萌香さんの初ステージはどのようなものになるのか…。そんな虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の新たな姿を観た感想を書かせていただきます。普段のライブ感想はセットリスト順に書いていますが、今回はユニットおよびキャストごとに書きます。それが一番書きやすいので。セットリストの番号は日で振っています(1日目の公演は昼夜で全く同じセットリストでしたからね)。
 今回、私が常日頃応援している宮下愛役村上奈津実さんへ何かしらできないかと思い、初めてフラスタ企画に参加させていただきました。直接見に行くことはできませんでしたが、写真をいただいたのでここにも載せておきます。動いてくださった主催の方をはじめ、共に協力していただいた皆様にも、改めてこの場でお礼を申し上げます。


1-3,2-12 SUPER NOVA / DiverDiva
1-4,2-13 Love Triangle / DiverDiva
 まずは最初にユニットステージを披露したDiverDivaから。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の中で最もクールな朝香果林と、最も笑顔あふれる宮下愛という真逆の2人によるユニットです。このユニットの面白いところは、キャラクターだけでなくキャストも真逆という点。朝香果林役久保田未夢さんはステージパフォーマンスを相当にこなしている方なのに対して、宮下愛役村上奈津実さんはニジガクでステージパフォーマンスに初挑戦。そんな2人がどのような世界を見せてくれるのか、相当に期待を寄せていました。
 今回のライブではユニットシングルに収録されている2曲を両日披露。どちらの曲も2人のかけ合いが特徴的で、ステージ上の動きも対になったような振り付けが多かったですね。それだけに、ユニットでありながらも2人が比較されやすいとも思います。DiverDivaのステージパフォーマンスで最も大事な部分というと、私個人としては「村上さんが久保田さんと対等にぶつかり合えるかどうか」だと考えています。キャラクターが真逆だからこそ面白いのに対して、キャストがパフォーマンスするとどちらかが見劣りするようではこのユニットの面白さは出ません。経験に裏打ちされた久保田さんのパフォーマンスは確かなものですから、(First Liveでもラブライブ!フェスでも相当褒めた感想を書いたとはいえ)村上さんは追いつかなければならない側でした。その点に着目しながらパフォーマンスを観ていましたが、1日目では昼夜共に、久保田さんの安定感の隣では村上さんの荒削りな部分は目立ってしまっていたと思います。しかし2日目には少し慣れてやりやすかったのか、1日目に比べて洗練された印象を受けました。それに両日共に差の部分を気持ちで埋めようという村上さんの姿勢も見えていて、今回は完璧とは言えないですが、これからさらに伸びてくれるのではないかと感じさせてくれました。

1-15 Fire Bird / 朝香果林(CV.久保田未夢)
1-En6,2-6 Starlight / 朝香果林(CV.久保田未夢)
 メンバーはユニットごとに公式順で書かせていただきます。まずは朝香果林役久保田未夢さんから。今回の各メンバーのソロステージは、1日目に3rdアルバムからのソロ曲とアンコールでスクスタサイズの1stアルバムソロ曲、2日目にフルサイズの1stアルバムソロ曲という形でした。
 果林の新曲である『Fire Bird』では、今までのクールさとは一味違った情熱的で燃えるようなパフォーマンスを見せてくれました。ただ、これは気のせいなのかどうか分からないのですが、声については本調子ではなかったようにも感じました。しかしそのような中でも経験や技術を感じさせるだけではなく、どこか余裕めいたクールさのある表情を見せてくれるのが久保田さんのすごいところで、ラブライブ!フェス以上に果林に近づくことのできたステージだったと思います。『Starlight』でも同様に成長した姿を見ることができました。MCでは他のキャストが久保田さんに色々と教わりに行くことも多いと話していましたが、これからもニジガクを引っ張っていく存在であってほしいですね。切磋琢磨し互いに成長してくのが、ニジガクの素晴らしいところだと思っていますから。

1-11 楽しいの天才 / 宮下愛(CV.村上奈津実)
1-En8,2-3 めっちゃGoing!! / 宮下愛(CV.村上奈津実)

 続いてのソロステージ感想は宮下愛役村上奈津実さん。皆さん知っての通りの事情により村上さんの部分だけ長くなります。キャストによって差をつけて書くことはあまりしたくないのですが、書きたいことが多いので。
 村上さんはFirst Liveのステージの感想について電撃G's magazineのインタビューで話していますが、そこではステージ中に見えたファンの笑顔が不安を楽しさに変えてくれたと語っています。そんな村上さんにとって今回の無観客生配信ライブという形は、ステージ上でのモチベーションに対してマイナスの影響を及ぼすものであったはずです。また、同記事においてダンスが苦手であることも話していて、実際ラブライブ!フェスにおける『めっちゃGoing!!』ではダンスと歌の両立という点が課題だと私も感じたなかで、アップテンポな3rdアルバムのソロ曲『楽しいの天才』は、今まで以上に難しいことは間違いない楽曲でした。さらに言えばDiverDivaのステージでは久保田さんとのステージを形にしないといけないこともあり、この2nd Liveは村上さんにとって大きな試練だったことでしょう。村上さんがどんなパフォーマンスを見せることができるのか、失礼ながら正直私も不安に感じていました。
 そして見届けた『楽しいの天才』のソロステージ。それはもう度肝を抜かれるものでした。最初から最後までかなり動きの多く激しい振り付けであり、ソロステージの中では最も難易度が高いものであったと思いますが、それを最後の「愛さんハンパなーい!」まで村上さんはやりきった。それも途中で崩れるようなこともないどころか、ステージの最後まで宮下愛であり続けたいという意志を感じられる笑顔で。今回は各キャストのパフォーマンスをしっかりと観ることのできるよう、かなり感情を抑えて理性で観るように心がけていたのですが、それでもなお伝わってくる楽しい気持ちでパフォーマンス中は満たされていました。ですが終わった途端、村上さんのとてつもない大成長に声を上げて泣いてしまったほどでした。応援している方の成長ってこんなにも嬉しいんだと。村上さんは常々「愛に近づきたい」ということを話していて、ラブライブ!フェスではその気持ちに自分の体が追いつかないことをかなり悔やんでいました。しかし今回のステージは前述したような試練すらも笑顔で乗り越える村上さんの姿があって、それはまさに「スマイル系スクールアイドル宮下愛」そのものでした。村上さんが努力家だということは私も魅力のひとつとして挙げていますし、2日目のユニットMCでは久保田さんに「努力の天才」とも言われていましたが、この8ヶ月の間にどれだけの努力をしたのか…それはもう私の想像もつかないくらいなのかもしれません。ステージの後半では疲れも見えた部分があり、まだ体力的に課題がないとまでは言えませんが、本当に圧巻のパフォーマンスでした。
 このような書き方は良くないのかもしれませんが言わせてください。今回のソロステージ、宮下愛役村上奈津実さんはぶっちぎりで素晴らしかったです。村上さんのファンであることによる贔屓目を差し引いても。体力や技術だけでなく気持ちの面でも格段に強くなった姿を見せてくれた村上さんが、これから先どんなステージを見せてくれるのか…ますます目が離せません。

1-8,2-14 Sing & Smile!! / QU4RTZ
1-9,2-15 Beautiful Moonlight / QU4RTZ
 続いてのユニットステージは、ラブライブ!史上初の4人ユニットであるQU4RTZ。中須かすみ役相良茉優さん、近江彼方役鬼頭明里さん、エマ・ヴェルデ役指出毬亜さん、天王寺璃奈役田中ちえ美さんの美しいハーモニーが特徴的なユニットです。ニジガクの中でも平和(?)なメンバー4人という組み合わせからどのようなものが生まれるか…これまた期待を寄せていたステージでした。
 さて、今回いずれのユニットもすべての楽曲を披露したわけですが、私が最も褒めたいのがこのQU4RTZです。この4人のステージはとにかく素晴らしかった。2日目のユニットMCではキャストも「心地よい」と感じていると話していましたが、観る側にもそれがとてもとても伝わるもので、それはもう涙が出るくらい幸せな気持ちになれるステージでした。相良さんのかすみらしい愛嬌のある笑顔、鬼頭さんの素晴らしい技術と表現力、指出さんの優しく美しく響く歌声、田中さんの目一杯璃奈の気持ちを伝えようという想い、それぞれの魅力が重なり生み出されるパフォーマンスは本当に素敵でした。『Sing & Smile!!』はその曲名にふさわしく美しい歌と笑顔が溢れるものでしたし、『Beautiful Moonlight』ではソロステージとは違った4人の魅力がふんだんに出ていて、QU4RTZのステージがとにかく大好きになりました。次のステージではまたどんなハーモニーを紡いでくれるのか…本当に楽しみです。

1-2 無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(CV.相良茉優)
1-12 Margaret / 中須かすみ(CV.相良茉優)
1-En4,2-8 ダイアモンド / 中須かすみ(CV.相良茉優)

 QU4RTZのソロステージは中須かすみ役相良茉優さんから感想を。PV付きソロ楽曲を披露する機会でもあり、今回は相良さんにとって特別なステージともなりましたが、結果としては相良さん本人も話していた通り悔しいものとなってしまいました。1日目昼公演出だしの『無敵級*ビリーバー』でつまずいてしまったこともあり、立て直し切れずその後のステージにもかなり響いてしまっていました。QU4RTZのステージでは他のメンバーがいたことが支えになったと思いますが、ソロステージでは魅力を充分に出し切れていなかったと言わざるを得ないでしょう。それでも『無敵級*ビリーバー』のラストはしっかりとかすみらしい笑顔で終えることができ、夜公演では立て直してPVとのシンクロパフォーマンスもさらに楽しめるものとなっていました。そして何より同じく夜公演の『Margaret』がとても素敵で、かすみの色々な面は相良さんだからこそ出せるものだと強く感じました。今回の悔しさを糧に、次の機会には素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることを期待しています。中須かすみというスクールアイドルに真摯に向き合っていることが伝わる相良さんは、きっとそれができる方だと思っていますから。

1-17 Märchen Star / 近江彼方(CV.鬼頭明里)
1-En7,2-7 眠れる森に行きたいな / 近江彼方(CV.鬼頭明里)

 続いては1日目ソロステージで当初メンバーのトリを務めた近江彼方役鬼頭明里さん。First Liveのときから感じ続けていることではありますが、鬼頭さんはつくづく彼方なのだと今回も思わせてくれました。キャラクターとのシンクロ度合いといいますか、それが反則レベルなんですよね…。『Märchen Star』での彼方のような愛くるしさはもうすごかったです。鬼頭さんと彼方が本来的に似ている部分も多いとは思うのですが、それだけでなく動きから表情まで彼方らしさを貫く鬼頭さんのパフォーマンスは素晴らしいもので、ソロアーティストとしても活躍しているだけある実力はさすがだなと思います。ソロステージだけでなく、ユニットステージで披露してくれた歌唱力もそれはもう見事なものでした。これから鬼頭さんの様々な側面を見てみたいなあ…そう思わせてくれるパフォーマンスでした。

1-16 哀温ノ詩 / エマ・ヴェルデ(CV.指出毬亜)
1-En3,2-9 Evergreen / エマ・ヴェルデ(CV.指出毬亜)

 エマ・ヴェルデ役指出毬亜さんはFirst Liveから歌唱力の高い人だと感じていましたが、その歌唱力がさらに表れたのが今回のソロステージ。CDを購入して『哀温ノ詩』を聴いた時点で「これはすごいな…」と思っていましたが、ライブのステージ上でもそれは発揮されていました。歌唱力だけでなく動きも美しく、とても素敵なパフォーマンスでした。ただソロステージに対してひとつ言うならば、ラブライブ!フェスからは良くなったように感じましたが、エマらしい表情はもっと欲しかったです。ユニットステージでの『Sing & Smile!!』での表情が非常に良かったので、エマのようなおおらかな笑顔がソロステージでより出せていれば、より良いものになったのではないでしょうか。曲調の問題もあってその辺りのバランスは難しいですが、確かな技術は持っている方ですから、これからもさらにエマらしさを追求していってほしいと思います。

1-5 アナログハート / 天王寺璃奈(CV.田中ちえ美)
1-En5,2-10 ドキピポ☆エモーション / 天王寺璃奈(CV.田中ちえ美)

 今回のソロステージにおいて、もうとにかく褒めたいのが天王寺璃奈役田中ちえ美さん。田中さんのパフォーマンスからは璃奈の感情を全身で目一杯表現しようとしているのがすごく伝わってきて、今回の『アナログハート』本当に素晴らしかったです。なんというかうまく書き表すのが難しくて、この場らしからぬ表現を用いてしまうのですが、璃奈が田中さんと出会えて本当に本当に良かったと思えて、ステージ中にずっと泣いてしまって。璃奈のなかなか表に出せない豊かな感情をしっかりと受け止めて、それをステージ上で懸命にファンに伝えてくれる…そんな田中さんと出会えた璃奈は幸せ者だと感じました。ストーリーが進んでいくことで璃奈ももっと成長していくはずですが、そんな璃奈に田中さんがこれからも寄り添い続け、もっと幸せにしてあげて欲しい。心からそう思います。思い出すだけでも泣きそうで自分でも何を書いてるか分からなくなってきているので、まとまりませんが田中さんについてはこの辺りで。長いだけが褒めるということではないですから。

1-13,2-16 Dream Land! Dream World! / A・ZU・NA
1-14,2-17 Cheer for you!! / A・ZU・NA

 最後のユニットは上原歩夢役大西亜玖璃さん、桜坂しずく役前田佳織里さん、優木せつ菜役楠木ともりさんのA・ZU・NA。2人、4人と個性が出るユニットからの王道系3人ユニットはどう盛り上げてくれるのか…ユニットステージがいずれも良かっただけに、これまた期待で胸が高鳴るものでした。
 A・ZU・NAのステージで特に感じられたのは全面に出てくる楽しさでした。アタック映像や衣装からもワクワク感が出るのがとても良かったですね。普段の歩夢・しずく・せつ菜の3人とは少し違った雰囲気で、いずれのキャストも新たな魅力が見えていたように感じます。楽しさに振った笑顔が3人ともとても素敵で、でも他のメンバーと立つからこそ見えてくるものもあって。3人並んでラインダンスをする振り付けなどは1人1人見比べると面白かったです。キャラクター・キャスト共にどこか似ているようで違って、違うようで似ているというのがA・ZU・NAの魅力かなと感じました。今回はどちらも明るい曲でしたが、雰囲気の異なる曲が出ればまた違った面白さが表れるのではないかと思います。今後どのようなステージを見せてくれるのか楽しみになりますね。ユニットステージって良いですねえ。

1-6 Say Good-Bye 涙 / 上原歩夢(CV.大西亜玖璃)
1-En1,2-11 夢への一歩 / 上原歩夢(CV.大西亜玖璃)

 1日目ソロステージの2番手は上原歩夢役大西亜玖璃さん。ライブ後のpostでも書きましたが、今回特に良かったと感じたキャストは村上さん、田中さん、そして大西さんの3人でした。『Say Good-Bye 涙』を歌えるくらいにストーリー上で成長した歩夢でしたが、それと共に大西さんも大きく成長したことを感じました。今までは体力面がどうしてもパフォーマンスに影響してしまっていましたが、今回はかなり改善されたように思います。A・ZU・NAのステージでも気がついたことですが、ソロステージにおいても動きがとても美しく感じられ、それもパフォーマンスに余裕が出てきたからなのではないでしょうか。MCでも色々言われていましたが、いつもこういう場だと泣いてしまう大西さんも今回は泣くことなく、歩夢に負けずに大西さんも強くなったなと思えてとても嬉しかったです。ストーリー上最も出番の多いキャラクターだけに成長著しい歩夢ですが、これからも歩夢と一緒に歩いて強くなるであろう大西さんが見られるのが楽しみです。

1-7 やがてひとつの物語 / 桜坂しずく(CV.前田佳織里)
1-En2,2-4 あなたの理想のヒロイン / 桜坂しずく(CV.前田佳織里)

 桜坂しずく役前田佳織里さんは今回も演劇をイメージしたソロステージを披露しました。『やがてひとつの物語』の最初や途中に挟まれる朗読やセリフがとても良かったですね。歌でもそうですが、美しい声を持っている方だと実感しました。また、今回は画面越しではありますが、それでも小柄さを感じさせないステージ上での存在感はすごかったですね…体の動きの美しさがとても印象的でした。しかしながら正直なところ、今回も表情に硬さが感じられてしまった点は否めません。これはラブライブ!フェスの感想でも前田さんの課題として挙げた点で、その時よりはかなり良くなったようには感じますが、ソロステージはもっといい表情が欲しいです。1人でステージをものにできるだけの能力は持っているキャストだと感じていますが、今回も表情によって表現が硬く感じられてしまう部分があって、それがとてももったいない。しずくは表情のさじ加減が難しいキャラクターであるとは思いますが、ニジガクやA・ZU・NAとしてのステージで見せてくれた笑顔はとても良かったので、さらにしずくに近づくための努力を重ねていけば、素晴らしいソロステージができるのではないでしょうか。また少々辛口な感想になってしまいましたが、能力があると感じているからこそ注文したい、ということを書き添えておきます。

1-10 LIKE IT! LOVE IT! / 優木せつ菜(CV.楠木ともり)
1-En9,2-5 CHASE! / 優木せつ菜(CV.楠木ともり)

 当初メンバーのソロステージ感想、ラストは優木せつ菜役楠木ともりさん。First Liveではヘッドライナーを務めたことや、今までの素晴らしいパフォーマンスを見ると、キャストとしては最も若いながらニジガクを引っ張る存在といっても過言ではないでしょう。そんな楠木さんは今回もソロステージで魅力的なパフォーマンスを見せてくれました。楠木さん自身が課題として挙げていた体力面も改善され、せつ菜らしい情熱のこもったステージを披露してくれたと思います。しかしながら、無観客生配信ライブであることの影響を最も受けたのは楠木さんだったように感じます。楠木さんの最大の強みは会場を巻き込み盛り上げる力だと私は考えていて、First Liveでの『MELODY』なんかはその最たるものでしたが、今回はそれを発揮するのが困難な状況であり、楠木さん自身のパフォーマンスにも少なからず影響を及ぼしていたように感じられました。ただ、そのような中でも画面の向こうのファンをしっかりと煽っていて、せつ菜の本気を届けようという気持ちはとても伝わりましたし、そこに楠木さんのパフォーマンスの素晴らしさを感じられました。これは楠木さんのステージに限らず全ステージに言いたいことでもあり、言っても仕方のないことでもありますが、やはり「会場で見たかった」という一言に尽きると思います。今回披露したステージを直接見られる機会、いつか用意してほしいですね。

1-18,2-2 決意の光 / 三船栞子(CV.小泉萌香)
 1日目では最後に登場した三船栞子役小泉萌香さん。正式なメンバーとしては先日加入したばかりで、この2nd Liveが初めてのステージ披露であり、私に限らず配信を見ていた皆さんの期待はとても大きかったことでしょう。そして小泉さんのステージはその期待に充分応えられたものであったと思います。栞子らしい強さを秘めた表情が魅力的でしたし、アップテンポな曲に合わせたダンスも歌も良くできていて、当初メンバーの9人とのステージ経験の差を感じさせないパフォーマンスでとてもかっこ良かったです。小泉さん本人は差をかなり気にしているのではないかと思いますが、他のメンバーの背中を追っているのではなく同じ場所に立っているとMCで声がかけられた通りではないでしょうか。小泉さんの参加は既存メンバーにとってもいい刺激となると思います。途中参入という形になったとはいえ、同じニジガクの仲間やライバルとして互いを高め合って、さらに成長した姿を見せてくれる日を楽しみにしています。

1-1 未来ハーモニー / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
1-19,2-1,2-En1 TOKIMEKI Runners / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
2-18 Love U my friends / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
1-En10,2-19 Just Believe!!! / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 ニジガクの全体楽曲としては2日間で全ての楽曲が披露されました。やはり全体楽曲はいいですね…4曲どのステージもとても魅力的でした。
 1日目のみの披露となった『未来ハーモニー』の新たなスタート感は、これから始まるライブへの気持ちが高まるものでした。今までとは違う衣装や紡がれるハーモニーがまた素敵で、ニジガクの新たな魅力を感じることができましたね。ただこの曲はPVがショートバージョンなのがもったいなくて…。記念すべきアニメ版での初全体曲ですから、PVはフルで欲しかったというのが正直な気持ちです。ラブライブ!におけるライブパフォーマンスといえば、最大の特徴はPVとシンクロしたキャストのパフォーマンスなわけで、せっかくの全体曲でそれが活かされないのは個人的に寂しく感じてしまいます。でもステージとしてはとても良かったですよ。
 そして大事な最初の楽曲『TOKIMEKI Runners』は、今回すべてスクスタメインストーリー17章の栞子加入後バージョンで披露されました。個人的にこの曲が本当に大好きで、その歌詞はまさしくニジガクの姿にふさわしいと感じています。だからこそライブのたびにTOKIMEKI Runnersの姿に心を打たれていて、今回のライブ感想の記事タイトルにも入れています。披露する機会が最も多い曲だけにその成長が感じられるステージで、また今後の披露が楽しみです。
 今回驚きがあったのは2ndアルバムの表題曲である『Love U my friends』。栞子の加入の都合上なかなか披露するタイミングがない楽曲になってしまうかと思っていたのですが、栞子の衣装も用意して10人で披露してくれたことはとても嬉しかったです。
 そして最後に、3rdアルバムの表題曲『Just Believe!!!』はスペシャルステージでの披露となりました。自由に動ける分10人の仲の良さがよく出ていて、観ているだけでその楽しさがとても伝わるものでした。MCでも仲が良いからこその話が色々と出ていましたが、そこがニジガクの大きな魅力だと常々感じています。ソロでの活動が中心であっても、その仲の良さがあるからこそ成長し合えているのだなと感じられる…そんなライブでした。


 ライブ自体の感想としては以上です。キャストによっては厳しいことも書いてしまいましたが、それぞれの魅力をしっかりと見つめ、そこはしっかりと褒めるように書いたのはFirst Liveの感想と同じようにしたつもりです。村上さんのステージの感想で触れましたが、今回のライブは感情で盛り上がるのではなく理性で観るようにしていたので、そのような中でも魅力をしっかりと感じ取ることができたのは、ニジガクが成長したからこそなのだと思います。キャスト以外で言えば、無観客生配信ライブという中でもARなど様々な工夫がされていて、それでさらに楽しむことができたのも今回のライブの良かった点です。
 だがしかし。最後に申し訳ありませんが、ちょっとここからはプロジェクトに対しての苦言を呈させてください。ここまでの感想にも書いた通り、ニジガクのキャストはすごく頑張っていることを感じていて、辛口な評価をしたキャスト含め全員成長しています。これは間違いありません。それ故に、成長してくれるキャストにプロジェクト側が甘えていませんか?ということをどうしても感じてしまうのです。ソロ楽曲が分かりやすいのですが、いずれの当初メンバーも多少の雰囲気の変わりようはあれど、3曲とも概ね同じタイプの楽曲になっています。ニジガクはメンバーに「○○系スクールアイドル」という属性がついているうえ、ストーリーに絡んだ楽曲ともなればそうなってしまうのは仕方ない部分もありますが、メンバーやキャストが最も魅力を発揮できるソロ楽曲が同じ方向ばかり向いているとどうなるか。一面的な魅力ばかりが見えることになります。もちろんそれぞれの強みはありますからそれが必ずしも悪いとは言いませんし、それぞれの成長が感じられるのも良い点です。ですが、メンバーやキャストの意外な一面や新たな魅力を見せて広げてほしいわけです。ユニット楽曲ではそれができていたからこそステージの評価もより高かったのですが、ソロ楽曲はキャストの成長頼みになっている気がしてすごく引っかかりました。今回のライブのアンケートには、「ソロ楽曲はアルバムではなくてメンバーごとのシングルにして、カップリング曲などでストーリーに縛られない意外性を出してもいいのでは」といった提案を3回とも書きました。必ずしもそれが正解というわけではないと思いますが、何かしらそれぞれの新たな魅力を広げてくれるような展開が欲しいということを強く感じています。キャストに素晴らしい方たちがそろっているからこそ。
 とまあ偉そうに色々と書いてしまいましたが、まもなくTVアニメも放送開始となりますから、さらなるニジガクの展開を楽しみにしていますし、10人となったTOKIMEKI Runnersをこれからも応援しています。3rdステージではさらに成長した彼女たちに直接会うことのできるよう願って。


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