アレクシエーヴィチの声明文(9/9/2020)

ベラルーシ・PENセンターのウェブサイトに掲載されたスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの声明文。

[9/13追記]日本ペンクラブHPにも翻訳(おそらく沼野充義さんによる)と日本ペンの声明が掲載されました。合わせてご覧ください。→https://japanpen.or.jp/berarus/

私と考えを同じくする「調整評議会」の友人で、無事に残った人はもう誰もいません。みんな刑務所にいるか、あるいは国外に放り出されています。今日、最後に残ったマクシム・ズナークが捕まりました。

まず私たちから国が盗まれ、今度は私たちのうち最良の人たちが盗まれています。しかし、私たちの仲間から引き離された人たちと引き換えに、何百という別の人たちがやって来てくれるでしょう。蜂起したのは「調整評議会」ではない。国が蜂起したのです。いつも言っていることを繰り返し言いたい。私たちは政変を準備していたのではありません。私たちの国の中で、分裂を起こさせるまいとしたのです。社会の中で対話が始まることを、私たちは望んでいました。ルカシェンコは街頭(ストリート)とは話をしないと言いますが、その街頭とは、毎日曜日、そして毎日、街頭に出る何十万もの人々のことなのです。これは街頭などではない。これが民衆なのです。

人びとは、小さな子どもたちと一緒に街に出ています。自分たちが勝つ、と信じているからです。

それから、ロシアのインテリたちに呼びかけたい。昔の慣習どおり、そう呼ぶことにしましょう。どうして黙っているのですか? 私たちの耳には、ごく稀にしか支援の声が届いてきません。どうして黙っているのですか、小さな、誇り高い民衆が踏みにじられているのをその目で見ているのでしょう? 私たちは、まだあなたたちの兄弟です。

自分の民衆にはこう言いたい。愛しています、と。あなたたちを誇りに思います、と。

ほら、また知らない誰かがドアのベルを鳴らす……。

[指摘をいただき、9/10 8時に一部修正しました。голый→гордый、пришли→придутなど。]

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