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コロナ渦中でもサステナビリティに取り組んだイギリス企業

前回の記事「コロナ後の新世界はどうなる?マーケティング予想(その2 サステナビリティへの取り組み)」では、今後ますます、「サステナビリティ」への配慮が欠かせなくなるだろうというお話しをしました。

弊社のオフィスがあるイギリスでは、コロナウィルス渦中でもなんとかサステナビリティに取り組もうとする人々や企業が多く見られました。

コロナウィルス渦中の「サステナビリティ」への配慮

昨年のアンケート調査では、イギリスの74%の消費者が簡素なパッケージのものを選ぶと回答しました。

しかし、コロナウィルスの感染拡大により、衛生上の理由からどうしてもプラスチック製の梱包が必要となる場面が増えました。

しかし、イギリスの消費者のサステナビリティへの意識は依然として衰えていないようです。

今年5月のDeloitteの調査では、消費者の47%が環境に配慮しているブランドを選択し、YouGov の調査では67%がCO2ラベルの表記の内容を確認してから商品を購入すると回答しました。

イギリス企業のサステナビリティな取り組み

コロナウィルス渦中には、多くのアパレルメーカーが工場へのオーダーをキャンセルし、既に生産済の行き場を無くした在庫が、廃棄処分になりつつありました。

衣類ゴミはリサイクル率が低く、通常時でさえも多くのCO2を排出することが問題となっています。

また、注文がキャンセルとなれば、工場側も従業員に給料を支払うことが出来ません。

多くのアパレル工場があるバングラデシュでは、アパレル製品の生産が主な国の産業であるとも言えます。

コロナウィルスの影響で、100万人以上の労働者が職を失ったり、給料が支払われなかったりという状況に置かれました。

季節はずれの福袋?

イギリスでは、行き場を失った在庫「ロストストック」を流通させ、さらに工場の労働者へ売り上げを還元するというサービスが話題を呼んでいます。

このサービスは始めた「Mallzee」は、まるで出会い系アプリのTinderのようにショッピングを楽しむということをコンセプトにしています。

新しいサービスその名も「ロストストック」では、注文する前にまずは買い手が趣味趣向についての質問に答えます。

質問に答えて注文すると、6~8週間後に3着以上の商品が入ったボックスが届けられます。

廃棄される予定の商品を福袋のような形式で流通させることにしたのです。

倍以上の価格で販売される予定だったものを1箱£35(約4500円)で購入できるため、サービス開始直後には6万個の注文が入ったのだそうです。

イギリスでも、誰もが経済的に苦しい時期であったとはいえ、たった£35のボックスを1つ購入することで、生産地の家族1週間の生活を支援できるなら、購入したいと考える消費者が多いようです。

サステナビリティなブランドとは

日本ではまだあまり馴染みのないサステナビリティではありますが、今後スタンダードな考え方となっていくことでしょう。

したがって、サステナビリティな取り組みに消極的な企業は、消費者に支持されなくなっていきます。

今後も消費者に支持されていくためには、企業側が正しい認識を持っている必要があります。

この正しい認識というのが大変曖昧で難しい部分であるとも言えます。

たとえば、消費者が買い物に出かけるのと、オンラインで買い物をするのはどちらが環境に配慮しているか考えた場合、どちらがCO2の排出量が少ないでしょうか。

公共交通機関を使って出かけても、配送されてくる過程でも、CO2を排出します。

これを解決する一つの答えとして、地元で作られているものを徒歩や自転車で買いに行くものがあるかもしれません。

いわゆる地産地消ですが、農作物に限らず様々な製品に対しで同じことがいえます。

地元で作られている質の良いものを購入し、長く大切に使うこともサステナビリティへと繋がります。

この答えには何の問題もないように思えます。

しかし、地元のものしか消費されないようになれば、海外への輸出製品の製造で生計を立てていた工場のワーカーが職を失うかもしれません。

このようにサステナビリティは、様々な観点から総合的に考える必要があるといえそうです。

企業やブランドとして方向性を明確に

企業やブランドとして、どのようにサステナビリティへ貢献していくかを明確に示さない限り、消費者は戸惑ってしまいます。

日本人の習慣の一つとして、自分がしている良いことを自分で宣伝するのは恥ずかしいと思えるかもしれませんが、「このようなサステナビリティへの取り組みをしています」と自ら説明していくことが、消費者に好まれるブランドとなる鍵です。

弊社は海外進出やインバウンド事業のサポート会社ですが、ブランディングも手掛けています。

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