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推しの言葉を理解したいので韓国語を勉強します③パッチム

K-POPアイドルの推しができたので韓国語を勉強するおたくのドキュメンタリー。第3回は、私の周辺の韓国語学習者を苦しめているパッチムを学びます。記事にしてみたところ、なかなかボリューミーな内容になってしまったので、パッチムに関しては2回に分けてまとめていきます。

※当ブログは詳しい語学の解説を目的としたものではありません。筆者が韓国語を勉強していく過程の記録で、内容としては、学んだことのメモや感想が中心になります。読んでくださった方のタメになるというより、四苦八苦しながら韓国語を学んでいる同志と困難を共有する内容に出来ればいいなくらいに思っています。

使用しているテキストはこちら。
(記事内で使用している画像は筆者が独自作成したもので、テキスト記載の内容とは異なります)

パッチムとは

パッチムざっくり図解。ちなみに右のハングルは「キム・ヨナ」の「キム」。

ハングルは母音字と子音字の組み合わせで文字が構成されているということで、前回までに母音字と子音字を学んできました。文字の構成を二つに分けた時、左側/上側に来るのが子音字、右側/下側に来るのが母音字でしたね。上の図の黒い部分にあたります。

しかし、ハングルの一文字の構成要素は2つだけとは限りません。同図のように、子音字+母音字の組み合わせの下部に更に子音字が付くパターンがあり、これがパッチムと呼ばれるものです。

「ん」系

パッチムで表現される音は、ざっくり分けると「ん」と「っ」の2種類だそうです。
まずは「ん」の発音。日本語ではすべて「ん」で表現されますが、韓国語では「ん」の発音の仕方によって区別がなされます。

「ん」系パッチム

テキストにも挙げられている「ん」の例を見ながら、発音の違いを確認しましょう。日本語では「ん」の次に発音する音に応じて発音が変化するので、テキストではそれに例えて説明されています。

  • か"ん"こく→ㅇ(ng)
    まずㅇ(ng)は舌の付け根で喉を閉じて発する音です。「か"ん"こく」のように、舌の付け根を喉につけて発音する音が次に続くときを想像するとわかりやすいです。

  • か"ん"とう→ㄴ(n)
    次にㄴ(n)は「か"ん"とう」のように、前歯の裏に舌の先を付けて口内に蓋をするイメージです。次の音が"t"のように前歯の裏に舌を付ける音だと、この音になりますね。

  • が"ん"ばる→ㅁ(m)
    ㅁ(m)は英語の"m"と同様に唇を閉じた音です。英語では、後ろに続く子音が"p"や"b"の際に、直前の「ん」は"m"になりますよね(ensemble、emptyなど)

ここで注意することがあります!
日本語や英語の場合「ん」の発音や表記は、後に続く音の発音方法に依存しますが、韓国語の場合はその限りではないのだそうです。

たとえば、「韓国」を意味する"한국"は、2文字目の子音字ㄱは舌の付け根を喉につける音ですが、1文字目下部のパッチムㄴは舌の先で口内に蓋をする音です。1文字目のパッチムを後ろの音に合わせて発音しようとすると、ㅇの音になってしまいませんか?正しい舌の動きを、あえて極端なカタカナルビで表現するとすれば「ハヌグッ」というイメージでしょうか。

最初にも書きましたが、日本語には「ん」の区別が無い上に、発音の方法も後続の音に依存するので、正直日本人は「ん」の時の舌の位置なんてほとんど気にしたことがないと思います。これが、日本人の韓国語学習者にとってパッチムが鬼門たる由縁のようです。文字にすれば一目瞭然ですが、リスニング、ましてやスピーキングになるとかなり厄介ですね…今まで意識したことがなかった微妙な違いで、全く別の単語を発音してしまう可能性があるのです。日本語ってファジーな言語だったんだな…

「っ」系

ざっくり分けた2種類のうちもうひとつは「っ」系です。

「っ」系パッチム

こちらも同様に、テキスト内で紹介されている日本語の単語の例を見てみましょう。

  • や"っ"かい→ㄱ(kk)
    上記ㅇ(ng)と同じく舌の付け根で喉を閉じて音を詰まらせます

  • や"っ"たー→ㄷ(tt)
    ㄴ(n)と同様、前歯の裏に舌を付けて音を詰まらせます。

  • や"っ"ぱり→ㅂ(pp)
    こちらもㅁ(m)と同様に、唇を閉じることで音を詰まらせます。

  • か"っ"ら!→ㄹ(ll)
    後続の「ら」の発音に備え、舌の先を上あごに触れさせる時の音です。日本語ではなかなか使わない音ですが、「かっら!」や「チャーリー・カレッロ」を連呼すると、確かに韓国語で聴いたことのある音が聞こえてきます。ちなみに「チャーリー・カレッロ」は、私がとても好きなミュージカル作品に名前だけ出てくるアメリカの指揮者です。

注意点:子音のみ発音すること

ここで、「っ」系にも「ん」系にも共通する注意点があります。ズバリ母音を付けて読まないこと。

例えば、地名の江南を意味する"강남"は、日本語では「カンナム」と読むのでつい"kann namu"と発音したくなりますが、남のパッチムㅁは母音を伴わないので、カタカナルビを振るなら「カンナン」のようになります。

日本語は一文字一文字が子音+母音の組み合わせで発音されるため、子音のみで発音されることがほぼありません。これはカタカナ英語に顕著に表れています。英語の"milk"には母音は"i"しかなく"l"と"k"は子音のみ発音されますが、日本語にすると「ミルク(mi ru ku)」となりすべてに母音を付けて発音されます。
一方韓国語は子音と母音を分けて考えるため、パッチムのように子音のみ発音する音が存在します。英語の"kingdom"は日本語では「キングダム」と読みますが、韓国語では"킹덤"となります。なんだこのあまりにも正確な英語の再現率は…!

「ん」系のみならず、「っ」系も同様です。先ほど例に出た"한국"「韓国」の2文字目のパッチムは"k"で、英語の"desk"を「デスク」と読む日本語のセオリーでいくと「ハングク」と読みたくなってしまいますが、パッチムㄱは母音を伴わないので「ハングッ」になるわけです。

韓国の方は英語の発音が上手なイメージがありますが、その理由にパッチムがあるのかもしれません。それにしても日本語、ファジーすぎる…このカタカナ英語のクセの強さのせいで、どれほど英語学習で苦労することか…

余談ですが、英語が得意なとある知人は、自分の子供にカタカナ英語癖を付けさせないように「リンゴは英語で『あぽー』だよ」というように英語読みを教え身につけさせていたのですが、小学校に上がった途端「アップル」と言いはじめ直らなくなってしまい、日本の英語教育に絶望したそうです。教育って恐ろしい…それにしても、appleを最初に「アップル」って読んだ奴、クセ強すぎるな。

日本語に無い概念のため、説明が多くなってしまいました…これらに加え、二重パッチムというパッチムが二つになるパターンもあり、そこまでまとめる予定でしたが、それは次回にしようと思います。

雑談

ここからは勉強内容とは無関係ですが、近況をば(笑)

昨日インスタを見ていたら、日本人の女優さんが韓国語で投稿していたので、試しに翻訳も辞書も使わずに読んでみました。読めたし理解できた…!たった4行だけど!(笑)
ただしこれは日本人が書いた(もしくは翻訳した?)韓国語で、文がわかりやすく単語も簡単だったため、読みやすかったのでしょう。推しが書く文章はまだ部分部分しか解読できません(笑)とはいえ、ちゃんと完結した文章を書いてくれれば「今日は、○○で、○○しました」のような文章構造は見えてくるようになってきました。わかることが増えると勉強は一層楽しくなるものですよね。引き続き頑張ります!

コメントやスキもいただき、ありがとうございます!推し活のために韓国語を勉強している同志からの反応は、特に励みになります。一緒に頑張りましょう!アンニョン✋


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