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2024年3月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム


今月は先月と比べて本数は増えてますが2本ほどネタ的なものが混じっていてこの記事が扱うような位置づけのゲームは不作な方かなと思います。また爆発的ヒットになりそうなものも見当たらないですね。検討中の段階では他に2本あったのですが体験版を触ってみると第一印象と違ったり、ごく序盤しか遊べずゲーム内容も期待度もよくわかりませんでした。
現時点での印象としては若干小粒感、コンテンツ量に不安はあるものの一番安心して買えそうなのはBreachwayかなと。
大穴としてはOutpost: Infinity Siege、これがトレイラー通りの内容であればSteamの同時接続数で10万、20万とかも狙えそうですが中国のゲーム事情は正直よくわからず、判断がつきません…。

Classified: France '44

  • 3月6日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (ターンベース、XCOM系)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

第二次世界大戦のヨーロッパ、西部戦線でナチスドイツによって占領されたフランスに送り込まれた潜入部隊ジェドバラを指揮し、現地のレジスタンス等とも協力しながら占領軍であるドイツ軍への妨害工作を繰り広げていくゲームです。

XCOM系ゲームとしての特徴としては

  • キャラ作成はなし、予め用意されたキャラを使う

  • キャラクターの死亡もなし、戦闘不能になっても
    その任務より退避し負傷などの状態異常が発生するのみ

  • 潜入ミッション、隠密行動での敵の排除もあり

  • 行動ポイントは移動、行動に分かれておらず標準で12のAPがあり
    その範囲内で行動する。ただし攻撃など一部行動は実行すると行動終了

  • 体力以外に士気の要素があり、敵の士気を削ることで制圧ができる

フランスは全10の地区に分かれ、それぞれいくつかの作戦がマップに表示されます。プレイヤーはそのうち1つを選んで遂行、その成否に関わらず日数は進んで約2ヶ月ほど経つとノルマンディーへの上陸を目標としたオーバーロード作戦が開始されます。それまでにどれだけフランスに駐留するドイツ軍を弱体化させることができるか、上陸作戦の成功のために必要な情報を手に入れたり準備を整えることができるかというのが腕の見せ所です。開発者が掲示板で回答しているところによると1回のプレイで大体30~35時間くらいだとか。しかし開発者が語るプレイ時間いうのは実際にプレイしてみるとそれより早く終わることが多いのでその点はご留意ください。

各地域にはそれぞれ固有のボーナスがあり解放することで経験値獲得量の増加などの恩恵が得られます。
隊員候補は8人くらいいるようですが
1回の作戦に参加できるのは4人まで、
また1回のプレイで全員仲間にはならないようです。
残りのメンバーは休んで負傷や疲労を回復させたり
訓練(経験値獲得)や他勢力の連携などの
「特務」と呼ばれるタスクを遂行可能です。

ミッションには襲撃、奇襲、ステルスの3種類があります。
襲撃は最初から交戦状態で敵はこちらへ向かってきます。奇襲、ステルスでは敵の検知範囲に入らないように移動していくことでこっそり目標物を回収したり爆破したり敵を排除したりすることが可能です。ステルス任務は最後まで隠れたまま作戦を終了することができますが、奇襲任務の場合は排除できる敵の数の上限が決まっていて、その制限に到達すると交戦状態に入ります。その際奇襲ターンというプレイヤーだけが行動できるボーナスターンが発生します。

赤いマスに入ると敵に見つかりますが
その前に警告が出て行動を中断可能です。
奇襲ミッションでもいきなりぶっ放す、敵から気づかれた等の場合は
奇襲ターンは発生しません。

戦闘で特徴的な要素としては敵味方の各キャラクターには体力以外に士気のパラメータがあり、攻撃を受けるとたとえ命中しなかったとしてもこの士気は低下します。士気が半分以下になるとAP半減、命中率低下などのペナルティが発生し、さらに0になると1ターン行動不能になります。
そのため遮蔽物に隠れていればいくら敵に狙われても平気ということはありませんし、こちらからも制圧射撃で敵を身動きできない状態にしてから接近戦を得意とする兵士を突撃させるといった戦術が可能となります。

戦場には治療キットや重機関銃などのインタラクト可能なオブジェクトがあり、これらを活用することで有利に戦いを進めることができます。

重機関銃は非常に広い範囲を攻撃することができ
敵集団の士気を大きく削ることができます。

戦闘関連で一番魅力的だったのが武器の個性ですね。武器種ごとの個性としてはまず攻撃手段に照準射撃と腰撃ちの2種類があり武器種ごとにどちらか片方のみ使えるようになっています。照準射撃は実行に6 AP、つまり1ターンで使用可能なAPの半分を必要としますが基礎命中率が高いです。腰撃ちは1 APで実行できますが基礎命中率が低く近くの敵に対しては問題ありませんが遠くの敵には当てにくいです。攻撃は残りAPの量に関わらず行動終了なので6倍撃てるというわけではないのですが、攻撃前にどれだけ移動やアビリティの使用ができるかという柔軟性の面で腰撃ち武器は優れています。

各キャラクターにはクラスが設定されており
クラスごとに使える武器種が決まっています。
またスキルツリーもあります。
レベル1ごとに1ポイント獲得でき、特務で振り直しも可能です。
名前は変更不能ですが二つ名("ジョッキー"の部分)は変更可能、
また服装も国籍、性別による制限はあるものの
カスタマイズが可能です。

もう1つの武器種の特徴としては射撃は狙った敵だけでなくその経路や周辺にも弾が飛び、ダメージを与えます。この巻き添えダメージの発生率が武器種によって大きく違い、狙撃用ライフルは発生せず、騎兵銃(カービン)はそこそこ、SMGとショットガンはほぼ確実に発生します。弾をばらまくタイプの武器は自身と敵の位置をうまく調整することで1回の攻撃で複数の敵を倒したり制圧状態にすることができます。

ショットガンの巻き添えダメージ発生率は90%
高い火力で攻撃範囲に収めた敵複数を一網打尽にできます。

この巻き添えダメージは範囲内にいる味方にも当たりますし、敵の攻撃でも発生します。他に隠れる場所がないからと1つの遮蔽物の陰に皆で隠れているとLMGの一斉射でまとめて制圧状態にされてしまったりということも起こります。

このゲームの難点としては…翻訳にちょっとやりすぎな部分があります。ジェドバラはアメリカ、イギリス、カナダ、フランス人などからなる多国籍部隊なのですがイントネーションの違いを表現したかったのかアメリカ英語だけ標準語、イギリス人は関西弁、カナダ人は東北弁、オーストラリア人は広島弁で話します。しかし最初は物珍しさで面白く見えたとしても雰囲気は損なわれてますし、キャラの設定ともあってません。全ての人が気にするわけではないでしょうが、私はプレイ時間が長くなってきたらこのノリはきつくなってきそうだなと感じました。

ブリーフィングの文章もくどいだけのような…

単なる模倣作ではなく武器の個性や制圧の要素などなかなか魅力的な独自の要素を持つ作品でXCOM系好きな人にはなかなかの有望作と言えるでしょう。方言は…どこが翻訳を担当しているのか知りませんがこれ開発元に許可とった上でやっているんですかね?

Hairdresser Simulator

  • 3月6日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: お仕事体験シミュレーター

  • 日本語あり

美容室のお仕事体験シミュレーターです。最初にお断りしておきますがゲームとして楽しめる作品を求めているのであれば飛ばしてください(次もお仕事体験シミュレーターですけど)。

大まかな流れとしてはこの種類のゲームでおなじみ、半ば廃墟と化した店舗でゴミを片付け床や壁をきれいにして必要な設備を設置、自分の店をオープンします。毎日来店予定の客がリストに並ぶのでスケジュール表に配置して来店を待ちます。客がきたらそのリクエストに応じて各種作業を行います。洗髪、乾燥、ブラシかけ、カット、染色、髭剃りなどができます。ゆくゆくは従業員を雇ったりより大きな店舗に引っ越したりと店舗系お仕事体験シミュレーターではよくある要素も用意されているようです。

ぶっちゃけ珍しい題材ではあるものの特にシミュレーターとしてそれほど目を引く点はないのですが…去年10月のSteam Next Festで公開された体験版のプレイ動画を見ると髭剃りにきた客を勢い余って落ち武者ヘアーにしたり染色で無茶苦茶な色使いにしたりと割りとカオスなことができるゲームらしいです。同タイプのゲームの他作品と比べて、配信受けするゲームではないかと思います。

ちょっと面白い要素としては自分のキャラを作成する時、写真を取り込んで貼り付けることができます。ただしさすがにまんま自分の顔のキャラでプレイできるわけではなく、一部の特徴が反映されるくらいだと思いますが。


Taxi Life: A City Driving Simulator

  • 3月8日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: お仕事体験シミュレーター

  • 日本語あり

タクシーの運転手としてリアルに再現された(?)スペイン、バルセロナの町で車を走らせ、お客さんを拾って目的地まで稼いでお金を稼いでいくお仕事体験系シミュレーターです。乗客輸送ものとしてはバスの運転手のゲームは色々あるのですがタクシーは珍しいかもと思って取り上げてみました。

ストアページで謳われている売りとしては

  • ハンドリングに影響を与える天候要素

  • 事故やイベントなどで発生する交通渋滞の要素

  • レベルアップを加速させるランドマーク探索

  • 勤務して稼いだ金で新たな車両に乗り換え

  • 社員を雇い時間、勤務地を指定、一運転手から経営者に

となかなか魅力的な文句が並んでますがお仕事体験系シミュレーターはこうした宣伝と実内容が乖離していることが結構あるので過剰な期待は禁物でしょう。ただこのゲームはたくさんあるセルフパブリッシングのインディーゲームではなくフランスの準大手パブリッシャーのNaconからの発売ですから完全な出オチということもないと思います。ただ開発元は2022年に鉄道の運転手のTrain Lifeというのを出していてこちらはSteamでのレビューが賛否両論(68%が好評)という状態なので…まあ車の運転が好き、タクシー運転手という題材に興味があるのであれば値段次第(前作のTrain Lifeは2050円というお手頃価格)ではありではないでしょうか。

BORE BLASTERS

  • 3月8日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (2Dシューティング)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

小型飛行メカに乗って武器を発射、地面を掘り進み最深部の宝を目指す全方位移動、射撃可能な2Dシューティングです。地面を掘るところは他のゲームと同じでそれぞれ耐久力が異なる複数の材質の土、岩がありその中に銅、銀、金色の鉱石が混じっています。それを破壊して飛び散った破片を回収することで後に恒久的なアップグレードに使える資金が手に入り、また同時にそのステージでのみ有効なアップグレードの獲得のためのバーが溜まっていきます。バーが一杯になると3つのアップグレード候補が表示されそのうち1つを選ぶことができます。しかしこれはそのステージを終了した時点で効果は消えてしまいます。

ステージの一番下、地中の最深部にはやたら大きな宝箱がありそれを回収することでクリアとなりますがそれまでに土、岩、そしてたまに出現する敵にぶつかるとライフを1つ喪失、全てのライフを失うと失敗です。また飛行メカには残りの燃料があり、開始時より徐々に減っていきます。これが底をついても失敗となります。燃料は地中に埋まっている燃料缶を拾うことで少し補充が可能です。

ステージ中にクエストの要素があり、目的である宝箱の回収以外に「このタイプの岩をX個破壊せよ」「散逸した機械の部品を集めろ」などの内容となっており、これを達成することで購入可能なアップグレードの種類が増えていくようです。

ステージを終了するとそれまでに稼いだ資金でアップグレードが購入できます。これはステージ中に獲得したものと違って効果は以後ずっと残ります。途中で死んでも失われたりはしません。またここでできるアップグレードのラインナップの多くはステージ中に獲得できる一時的なものと同じで、例えば予め恒久的な攻撃力アップを1回購入、その後ステージで2回獲得して計3段階の強化なんてことも可能です。

ゲーム内容は非常にシンプル、行動可能時間の制限もあり1ステージ3~4分くらいで終わりサクサクプレイしていくことができます。最初はこれ死ぬ要素ある?というような難易度ですがステージのバイオームによっては一度壊した植物の壁が再成長して迫ってきたり、最深部まで進むと暗くて正面以外の方向の敵が見えづらかったりと難易度は上がってくるようです。

とりあえずこのゲームについてもし興味があれば体験版をプレイしてみることをお勧めします。その内容がほぼ全て、あとは敵やバイオームのギミックなどが追加されていくだけだと思いますので。体験版では使用できるメカ(パイロット?)は1種類だけですが、製品版は固有のアビリティを持つメカが複数用意されていてその中から選べるようです。
体験版にも日本語は入っていますのでその面でも安心してプレイできます。

Crown Wars: The Black Prince

  • 3月15日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ターンベースストラテジー (戦術、XCOM系)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

百年戦争の頃のフランスを舞台としたXCOM系ゲームです。物語は1356年のポワティエの戦いから始まります。この戦いでフランスは国王ジャン2世がイギリス軍の捕虜になるほどの大敗を喫し国内は動揺、その混乱のさなかで謎の集団が活動を開始しプレイヤーが率いる部隊がそれに立ち向かうというお話です。

ストアページの言語欄を見ると日本語なしになっていますが説明文は日本語(ただしSteamでは開発、販売元による公式訳以外にボランティアで訳す制度があるはず)、画像形式の説明も日本語になっているあたり、多分国内のどこかの会社から家庭用ゲーム機向けに日本語版が出る予定になっている、しかしまだ公式発表はできない段階…ということだと思われます。

プレイヤーは封建領主の一族に産まれるも戦乱で没落、領地も失って放浪しているところで実在の人物であるニコラス・フラメルから声をかけられ、フランス国内に新たな領地を手に入れます。そしてそこを根拠地として国内各地で発生する任務に部隊を送り出します。勝利すると話が進むとともに資金、石、鉄などの資源が手に入り、それを使って領地や部隊を強化していくことができます。これを繰り返してより困難な任務へ挑んでいくというのが大まかな流れになります。

戦闘は基本的にはXCOMなんですが特徴としては

  • ランダム作成のキャラクターあり

  • パーマデスあり

  • 各ユニットは各ターン移動1回、アクション2回が行える
    (アクションポイント消費で追加の移動も可能)

といった感じです。プレイヤーは領主なので戦闘には参加せず、配下の兵士たちが戦います。兵士の体力が戦闘中に0になるとその戦闘からは離脱、負傷状態となり以後戦闘には参加できません。この負傷は領地にある施設の礼拝堂で治療することができますが恒久的なデバフが残ります。このデバフが一定数(難易度によって変わる)たまるとその兵士は死亡します。

領地には兵舎、鍛冶屋などの施設があり、ここで今後の任務に備えて準備を整えることができます。兵舎で兵士の装備、アビリティを見直したり鍛冶屋で武器を強化したりですね。動画での説明によれば他に消費アイテムを生産できる研究所、捕虜を収容してパッシブボーナスを得たり身代金と交換できる監獄などがあるようです。これら施設の強化のためには資金、木、鉄などの資源が必要になりますが、これは任務成功時に報酬として与えられるほか、1ヶ月に1回税金も入ってきます。この税収入を増やす方法があるのかは体験版からはわかりませんでした。

体験版は序盤しか遊べないので
兵舎、鍛冶屋ぐらいしか試せません。

クラスは重装戦士や錬金術師など5つ(6つかも?)あり、それぞれ専用のアビリティと固有のパッシブ能力を持っています。面白いクラスとしてはペットを連れていけるBeastmaster(獣使い)、獣は攻撃重視の犬、タンクもできる熊の2種類がいて、本人も近接攻撃、射撃どちらもいけるという汎用性の高いクラスです。

各クラス2つの系統があり、レベルが1上がるごとに
どちらか片方の系統のアビリティを習得できます。

戦闘ではこのクラス固有のアビリティに加えて装備している武器の種類ごとに用意されたアクションも実行可能です。基本攻撃にも武器ごとに斧では相手に出血させる、槌では相手の装甲を削れるなどの特徴があり、また他に専用のコマンドも用意されています。クラスによる利用可能武器の制限は緩めで全体的には各キャラの性質をかなりカスタマイズできる方ですね。

兵舎で準備を整えたらフランス各地で発生する任務に部隊を送り出します。最初は4人1組ですが領土の本丸的な建物をアップグレードすると増やせるらしいです(画面デザイン的には最大6人?)。また複数の任務にそれぞれ別の部隊を送り出して同時に進行させるといったことも可能かと思われます。

戦闘そのものは固有のシステムはあまりなくて大体XCOMです。ただ時代的に銃は一般的ではないので近接戦闘の比重が高いですね。一応弓、クロスボウ、初期の銃は登場しますが多分敵味方とも戦闘員の半分から3分の2くらいは近接戦闘用の兵士になると思います。そのため監視射撃やカバーの要素自体はあるものの割りとそこらへん気にせず自由に動けるように感じました。

ではどこに頭を使えばいいのかというと、多分出血や昏倒とかの状態管理です。武器種ごとに対応する状態異常があり、それらを駆使して敵を弱体化、時には無力化していくことが重要かと思われます。ただぶっちゃけ難易度はともかく戦術性自体はライト寄りかなと感じました。

戦闘面の難点としては敵の詳しい情報が見られず特に初見のタイプの敵はどういった行動をしてくるのか、どう対応すればいいのかががわかりにくい、あと移動、攻撃対象の選択で若干操作性に難があり、体験版をプレイ中に誤操作が発生したり攻撃相手をクリックしたのに反応しなかったりという問題が何度か発生しました。特に操作キャラ切り替えではクリックで選ぼうとすると現在選択中のキャラがそこまで移動してしまうということが多いのでキーボードのTabキーで切り替える癖をつけた方がいいですね。戦闘中のセーブは可能ですがアンドゥ機能がないので誤操作の影響は大きめです。

先に紹介したClassified: France '44と比べると戦闘の個性は弱め、そのかわりランダム生成のキャラを使って自分の好きな部隊を編成できるのと領土管理で内政面も楽しめる点が売りでしょうか。あとは題材として中世ヨーロッパの近接戦闘と第2次世界大戦の銃器を用いた戦闘のどちらが好きか、それによっても評価は変わってくるものと思われます。

Lightyear Frontier

  • 3月20日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: サバイバルクラフト (農業)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

  • Game Passに登場予定 (Day 1)

地球で食い詰めたとある人物が巨大なロボットを持って辺境の未開拓の惑星へ向かい、そこを探索して農業ビジネスを開始するというゲームです。ジャンル的に既存のなかでこれがぴったりというものはなくて3Dのアクションアドベンチャー、クラフト、農業の3つを組み合わせた感じのゲームですね。

マップは複数の地域に分かれていますがプレイヤーが降下した地域以外は最初は未発見かつ謎の汚染に覆われていたり雑草が繁茂していたりとそのままでは使えない状態になっています。その原因を取り除くことで新たな地域の自然が戻り、新たな資源にアクセスできるようになってさらに高度な道具や建物が使えるようになります。それを繰り返して行動範囲を広げていくわけですね。

ロボットから降りて人間形態で動き回ることも可能なものの基本的にはずっとロボットに乗って探索、建設、農業などを行っていくようです。通常の農業ゲーでは斧やつるはし、くわなどの農具を使いますがこのゲームでは着脱可能なロボット用のアームという形で登場、鉱石を採掘、精錬することで一度に複数の種を蒔けるようにしたり畑に水をまくための放水器の容量を増やしたりという強化を行うおなじみの要素もあります。

農業ゲーな部分としては明確な1日のサイクルがあり、資源の再湧きや農作物の成長はプレイ時間ではなくゲーム内の日数が経過することで行われます。徹夜していても特にペナルティはないものの寝るための設備を作ってそこを利用することでバフが得られたりのメリットがあります。

見た目はなかなか雰囲気がよく期待できそうなのですが、体験版をプレイしてみたうえでの感触としては全体的にカジュアルな作りで多分サバイバルクラフトもの、あるいは農業ゲーのガチ勢からすると物足りない、中途半端に感じられるのではないかと思います。発売後のアップデート次第なところもありますが、早期アクセス開始直後の状態としては例えるならStardew Valleyを発売直後に買って3年目までプレイして満足してやめた、ぐらいの人ならありかと思いますがそれ以上を求めているのであれば少し様子を見たほうがいいかなと思いました。

Game Passに元々加入している人であれば追加コストなしで遊べますからそちらで試してみるには悪くないチョイスでもあると思います。ただGame PassというかMSストアはアップデート時のプラットフォーマー側の審査に時間がかかるらしくアップデートはSteamと比べると遅れがちで、細かいアップデートが短い間隔で出る早期アクセスのゲームを本格的にやるには向いていない点にはご留意ください。

Breachway

  • 3月22日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: デッキ構築

  • 日本語あり

  • 体験版あり

ローグライトのデッキ構築型ゲーム、要は自機が宇宙船のSlay the Spireですが作りとしては結構玄人向けな気がします。類似作品ではお約束となっている一部のルールがこのゲームでは変更されていて、そこが頭の使い所、このゲームならではの楽しい部分ともなるんですが人によってはしっくりこない、別にそれが楽しいと思わないし煩雑なだけと評価が分かれることになるかもしれません。

設定としてはソラリー、スターキン、放浪者、デッドウェイト(宇宙海賊)という4大勢力がしのぎを削るとある宙域で何種類かある宇宙船から1つを選び、マップ右上の目的地までたどり着くことが目的です。

船によって各勢力との友好度や
乗組員の顔ぶれも変わってきます。
乗組員は今のところ能力値とかは未実装っぽいですが
イベントの結果に影響を及ぼす特性は設定されています。

マップはおなじみ多数のノードが連結されたネットワーク図状のもので隣接しているノードから次の移動先を選びます。各ノードは4大勢力の支配下、または完全な中立状態にあり、そのノードを保有する勢力との友好度によって良いイベント、悪いイベントの発生率が変わってきます。

このゲーム独特の部分としては通常の線は目的地に向かって前進することしかできませんが、脇道的な黄色の線は好きな方向に移動することができます。これを活用することで後退しクネクネ進むことでより多くのノードを経由して目的地に向かうことができます。(少なくとも体験版では)特に時間制限のようなものはないので寄り道した方がイベントの機会は増え強化の可能性は高まります。ただしこの脇道を使っての移動には燃料が必要です。燃料は主にイベントで手に入りますがあまり余裕はないのでノードの所属勢力や種類を見てどこで使うかを考える必要があります。

クリアした際の進行経路です。
燃料を全て使って最大限寄り道してみました。
かなり強化できましたがクリアまで1時間ちょっとかかりました。

ただローグライトなゲームに対する国内の反応を見ると1回あたりのプレイ時間が長いのを嫌う(よく見る意見としては30分以上は長すぎるらしい)層もいるようなのでこの点も評価の分かれる点かもしれません。

途中で起こるイベントの多くは戦闘、それまで構築してきたデッキを使って敵と戦っていくことになります。自分と敵に交互に行動ターンが回ってきて補充されたポイントを使ってカードを切り、敵を攻撃したり防衛したり強化、妨害といった行動を行います。相手の耐久力を0以下にすると勝利です。基本的なルールで類似作品との違いとしては

  • ポイントがオードナンス(兵器)、エネルギー、マス(質量)の3系統ある

  • 使いきれなかったポイントは次ターンに持ち越される

  • ターン毎の各ポイントの増加量は戦闘中でも再割り当てが可能

  • 手札の数の上限は船員が割り当てられた装備の数

  • 手札も使わなかった分は持ち越される

  • 使用したカードはクールダウン状態となり、数ターン後に戻ってくる
    (捨て札に追加されて、山札がなくなると戻されるわけではない)

最大の特徴は使い切れなかったポイント、手札が持ち越されるということでしょう。例えば手札に「敵に3ダメージ」「現ターンの攻撃のダメージ+1」というカードがあるがポイントが足りず両方は出せないという状況になったとします。普通は3ダメージのカードを使ってターン終了ですがこのゲームでは手札もポイントも持ち越されるため敢えて何もせずにターン終了してポイントを溜めて次ターンに両方同時に出すことができるのです。もしかしたら攻撃カードがもう1枚追加されてさらに効果的に使えるかもしれません。
ただし手札の枚数には上限があり、毎ターンその数まで(山札にカードがある限り)補充されます。とりあえず使えそうだからと何でもかんでも残していたらかえって不利なるでしょう。どれを残し、どれを捨てるかもこのゲームならではの頭の使いどころの1つですね。

戦闘に勝利するとアイテムの購入や宇宙船の強化に使えるクレジットとカード1枚が手に入ります。

特定のノードで登場する精鋭(エリート)は
装備、耐久力ともに優れた強敵ですが
倒すといわゆるアーティファクト、レリック的な
補助装備を落とします。
このゲームではデッキは1個ではなく船の装備ごとに1個ずつあります。
新たに獲得できるカードも装備の種類によって決まっています。
(レーザー砲のデッキに「ミサイル発射」とかは出ない)
戦闘時には全デッキのカードが山札に入ります。

非戦闘中であればいつでもどこでも、手に入れたクレジット、装備を使って宇宙船の強化が行なえます。強化可能な宇宙船の能力としては1ターンあたりのポイント入手量と、各分野ごとに割り当てられる量の上限があります。船の種類にもよるでしょうが最初は入手量が6ポイント、割り当て量の上限は4なので3/1/2とか4/1/1という風な割り当てが可能です。
このポイント配分は戦闘中でも変更が可能です。1ポイント別の分野に動かすごとに熱が1増加、熱が宇宙船の許容値を超えるとオーバーヒートするリスクがありますが、積極的に活用すべき基本テクニックの1つです。

日本語表示だと文字が重なって見づらいのと
あとエネルギー(緑)とマス(青)の色が近すぎかなと。
戦闘中に表示されるカードの使用コストはアイコンが表示されず
色付きの数字だけなので咄嗟に見分けがつかないことがあります。

船の装備用スロットはそれぞれセットできる種類が決まっていて、例えば上の図は実弾兵器メインの船ですが兵器用スロットは全て通常の砲台のみでミサイル発射装置のスロットがなく、途中でミサイル兵器を手に入れても使えません。レリック、アーティファクト的な存在である補助装備はただ持っているだけでは使えず装備にセットする必要があるのですが、これも補助装備ごとにどの種類の装備にセットできるかが決まっています。不要な装備、補助装備は宇宙ステーションに立ち寄れば売却可能です。

デッキ構築型のゲームの中では癖、個性の強いほうだと思います。そこが私にとっては魅力でしたが、StSまんまのシステムを求めている人にはあわないでしょう。ボス戦まで丸々楽しめる体験版が配信されていますから、その点に不安がある方は購入前に試してみてください。体験版も日本語が入っていますが本編のイベントは英語のみです。ただイベントでの選択がそれほど重要ではないので読み飛ばしてもあまり問題にはならないはずです。

Millennia

  • 3月27日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (4X、歴史)

  • 日本語なし

人類の歴史を題材とした4Xゲームです。要はCivilizationみたいなゲームですね。特徴としてはゲームは古代から始まって近未来まで全10の時代に渡って続くわけですが同ジャンルの他の作品と違って時代の遷移に分岐があります。その時代の技術をいくつか研究すると次の時代へ進むことができるのですが、その際に特定の条件を満たすことで実際の歴史とは異なる派生時代へと進むこともでき、この派生時代はそれぞれ固有の技術、仕組みをもっています。
ただちょっと変わっているのが時代は文明ごとに1つではなく、ゲーム全体で1つです。いずれかの文明がどれか1つ選んで次の時代に入ると他の文明もその時代にしか進めなくなってしまいます。この点は体験版公開後、Steamの掲示板などでも変えてくれ、さもなければ買わないなど批判的な意見が結構出ているようでした。

4Xとしての特徴としては内政がなかなか凝っていること、複雑な分仕組みを理解するまでに時間がかかりますが、理解すると非常にやり甲斐のあるシステムとなっています。Civilization 4の都市の特化が楽しかった人にはお勧めの1本だと思います。

詳しいゲームの内容については以前体験版が公開されていたときにそれをプレイして確かめつつ書いた記事がありますので、歴史系4Xに興味がおありの方はこちらの記事をご覧ください。

Outpost: Infinity Siege

  • 3月27日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: FPS (基地建設、防衛)

  • 日本語あり

プレイヤーが1人の兵士としても戦うことのできる基地防衛ゲームです。このタイプのゲームとしてはSanctum、Orcs Must Die!シリーズなどがありますがこのゲームはおそらくEscape from Tarkovに代表される抽出型シューターのアイデアを盛り込んだものと思われます。

とりあえずまずこちらのトレイラーをご覧ください。

アクション、シューター好きな人であれば「こりゃ凄いや、面白そう!」と思ったのではないでしょうか。ただこのゲームの開発元、おそらく中国のごく小規模なインディーゲーム開発会社らしく本当にこれ作れるの?と心配になるんですよね。開発元のTeam Rangerは名前が一般的すぎて調べても情報が出てこないのですが、なんとなくパブリッシャーのLightning Games内の開発チームの1つじゃないかな?と思ってます。
これは中国ではなく台湾のケースですが、昨年7月に発売された学校経営ゲームのLet's SchoolもPathea Games社内で1人で開発していたのが有望そうだということで会社の正式な製品ということで発売されたという経緯もあります。
とりあえず同じ開発元から2021年に出たProject Morpheusというゲームのプロローグ版を試してみたのですがビジュアルは秀逸なもののゲームとしてはスタッフが作りたかったシーン、ゲームの一部を作って繋げてみた習作みたいな感じで評価しづらい内容でした。この前作が出た時点ではデザイナー、プログラマーそれぞれ1人という構成だったらしいです。現在何人に増えているかは不明ですが…。

というわけで正直このゲームについては蓋を開けてみないと何とも言えないところではあります。その点をご了承頂いた上で、ゲームの内容の説明に入りたいと思います。

プレイヤーはまず本拠地からキャラクターと装備を選択して出撃、危険な敵がひしめく未開の土地で周辺を探索して資源や装備、設計図などを拾い集めてミッション中の拠点となる前哨基地に持ち帰ります。敵は単に周辺を徘徊しているものだけでなく、一定間隔ごとに発生する襲撃イベントで前哨基地めがけて攻め込んでくるため、プレイヤーは基地に防衛用の砲塔を設置したり戦闘ユニットを生産してそれに備える必要があります。中にはプレイヤーが操縦可能な巨大な戦闘メカを作り出す設備などもあるようです。

この襲撃は回数を重ねる毎に戦力が強化され、やがて巨大、極めて強力なボスも登場します。そこでこれ以上は無理だと判断したら襲撃開始前に脱出用の船を呼び、集めたアイテムとともに脱出します。
回収の仕様ははっきりとはわかりませんが脱出に失敗するとそのミッションで回収したアイテムだけでなく持ち込んだキャラクター、装備も失われるっぽいです(キャラクターについては初期キャラだけはロストしない?)。

こうして何度もミッションを繰り返し、キャラクターをレベルアップさせてアビリティやアップグレードを購入、レアリティの高い装備を集めていき次回はさらに高難易度、長時間のミッションに挑むという流れですね。また前哨基地は毎回まっさらから築くのではなくミッション開始前に建設しておいてそれを持ち込むこともできるようです。これもミッションに持ち込む装備と同じで重武装の前哨基地を持ち込めば有利になるものの失敗したときのリスクが大きくなる仕掛けだと思われます。

ある意味3月の台風の目といいますが、仮にクラッシュ、かくつきなどの技術的問題、コンテンツ不足だったりしてもトレイラー通りまたはそれに近いゲームプレイができるのであればなかなか有望そうではありますが、実際にプレイしてみたら全然違うじゃないかという可能性も高そうです。とりあえず焦って買わず、せめて半日くらいは様子を見てレビューや実際のプレイ動画とかを見てから購入の判断をされることをお勧めします。

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