見出し画像

4Xゲーム Millennia体験版からゲーム内容について探ってみる


追記、更新

2024/02/12: 都市の設立可能範囲について修正

Millenniaは地球の歴史を題材とし、日本やドイツ、フランス、中国などいくつかある文明の中から1つ選んで古代から近未来までの10の時代を経て覇権を求めて探索、内政、外交、戦争に励むゲームです。ジャンルとしては4Xと呼ばれるものに属し、このジャンルの著名作品としては他にCivilizationシリーズ、Endless Space、Legend、Humankind、Age of Wonders、Gladius: Relics of Warなどがあります。

開発元はこれが処女作となるC Prompt Games、パブリッシャーはストラテジーゲームの雄であるParadoxです。C Prompt Gamesはアメリカのコロラド州センテニアルにあるインディーゲーム開発会社で元はEnsemble StudiosでAge of Empiresシリーズ、Halo Warsなどの開発に携わっていたイアン・M・フィッシャー、ロバート・フェルミエの両名が作った会社だそうな。

この記事では2024年2月のSteam Next Festで公開された体験版よりこのMillenniaの内容、特徴について紹介していきたいと思います。

文明とボーナス

どうもこのゲーム、文明固有のボーナスというのがないようです。ゲーム開始時に文明とボーナスをそれぞれ選べます。特定の文明でなければ選べないボーナスもなく、文明は単に表示上の差(文明および地域の名前、アイコン)ぐらいしかないっぽいですね。

一応文明ごとにデフォルトのボーナスはありますが
自由に変更可能です。

あとプレイヤーのデフォルト名をSteamのプロファイルからではなくPCの名前から取るようなので、動画配信したりスクリーンショットを掲載するときにPC名を公開したくなければカスタムゲームから開始して名前を変えましょう。ただし1ゲームごとに設定が必要です(ゲームを起動しっぱなしであれば残るかも?)

都市…もとい地域

他の4Xの多くと同様、文明は複数の都市からなりますが、実はこのゲームでは都市ではなく地域(Region)と呼ばれます。その中心にあるヘックスは地域首都(Region Capital)です。
初期状態では地域首都とのそれに隣接する6ヘックスが地域圏で、この範囲内で市民を働かせて食料、生産力、研究力などを得ることができます。

都市の生産画面です。
ここから次に生産するものを選択します。
Shiftを押しながらクリックすると次の生産物を選択できますが1個だけ
キューではないようです。

地域の出力

  • 食料: 人口の増減に影響

  • 生産: ユニット、建設物を作成する際に必要なターン数に影響

  • 影響力: 地域圏の拡大に影響

影響力の使われ方は他の4Xとはちょっと違います。
影響力は地域圏の拡大に使用されますが、Civilizationのように1ヘックスずつ購入していくのではなく、現在の地域圏に隣接する未所有ヘックス全てに等分されて使用されます。各ヘックスの地形、地域首都または小都市との距離ごとに必要なコストが変わり、使用された影響力がそのコストを上回ると地域圏に加えられます。

ヘックス取得の進捗はキーボードのPキーを押すと表示されます。
各ヘックスの下から緑色の部分が伸びていき
全て溜まるとそのヘックスが手に入ります

以下の産出は文明全体で合算され処理されます。

  • 研究力: 技術研究で完了までに必要なターン数に影響

  • 貨幣: 各種緊急生産や外交取引で使用

  • 文化: 文化アビリティの使用に必要

  • 改善ポイント: 土地改善の作成に使用

  • 各種ドメインXP: 政府、軍事、探索などのドメインXPに加算

ドメインはこのゲーム固有の要素でより分かりやすい言葉で言うなら分野でしょうか。詳しくは後の別項で説明しますが全6つ(?)あり、各分野で貯めた経験値(XP)を消費してアビリティを使用したりアップグレードを購入することができます。

改善ポイントはメイン画面左下に表示されているスコップのアイコンの数字でこれを使って所有済みタイルに畑、鉱山、牧草地などを作っていけます。

土地改善

Civilizationの畑、鉱山のようなものはMillenniaにもあります。配置することでそのヘックスの産出を強化したり、他ゲームで言うところの資源相当である物資が入手できたり、その物資をより高度な物資に変換することができます。

この矢印の出ているのが改善ポイントです。
ボタンになっていてこれを押すと
設置可能な土地改善が選べます。
可能な限り早く作りたいが
ポイントが溜まっても忘れそうで…という時は
作りたい土地改善のボタンをCtrl+クリックしましょう。
未行動のユニットありなどと同様に
ターン終了ボタンに通知が出ます。
これは土地改善だけでなく文化アビリティなども
事前予約が行なえます。
通知が出るだけで作成せず進めることも可能です。
技術の研究、時代の遷移、後述の国民精神により
作成可能な土地改善の種類は増えていきます。

地域の成長

地域には2つの成長の度合い、人口と地域レベル(Region Level)があります。

人口は地域圏内で働くことのできる市民の数で、地域の充足度が100%を超えていると増加、それ未満だと減少していきます。100%より高いほど(あるいは低いほど)増加、減少のペースは早くなります。

充足度は人口が1~5の間は食料だけですが
6以上になると新たに住居が追加されます。
食料と住居、2つの充足度の平均が地域の最終的な充足度です。
人口が11以上になるとさらに衛生状態というのも追加されます。

もう1つの地域レベル、これは初期値は1でその地域に建設可能な施設を左右します。時代1の建物は地域レベル1でも全て建てられますが、時代2で新たにアンロックされる建物の中には地域レベルが2以上でなければ建設できないものがあります。
地域レベルを上げる方法は2つあり、1つは地域内に都市を作ることです。ただし都市は初期状態では各地域1個までしか作れません。もう1つは食料備蓄(Food Stockpile)を建設することです。これは時代1で建設可能で食料産出を増やしつつ地域レベルも向上させてくれます。地域レベルはまた人口条件ともなっているようで、ある程度以上の人口に達するには地域レベルも必要となってきます。

地域の安定度

地域には安定度というか不安定(Unrest)レベルというのがあります。これは人口と所有する地域の数で増加し、いくつかの施設と駐留する軍によって減らすことができます。軍の中には戦闘能力は他のユニットと変わらない、むしろ弱いけれど不安定抑制(Unrest Suppression)が高い治安維持用のユニットもいたりするようです。

不安定レベルが増加し閾値を超えるとペナルティが発生します。
具体的には地域の全出力にマイナス補正がかかり、混沌ポイントが増加します。
この混沌ポイントについては詳しくは別項で説明しますが
要はこれが溜まることで有害なイベントが発生します。

不安定レベルの増加要因のうち人口は大きな影響はないです(少なくとも体験版で遊べる序盤では)。保有地域数の方はそこそこ影響が大きいです。Civ3で問題となり、それ以降の4Xゲームでは何らかの形で対策が導入されるようになった、ひたすら都市(地域)を増やしまくるプレイへの制限の1つですね。

市民の割り当て

都市画面の労働者(Workers)タブより市民を地域圏の各ヘックスに対して割り当てが可能です。ただ画面がちょっと変わっていて位置を指定するのではなくヘックスの種類(草原、森など)ごとに何人割り当てるか指定します。

各地形に割り当て可能な人数の上限は
地域圏内にあるその地形ヘックスの数です。
この例だと草原、森、水域がそれぞれ2ヘックスずつあるため
各地形に2人ずつ割り当てが可能です。
土地改善を作成すると
別の種類の地形として扱われます。

地形の種類ごとの人数指定は基本的には問題ないのですが次項の都市周辺の土地改善済のヘックスを優先したいという時などに若干問題になります。例えば森3ヘックスを伐採所に改善済み、うち2ヘックスだけが都市に隣接している場合に森に2人の市民を割り当てると、都市に隣接していない森に配置されてしまうことがあります。

都市の設立

最初から使える文化アビリティの中に都市の設立(Create Town)というのがあります。これを使うと地域圏内に都市を設立することができます。

2024/02/12追記:
都市は地域圏内およびそれと隣接するヘックスに設立可能でした。

札幌の隣に沖縄ができた件。

影響力でヘックスを購入していく際、必要なコストの計算に地域首都との距離が反映されるのですが、都市を設立することで地域首都、都市のいずれか近い方を元に計算されるようになります。なので北にいい土地があるからそっちに伸ばしたいなと思ったら地域首都の北に都市を設立することで、狙った方向に地域圏を伸ばしていくことができます。
この距離によるコストの削減は後からでも効果があります。例えば元々獲得に40影響力が必要なヘックスがあり、既に30影響力を投資済みだったとします。そのヘックスの隣に都市を建てることで距離によるコスト増を削減し、必要な影響力が20になるとそのヘックスは即座に地域に加えられます。

都市は最初は各地域1個しか作れませんが、時代3の技術である都市基盤(Infrastructure)を研究すると上限が1個増えます。

都市にはレベルがあり、設立直後は1から始まります。この時点では隣接する市民が労働しているヘックスごとに1の貨幣産出があります。都市のレベルを上げるには時代2より利用可能になる工学分野アビリティの都市拡大(Expand Town)を使う必要があります。

レベル2以上になった都市は特化させることができます。
農業、林業、鉱業、沿岸の4つがあり
それぞれ対応した活用済みヘックス(農業だと畑とか)の数に応じて
食料、生産力、貨幣産出が得られます。

都市による産出は隣接ヘックスごとに+1、それに都市レベルをかけたものが得られます。例えば畑3つと隣接するレベル3の農業都市は 3 x 3 で9の食料産出が得られます。

それ以外のメリットとしては都市を作ると自らが属する地域および近隣の地域の地域首都との間に道路が敷設されて移動しやすくなるのと、その地域で生産された軍事ユニットの登場地点(ラリーポイント)として指定できるようになります。

物資

この物資もMillennia独特の要素です。Civilizationでは例えば森に伐採所を建てると単純にヘックスの産出が増加しますがこのゲームではそのヘックスは生産力を産出するのではなく、かわりに丸太を産出するようになります。

丸太は1個ごとに2の生産力産出に変換されます。
なら最初から生産力+2でいいじゃないか、と思われるかもしれませんが…
物資は別の土地改善でより高度な物資へと変換が行なえます。
製材所では丸太3個を板材3個に変換し
これにより物資1個あたりの生産力産出は2→4になります。
また変換先は1つだけではなく
丸太は製紙工で紙に変換することもできます。
紙は生産力ではなく貨幣の産出となります。

問題はこれら変換用の土地改善は活用するのに物資が一定量必要です。地域圏内に森が2個しかない場合、そのままでは製材所は利用できませんがそんな時に使うのが国内、国外交易です。

時代3で地域に建設可能になる店舗(Stores)を作成すると
その地域に国内輸出スロットが追加され
その地域で産出する物資1つを他地域に輸出できます。
国内輸出スロットをクリックすると
その地域で生産されている物資の中から1つ選べます。
その後右にある対象地域の選択を押して、輸出先の地域を選びます。

交易にはもう1つ、国外交易もあります。時代3でアンロックされる市場(Market)を建設するとその地域に国外輸入(Foreign Import)スロットが追加されます。それに加えて外交使節(Envoy)を他文明に派遣して交易協定を結ぶことでその文明より物資を輸入することができます。なおどことも交易協定を結んでいない場合でも国外輸入スロットがあればそれで交易品(Trade Goods)を輸入して地域に少量の文化産出を得ることができます。

もう1つの地域外の物資を獲得する方法としては工学分野アビリティで技師を作成して前哨基地を設立する方法もあります。前哨基地はいずれかの地域に紐付けることができて、前哨基地で得た物資はその地域へ贈られます。

ただし前哨基地の影響範囲内には
畑や鉱山などの通常の土地改善は作れません。
交易所(Trade Post)という専用の、かつコストの高い
土地改善が必要になります。
しかしこの土地改善は1つのヘックスから2個の物資が入手できます。

新たな地域の獲得

新たな地域を獲得するにはまず属国(Vassal)を設立する必要があります。これは文化アビリティを使って開拓者(Settler)を作成し未所有のヘックスに派遣、設立することで可能です。

開拓者の作成には政府XPを使用します。
部族制の赤丸(購入可能)に気を取られてそっちで使ってしまうと
いつまでも開拓者による属国の設立ができません。
また開拓者を出した地域の人口が1減少します。
開拓者またはそれを含む軍を
空き地につれていくと属国が設立できます。
その後開拓者は消滅します。
設立直後の属国の状態です。
貨幣、研究力、文化、改善ポイントで雀の涙程度の産出があります。
これは後の時代、繁栄度(Prosperity)を上げることで増やせるらしいです。
外交XPを使って生産した使節を
地域1個だけの小規模文明の地域首都に隣接させると
属国化を選ぶことができます。
属国を設立した開拓者と同様、
使節はその後消滅します。
また小規模文明の地域を軍を使って攻め落とすことでも属国化が可能です。
説明では地域を破壊し略奪するとなっていますが
イベントで選択肢が出て属国化も選べます。

属国を正式な領土に加えるには統合度(Integration)という値が一定量溜まるのを待つ必要があります。これは1ターンに1ずつ増えます。また時代2の青銅器時代(Bronze Age)ではボーナスにより1ターンに2ずつ増えます。このボーナスは青銅器時代のみのもので、次の時代に進むと消えてしまいますが外交分野のアビリティで統合を加速させるものが登場してきます。

統合度が20溜まり、十分な政府XPがあれば
属国を正式な領土として加えられます。
ただし必要な政府XPの量は既に所有している地域の数で増加し
また文化の産出量に対するペナルティも増加していきます。

時代と技術

歴史系の4Xゲームということで時代の移り変わりも用意されており、全10個の時代があります。

時代1の石器時代は遷移先が1個しかありません。
5個ある技術のうち3個を研究すれば
次の時代へ進むための研究が行なえます。

先の時代に入っても前の時代の未研究の技術を研究することは可能です。その際は必要な研究力コストが減少します(時代を1つ遡るごとに-10%?)。

技術研究

技術研究については他の4Xとあまり変わりません。所有する各地域が産出する研究力を全て合わせたものが各ターン、進捗状況に追加されていき必要なコスト分溜めることができれば新たな技術の研究が完了します。

技術研究が完了、
研究力産出を増加させる施設を
地域に建設可能になりました。

他ゲームと違う点があるとすれば研究完了時にユニットがもらえるものがあるくらいでしょうかね。序盤の生産力が乏しい頃はユニットの作成をしている余裕がないので、ユニットが得られるというのも研究すべき技術を選ぶ際に1つの魅力となるでしょう。
標準で他文明が研究済みの技術については研究力コストが減少します。

時代の遷移

この時代の遷移先として複数の候補があるのがゲームの特徴の1つで、鉄器時代などの史実通りの時代もあれば内燃機関が登場せず蒸気機関がより高度に発展した架空のイーサーの時代なども登場するようです。

現在の時代の技術を3個研究すると
次の時代への遷移の研究が行なえます。
すぐに遷移する必要はなく残りの技術も研究でき
それにより時代遷移の研究のコストが少し減ります。
また他文明が研究完了していると1文明につき-10%の
コスト削減が受けられます。
時代2の青銅器時代からさらに進む時は
3つの時代が遷移先の候補として選べます。
架空の時代に進むには指定された条件を満たす必要がありますが
流血時代(Age of Blood)のような危機的な時代は
条件を満たした時点で強制的にこれしか選べなくなるようです。

ちょっと変わった部分としてはこの時代というのは各文明がそれぞれ選ぶのではなく世界全体で1つです。例えば自文明が条件を満たして英雄時代へ進もうとしても、別の文明が先に標準の時代である鉄器時代への到達を完了させてしまえば自文明も鉄器時代にしか遷移できなくなります。

時代3の鉄器時代へ到達しました。
時代にはそれぞれ固有のボーナスがあり
この鉄器時代では土地改善の鉱山のコストが20%削減されます。
別のプレイではAI担当の文明が英雄時代に入りました。
英雄時代では固有のイベント地点がマップ上に多数発生、
そこに英雄を連れて行くと報酬がもらえます。
(予め戦闘で経験値10を得ておく必要があります)
こちらが時代3のデフォルトの時代の鉄器時代
そしてこちらが派生時代の英雄時代です。
時代ごとのボーナスだけでなく
研究できる技術も一部専用のものが登場します。

なら技術的に遅れていたら時代の遷移は他文明に任せて自分は不必要な他の技術でも研究しておくか、というわけにはいかなくて新たな技術のアンロック、国民精神の選択など時代による効果を受けるためには各文明がそれぞれ次時代への遷移の研究を行わなければなりません。単にどの時代に遷移するかを選べるのは最初に研究を終えた文明だけというだけです。ただしいずれかの文明が次の時代に遷移済みだと時代の遷移の研究に必要な研究力コストの量がかなり減少するようで、半分くらいまで研究済であれば同時に次の時代入りとかもあるようです。一番乗りした他文明と異なる時代への遷移を目指していた場合も使用した研究力は無駄にならず、その他文明が選んだ時代への遷移のために使われます。

分野(Domain)

Millenniaの売りの1つがこの分野でしょうね。政府、軍事、探索、工学、外交、芸術の6つがありますが時代1から利用できるのは政府、軍事、探索のみ、時代2で工学と外交が追加され、時代3で芸術が追加されます。

各分野ごとにそれぞれいくつかのアビリティが用意されており、蓄積された分野XPを消費してそれを使うことができます。例えば政府だと開拓者作成、軍事、探索では時代に応じた軍事、偵察ユニットの即時生産が可能です。
文化と違ってこれらのアビリティはアビリティごとにコストが決まっていて繰り返し使用してもコストが増加することはありません。

分野XPはそれぞれ入手方法が異なります。基本的には地域に対応する施設を建ててターン毎の産出で増加していきますが軍事XPは戦闘する度に増加、探索XPはランドマークと呼ばれる特殊なヘックスを発見(見つけるだけでは駄目で、斥候を隣接させて"発見"コマンドを実行する必要あり)することで一時的な収入が得られます。

序盤の分野XPの入手源としてはほかに
友好的な部族のキャンプ、いわゆるお菓子の小屋を
訪問するというのもあります。
訪問するとイベントが発生しどの分野XPを得るか、
あるいはユニットの現物をもらうかなどいくつかの報酬の中から1つ選べます。

国民精神

国民精神は追加のアビリティ、アップグレードのセットで時代2、4、6、8に進んだ際にその時代ごとに用意された候補の中から1つ獲得することができます(分野ごとに1つずつではなく)。国民精神はいずれかの分野に属しており、選ぶことでその分野XPの使い道が増えます。

この国民精神は早いもの勝ちではなくて他文明が先に選んだものも後から選択可能です。ただし各国民精神を一番最初に選んだ文明はそれが属する分野の分野XPを入手できます。得られる分野XPの量は既に国民精神を選んだ文明の数により増加します。

時代2に一番乗りした場合、全ての国民精神で
選択時にボーナスXPがもらえますが量はわずかです。
国民精神は時代2に入ってもすぐ取る必要はありません。
取得を遅らせることで選択時に得られる分野XPが増えます。
ただし他文明が選択したものについては分野XPはもらえません。
この例だとAI文明により既に4つの国民精神が選択済み、
そのためそれ以外を選べば25の分野XPが入手できます。
国民精神のアビリティ、アップグレードは
左から順に購入していく必要があります。
1個でも取れば先に進めるようになりますが
どれか1つだけというわけではなくて
十分な分野XPさえあれば全て取ることも可能です。

時代2の国民精神

ここでは体験版で内容が確認できる時代2の国民精神の傾向について説明します。

古代の船乗り (分野: 探索)

この国民精神では海洋タイルへの開拓および産出強化、
また船ユニットの使い勝手向上が行なえます。

自然活用の達人 (分野: 探索)

未改善の土地の産出を強化するとともに
森への拡張、移動が楽になります。

狩人 (分野: 探索)

鹿や牛など動物より得られる物資を強化します。
また固有ユニット 弓狩人が使用可能になり、さらに強化も可能です。

略奪者 (分野: 軍事)

一番右を除いた全てのアップグレードで
略奪者2体が生産されます。
なぜ同じ効果のアップグレードが複数あるのかというと
アップグレードはそれぞれ1回しか購入できないからですね。
また単にユニットを出すだけでなく
略奪で得られる資源の増加などの追加効果が与えられていきます。

戦士 (分野: 軍事)

固有ユニットのスパルタンを出せます。
また防衛施設の強化などもあり、上の襲撃者が
攻撃特化だったのに対しこちらは防衛重視の国民精神のようです。

神王王朝 (分野: 工学)

石材の活用を得意とし
固有の土地改善のピラミッドも建設可能になります。

墳墓の建設者 (分野: 工学)

こちらは固有の土地改善 墳墓(Burial Mound)が作成可能になります。
墳墓は草原に設置可能で文化を産出し
以降のアップグレードでその産出が強化されたり
コストが減少したりします。

オリンピック選手 (分野: 外交)

報酬として分野XPが獲得できるオリンピックが開催できます。
報酬の量は国境解放状態の他文明が多いほど増加し
後のアップグレードで貨幣や研究力も得られるようになります。

政府分野と政体

政府分野は最初から利用可能な分野の1つで国民精神と同じくアビリティ、アップグレードのセットである政体を持っています。全ての文明は部族制の政体から始まります。新たな地域の設立に必要となる開拓者はこの政府分野のアビリティで作成可能です。

最初の政体である部族制のツリーです。
政体にはこれらアビリティの他に
文明全体の首都に対する産出強化の効果もあり
政体によってその数値は変わってきます。

時代3になると異なる政体へ切り替えが可能になります。

候補としては王朝(Imperial Dynasty)と王国(Kingdom)があります。
それぞれ異なるアビリティとアップグレードのセット、強みをもっています。
王朝は各地域の発展を強化するような内容でしょうかね。
最初の1個は無料で取得することができ
宮殿を建てることができるようになります。
王国は開拓者、使節が安価で出せるようになります。
貨幣、研究力を増やすアップグレードもあり
文明全体の強化という方向性かなと思います。
こちらも最初の1個は無料で取れて
権力の座(玉座?)が建設可能になります。

選んだだけでは新たな政体に以降しません。その後文化または政府XPを使って革命を起こす必要があるのですが、革命には暴力革命、平和革命の2種類があります。

暴力革命は十分な政府XPさえあれば実行可能ですが
有害なイベントを発生させる混沌ポイントが増加します。
平和革命を使うには前の政体のアップグレードの中で
一番右の項目を取得しておく必要があります。
こちらは文化XPで実行でき、デメリットはありません。

文化アビリティ

文化も政府と同様、全ての文明が最初から使えるアビリティのセットです。分野XPのかわりに各地域で産出される文化でメーターが溜まっていきます。メーターが溜まり切ると任意のアビリティを使用できます。UIのデザイン的には溜まったら何かしら使わないといけないように見えますが、単に通知が出るだけなのそのまま溜めておき後で使うこともできます。
文化アビリティの使用に必要な文化コストはアビリティ使用ごとに増加していきます。

最初は都市の設立と地域の産出強化しか使えません。
産出強化は5ターンの間、地域1つの産出量を増加させてくれます。
体験版のリミットである60ターン付近になると
文化アビリティはこれだけ増えます。

軍事ユニットと戦闘

Milleniaの軍事ユニットの他ゲームとの違いとしては以下の点があります。

  • 最初から複数のユニットを合併して1つの軍として運用可能

  • ユニットの種類は前衛(Line)、機動(Mobile)、支援(Support)の3つ

  • 戦闘力は攻撃と防御の2つがある

  • 体力の他に士気(Morale)がある

軍の編成

ゲーム開始時より最大3つのユニットを1つのヘックスに入れて、1つの軍として運用が可能です。このユニット数の上限は時代2で研究できる規律(Discipline)などいくつかの技術で増加していくようです。軍が戦闘状態に入った時、両軍のユニットが1体ずつ勝ち抜き戦をするのではなくて、全てのユニットが互いに攻撃しあい、勝敗を決めます。

ユニットタイプによる行動順と制約

前衛は最も基本的なタイプで、各戦闘ラウンドで2番目の行動フェイズで行動します。まず相手の前衛、それがいなければ他タイプの中からランダムで攻撃対象を選びます。基本的には壁役ですね。

槍兵は敵騎兵を攻撃した際に攻撃値が2倍になります。
ただ騎兵は機動ユニットなので他に前衛タイプのユニットがいた場合
そちらを片付けてからでないとその強みを発揮できません。

機動は主に騎兵、後の時代では戦車などもこのタイプに属します。各戦闘ラウンドで3番目、最後に行動します。攻撃対象は範囲としては前衛と同じでまず敵の前衛を、それがいなければ他タイプを攻撃しますがこの時攻撃可能な候補の中で最も体力の低い相手を狙います。つまり集中攻撃でユニットを1つずつ落としていくことができるわけです。

斥候騎兵は弓兵から攻撃されたときに防御値が2倍になります。
移動力も少し高いのですが他のゲームほどの差はないですね。

最後に支援は弓兵や砲兵です。各戦闘ラウンドで1番目の行動フェイズで行動します。このタイプは相手側に前衛がいてもそれに遮られることなく全てのユニットを攻撃できますが、相手はランダムに選ばれます。

弓兵はぱっとしない能力に見えますが
前衛ユニットを攻撃した時に攻撃値が3倍の18になります。
同時代の戦士の防御が10なので結構なダメージが期待できます。

戦闘は3ラウンドあり

  1. 防衛側の支援ユニットの攻撃

  2. 攻撃側の支援ユニットの攻撃

  3. 防衛側の前衛ユニットの攻撃

  4. 攻撃側の前衛ユニットの攻撃

  5. 防衛側の機動ユニットの攻撃

  6. 攻撃側の機動ユニットの攻撃

これを3回繰り返すようです。先手を取れる防衛側の方が有利、特に防衛側に強力な支援ユニットがいたり攻撃側に支援ユニットが皆無だったりすると攻撃側に順番が回ってくることなくノーダメージで倒せたりもします。

戦闘に用いられる能力値

各ユニットは攻撃、防御の値を持っています。これはCivの旧作のようなこちらから攻撃した場合は攻撃値が、敵から攻撃された場合は防御値が戦闘力として用いられるというのではなくて、実際に戦闘するときに攻撃側の攻撃値、被攻撃側の防御値でダメージが決まります。

戦闘画面です。ぶっちゃけ見ごたえはなく
ユニットがほぼスライドするだけ(若干モーションはある)で
見ても時間の無駄でしょう。
ただし攻撃時は自動的に戦闘画面が表示、
防衛時は表示されませんが戦闘があったヘックスに大きめのアイコンが表示され
誤ってクリックしてしまうと戦闘画面が表示されてしまいます。
正直邪魔です。

耐久力としては体力と士気があります。敵に攻撃された際、受けたダメージの値だけ体力、士気の両方が減少します。体力が尽きるとそのユニットは消滅しますが、士気が尽きるとそのユニットは隣接ヘックスに敗走します。開拓者などの非軍事ユニットは士気が非常に低いため、蛮族に攻撃されても死ぬ前に敗走してくれるため、不注意で攻撃を受けても即消滅ということはありません。
体力は1ターンごとに徐々に回復しますが士気は次ターンになると全快します。基本的に士気は体力よりも上限の値が低く、特に壁役ではない機動、支援タイプのユニットの士気は体力の40%(前衛は80%)しかありません。そのため同じターンに攻撃を受け続けると死ぬより前に敗走します。そして敗走したユニットが同じターンに再度攻撃を受けるとそのユニットは即座に破壊されます。

昇進とアップグレード

戦闘に参加したユニットは経験値を獲得し、ある程度溜まるとレベルアップします。1レベル上がると攻撃、防御がそれぞれ10%増加するようです。

新たな軍事技術を研究するとユニットのアップグレードが行えるようになります。他のゲームと異なり、Millenniaでは貨幣ではなく軍事XPを消費してアップグレードを行います。

指揮官ユニットと戦術値による補正

経験を積んで昇進したユニットは指揮官(Leader)ユニットに変えることができます。指揮官には新たに戦術(Tactics)という能力値が追加されます。

指揮官にしても攻撃、防御などの戦闘能力は残ります。
しかし後により高度なユニットが生産可能になっても
アップグレードは行えないようです。

戦闘時には各軍のユニットの中で最も高い戦術値を持つユニットの戦術値がその軍の戦術値となります。自軍と敵軍の戦術値を比較して、相手より1高いほどその軍に属する全てのユニットの攻撃、防御が10%増加します。例えばこちらの戦術値が5、相手が0なら全ユニット+50%、自軍の戦術値が10、相手が8なら全ユニット+20%となります。自軍の戦術値が相手より低くてもペナルティは発生しません。1つの軍に戦術値を持つユニットが複数いてもその戦術値は合算されず、最も高いユニットのそれのみが適用されます。

時代3で英雄の時代に進めると
強力な戦闘力と高い戦術を持ったヒーローが登場します。
ただし他文明も全てヒーローを入手しています…
日本文明でプレイしたら渡辺綱がやってきましたが
国籍ごとに候補が用意されているわけではなく
たまたまのようです。

革新と混沌ポイント

イベントや分野アビリティ、地域の不安定さにより革新(Innovation)、混沌(Chaos)ポイントというのが増えることがあります。これが100以上になると確率で革新は有益な、混沌は有害なイベントが発生します。
なおイベントの効果説明等では「革新ポイント+10」と表示されています。たった10増えてもなあ…と思うかもしれませんがこれは一時的な増加ではなく以後1ターンごとに10ずつ増えていきます。混沌ポイントも同様です。

閾値である100を超過した分がイベント発生確率になります。
この例だと110なので次ターンは10%の確率でイベント発生、
発生しなければ革新ポイントは130になり、次々ターンでは30%と
確率は増加していきます。
イベントが発生すると、発生した方のポイントはリセットされます。

イベントが発生すると対応するポイントの増加量は30%に低下します。
例えば革新ポイントが10ずつ増えて革新イベントが発生するとその後革新ポイントの増加量は1ターンあたり3になります。その後別のイベントで革新ポイント+10になると増加量は13/ターンになります。そして再度革新イベントが発生すると 13 x 0.3 で3.9/ターンに減らされます。

革新イベントが発生しても効果が微妙だな…と思ったらスキップしてかわりに大量の貨幣を得ることもできます。混沌イベントの場合は逆に大量の貨幣を支払ってその効果を回避できます。

革新イベントの例です。
これは肉に香辛料をかけたら美味しい!
本来の食料以外に文化XPも産出だ!という内容でした。

外交

他の文明の地域やユニットと遭遇すると外交が行えるようになります。

ドイツと接触しました。
地域左にある国旗のアイコン(自文明のものでも可)をクリックすると
接触済みの文明が表示されます。
時代、保有する地域、政体、国民精神、外交状態、友好度が確認できます。
上の画面よりいずれかの文明を選ぶと交渉が行なえます。
最初は国境解放と敵対宣言しかできません。
外交分野アビリティで使節を作り、相手文明の地域に送り込むと
現在はグレーアウトしている高度な交渉が行えるようです。

なお初期状態では中立の領域では他文明の軍を攻撃することはできません。敵対宣言をしておくとそれが可能になります。

国境解放を提案してみましたが断られました。
プレイヤーの提案は次ターンに返事が来ます。


いいなと思ったら応援しよう!