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かがり火

童女のような女が 舌足らずに喋る 南国の言葉が 閉ざされた 記憶の扉を開く 朝も夜もなく 飲み食い踊る人々 鼻腔をくすぐる 甘い香り 絡み合う女たち 肌を滑る指先 ぬめる太腿 細かな蠕動 こぼれる喘ぎ かつてあって 失われてしまった 情熱の日々 遠くに見えた 夢のかがり火 冷気が体を刺す 消えゆく幻 輪郭を失う 原色の街 崩れ落ちる 魔法の天蓋 童女のような女が 静かに歌う 永い過去に 置き去りにした 思い出のかけら 壊れてしまった 心を包む やわらかな口づけ

    • ピーピーちゃん

      ベランダの 室外機の下に 鳩が巣を作った 鳩に居着かれると フンで汚れるので 片付けようと思った 巣の中には たまごがあった 一所懸命に産んだのだろう なんとなくかわいそうで 少しほっておこうと思った しばらく経つと 雛が孵った ピーピー鳴くので ピーピーちゃんと名付けた ネットで調べて 鳩の生態に詳しくなった 親鳥は毎日 雛に餌をあげていた ピジョンミルクというものを 雛に与えるらしい 雛はすぐに大きくなった たまごから孵るのに 二週間くらいしか かからなかったが 大きくな

      • Blueskyいいところだよ。

        • なんの役にも立たないものを作るのは大事です。私のポエムなんか電子の海で四散して消えていいものです。

        かがり火

        • ピーピーちゃん

        • Blueskyいいところだよ。

        • なんの役にも立たないものを作るのは大事です。私のポエムなんか電子の海で四散して消えていいものです。

          「現代詩オタク」にだけ喜ばれる詩は書きたくないな。

          「現代詩オタク」にだけ喜ばれる詩は書きたくないな。

          ホップステップリップ

          化粧について なんの知識もない 下地にファンデーションを 塗ればどうにかなるもの そんな漠然としたイメージ コスメ自体に縁が無いから デパコスという概念も 全く知らなかった 好きな人に何か贈りたい 誕生日プレゼントに悩んで いろんな人に相談した 消え物がいいという 消えてしまうものをあげるのは なんとなく嫌だった 記念になるようなものがいい 直接聞いてみることにした デパコスがいいという デパコスがなんなのがわからない ガラパゴスみたいな感じ 化粧品と知って固まる

          ホップステップリップ

          ドキドキ文芸部!プレイ日記3コレで終わり

          とくに面白いとも思わずそれでも先に進める。 なんだかネットでは「ネタバレなしでぜひプレイしてほしい」とか「衝撃的な結末」とか書かれているのでとりあえずは最後まではやろう なんか幼馴染と部員と色恋っぽい話になってきたんだが、私の見間違えかどうか、精神疾患の名前が出てきたような気がするぞ……。 どうもここらへんから雲行きがおかしい。 ネタバレなしに書けるのかどうか不安になってきたが、どうもほのぼのギャルゲーの皮をかぶった不穏なゲームのような気がしてくる。 詩の話はあまり出てこず

          ドキドキ文芸部!プレイ日記3コレで終わり

          邂逅

          ブロック塀を思いっきり殴って 皮膚が裂け骨がつぶれ 血まみれになるこぶし 胸にあいた穴に吹き込む 冷たい風が苦しい やけくそで投げやりに 思いのたけを吐き出して なにもなくなった心に 痛みを感じる隙間はない なにに怯えているのか なにを求めているのか 焼けた脳では考えられない 通り過ぎる人々の顔は どれも同じように見えて 喧騒も耳に届かない 世界の輪郭がぼやけている どこかでは戦争が起きていて たくさんの人が死んでいる ハッキリとしない頭で その意味を考えている プラカードを

          ドキドキ文芸部!プレイ日記2

          前回 文芸部を舞台にしたゲームなんだから当然だが、主人公は幼馴染に誘われてほぼ強制的に文芸部に入ることになる。 主人公以外の部員は元気な幼馴染、おしとやかなおっぱいの大きい子、才色兼備の優等生、ツンデレちびっこの三人。名前は障がいでよく憶えられないのであとで適当に紹介するかも。 彼女たちとキャッキャウフフと楽しい部活動をするらしい。 もうこの段階で憂鬱になる。 私はリアル文芸部副部長で学校の外でも文芸系の人間と仲良くしていたが、こんなキラキラしていなかったぞ。 だいたいねえ

          ドキドキ文芸部!プレイ日記2

          Doki Doki Literature Club

          ドキドキ文芸部というゲームを勧められた。 無料だしゲームは好きなのでプレイしてみることにした。 まだ序盤の序盤だが、ノリがすでにキツイ。 カラフルな髪をしたかわいい女の子たちと楽しい学校生活。 すでにツラい。 学生のころなんて遠い昔だし、そもそも灰色の青春を送っていた私にとって全く馴染みがない。 かするのは私が文芸部の副部長をやっていたということぐらいだ。 とにかくクリアまでは頑張るので、ネタバレにならない範囲でプレイ日記をつけようと思う。

          Doki Doki Literature Club

          陥没乳首

          高校の頃の彼氏に 陥没乳首だといわれた それまで自分が 陥没乳首だと 知らなかった そもそもその言葉を 知らなかった 陥没乳首は自然と 勃起乳首に成長した そんな言葉が あるのかどうかは よく知らない ネットでオナテクを磨いた チクニー開発には 時間を割いた 陥没乳首は 敏感乳首に クラスアップした ひとりで慰めるとき 左胸が張る 左乳首だけいじって それだけで達する スッキリして スヤスヤ眠る ときどき母のことを思う 授乳のときは どんな気持ちだったのだろう

          陥没乳首

          アンバランス

          髪に手を伸ばすと セクハラだと キモいキモいと言う 私を触ってくるのに それはご褒美だからと お構いなし それはたしかにご褒美で 触られるのは嫌ではないが こちらから触れるのを 禁止されるのは 納得がいかない 私の食べているパフェを 横から突いては 半分くらい 食べてしまう 美味しそうに食べるから なんとなく嬉しくなるが 逆に私が食べたら 怒るだろう 私たちの関係は 非対称で 主導権はいつでも きみにある 喧嘩して謝るのは 私のほうで 連絡を絶たれても ジッと機嫌が直るの

          アンバランス

          chori

          私がインターネットに触れた2000年前後からchoriの名は知っていた。 なんだかネットの詩の界隈では有名で、ネットの詩の賞を掻っ攫っている若者だという。 裏千家のお坊ちゃんでネット外でも知られているらしい。 詩を読んでみたら、まあ若いわりには書けている方かな、くらいの印象しかなかった。 私は基本的に天邪鬼なので、名のある人間はコケにするし、イジってしまうクセがある。 彼も例外ではなく、いろんなところでおちょくっていた。 詩はヘタでも七光りがあれば評価されるんだねえ、とか、若

          ポエム派宣言

          最近、自分の書いているものが詩なのかどうかよくわからなくなってきて、頭が痛くなっている。 詩とはなにか。 詩を書く以上、それは日々問われるし、それを実作として作品の形にするのが詩人だろう。 私はどう思っているのか。 私の書いているものは、いわゆる現代詩とはそうとう離れているような気がする。 口語自由詩ではある。 行分けで、韻文でも定型でもない。 しかし、とくに技巧を凝らして言葉の実験をしているわけでもないし、表記より意味内容のほうを重視している、のかなあ……。 書きながら自信

          ポエム派宣言

          かえらないときのおわりに

          天の川銀河の はしっこの まわる腕のなか 高速で流れ 一瞬にして 消えていく 星々の そのきらめきを 見つめている たぶん あなたも 見つめていた かえらない ときのおわりに なにがのこるの もどらない みちのむこうに なにがあるの 満ち満ちて 張り裂けそうな あふれる想いを 明日の空に 投げかけて 拾えるものは 全部拾って 遠くの星々に 願いを込めて 歩き出す もう かえらない ときのおわりに わたしたちは な

          かえらないときのおわりに

          夜明け前

          夜明け前に目覚める セブンスターを咥え 熱いコーヒーをいれる 日々のルーチンは新味を欠き 煙草の煙をかき消していく 昨日と今日の境目があいまいだ 規格化された毎日 摩耗していく体と心 耳障りな電子音が響く 目覚ましは必要ない ただの決まりきった日常の合図 テレビもラジオもない ノートパソコンを開き SNSに書きこむ おはようございます

          夜明け前