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【詩】かくれんぼ

言葉は僕を離れてしまえば
もう僕のものではない

それをどう解釈されようと
もう僕のものではない

それは受け止めた人の感性に委ねられ
その感性に
その人の中に僕が形作られる
本当の僕は無力に立ち尽くす

ああ
ああ
ああ、またしても
「本当の僕」
などという言葉を口にしてしまった

「本当の僕」
なんと陳腐な言葉だ
と反吐が出る

「僕は僕らしく」
「君は君らしく」
安い流行歌だ
ああ陳腐だ

陳腐で
ちんけで
ちんぽだ
縮れたちん毛だ

僕らしさってなんだ?
まして
本当の僕とはなんだ?

僕は僕を知らない
僕は僕を語れない

みんなの中の僕は僕ではないし
僕の中の僕も僕ではない
僕は僕を知らない

考えるだけ無駄だだと
僕は僕を見離し
僕はとことん僕に無責任になっていく

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