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文学と私


文学と私はもう本当に近い間柄になりました。
文学にはまるようになったきっかけは詩集でした。その時期は高校3年生の初めの頃です。
その頃の私が勉強することに懐疑感を感じて勉強をやめるようになったのが事件の発端だったと思います。それで学校で勉強の代わりに時間をつぶすことは何があるか悩んでいたところ、学校図書館に本を読んでみようかと思って行って、ある詩集を読んで詩にどっぷりはまったのです。
その詩集は「50メートル」で、詩集の著者は「허연Heo-Yeon」でした。現在私の好きな詩人の一人です。代表的な作品としては「五十メートル」以外にも「不穏な黒い血」、「あなたはいつ歌になるか」等があります。
また、彼の現代文学賞を受賞した作品に「北回帰線から来た小包」があります。私が一番好きな詩でもあるこの作品は最後の独白部分から来る大きな響きがあります。
下は詩の最後の独白部分を抜粋して私が翻訳してみました。私の翻訳の実力が少し足りないと思いますが読んでみてください。
 
『白い忘却があなたを襲う時も、私は真っ青な毒薬が入った小さな瓶を 持って待って、立って いるはずだ。 私を忘れられないように、私が忘れられなかったように』
 
大学2年生の時、ソウルで허연詩人の朗読会があるという事実を知るやいなや、すぐチケットを切って一人でソウルに旅行に行ったことを今でも鮮明に覚えています。当時、ソウルで新型コロナウイルス感染症が少しひどかった時期だったので、お母さんに叱られました。こっそり行こうとしてばれたのも叱られた理由でした。笑 でも後悔はありませんでした。すごく良かったんです。
허연詩人以外にも이병률(Lee-Byeong-Lyul)、박준(Park-Jun)、한강(Han-Kang)、정호승(Jeong-ho-seung)などの詩人が好きです。
 
詩を読むのが好きだから詩を書くことにも興味ができて19才の時から今まで時間がある度に少しずつ詩を書いています。詩法や詩論本などを読みながら独学し、大学1年生2学期には国語国文学科2年生専攻の「現代詩論」講義を受けました。当時は私が数学科だったので、授業を担当していた教授が大丈夫かと心配してくれたことを覚えています。
文学サークルをしながら部員と一緒に文集も作りました。文集を作るために部員たちと熱心に文を書いてフィードバックしました。
軍隊では兵営文学賞に挑戦して入賞をしました。入賞した作品で国防部が本を作ってくれましたが、本の中にもちろん私の作品もあります。恥ずかしいけど入賞した作品を日本語に翻訳してみました。先ほども言いましたが、私が実力のある翻訳家ではないのでちゃんと翻訳されたかどうかは分かりません。しばらく鑑賞していただけるとありがたいです。
 
유월의 눈
6月の雪
 
열 낸 처마 끝에서 별똥이 녹아내립니다
熱を出した軒先から流れ星が 溶けて落ちります
 
미간을 찡그리듯 한 점에서 모여 온 힘을 다해 떨어집니다
眉間をしかめるように一点で集まって全力で落ちます
 
선은 하늘을 가르고
나는 나누어진 세상의 반쪽을 왼손 하나로 가리려 했습니다
내 왼손은 작지만 정교했고
당신 손과도 맞아떨어졌기에 어쩌면 세상도 그렇지 않을까
세상의 반쪽이 당신과 같다는 생각을 했습니다
線は空を切って
私は分けられた世の中の半分を左手一つで隠そうとしました
僕の左手は小さいけど精巧で
あなたの手ともきっかり合ったからもしかしたら世の中もそうではないだろうか
世の中の半分があなたと同じだと思いました
 
어떤 신문 지면의 사진처럼 내 한 곳을 꽉 붙들어 매는
당신께로 가고 싶었습니다
ある新聞紙面の写真のように私の一箇所をぎゅっとつかまえて結ぶ
あなたのところに行きたかったです
 
번져있는 홍채의 소묘가 날씨와 흐릿하게도 같았고
깨진 창유리의 바깥이 내 속처럼 소란스러웠습니다
にじんでいる虹彩の素描が天気とぼんやりと同じだった
割れた窓ガラスの外が私の中のように騒がしかったです
 
이 길로 곧장 가면 채송화밭이 나온다고 해서 가던 중에
지금이 때아닌 밤중이라는 것을 알아차렸습니다
당신의 집이 근방이었지만
당신도 시들어 있을까 찾아가지 못했습니다
この道をまっすぐ行くとマツバボタン 畑が出るそうで行く途中に
今時ならぬ夜中だと気づきました
あなたの家が近所だったけど
あなたもしおれているだろうかと思って訪ねて行くことができませんでした。
 
사람과 사람의 접촉이 거센 눈발 속 눈과 눈처럼
쉽게 이루어지고 쉽게 부서지는 것이면
공항터미널에는 떠나는 사람만 있겠습니다
人と人の接触が荒い降りしきる雪の中雪と雪のように
簡単に成り立って簡単に壊れるものであれば、
空港ターミナルには旅立つ人だけがいます
 
유월은 여느 계절보다 당신 속살처럼
불안전했고 더운 날 옷깃처럼
잘 여며지지 않는 마음이었습니다
6月はいつもの季節よりあなたの肌のように
不安全だったし暑い日に襟のように
よく整えられない心でした
 
닿으면 혹시 녹아버릴까
내 뜨거운 손으로 별똥만 쥐었던
그런 계절이었습니다
触れるともしかして溶けてしまおうか
私の熱い手で流れ星だけ握った
そんな季節でした
 
 
最後に、amazarasiと私です。
このバンドが好きになったのも文学にはまってその影響が大きかったようです。ボーカルの秋田ひろむさんがバンドの作詞、作曲をほとんど担当していますが、歌詞が本当にいいです。
詩的な歌詞の中に哲学的な内容や希望や愛、憧れのような温かいメッセージを伝えるような内容が歌を一層魅力的にしてくれます。歌詞以外にも秋田さんの声がハスキーで私の好みなので、もっとこのバンドが好きになったようです。
おすすめ曲には「僕が死のうと思ったのは」、「隅田川」、「ナモナキヒト」などがあります。
 
以上です。ありがとうございます。


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