11頁「取るに足らないささいなことを」
手にしたもの形一つ それは名前一つ
銀貨と交換したそれは
誰かが大切に作ったモノだったかもしれない
触れられるものはすべて自分が大事に生きた時間
稼いだお金で買うこと 部屋の中に連れて帰るということ
お気に入りの音楽を朝陽の中に溶け込ませてるように
それらは日常に馴染んでいく
「できたらこのカップをもう少しこころときめくものに変えたいなぁ」
「もう少し小さなサイフにしたいなぁ」
ささいで取るに足らないものたちを、
けれどどこかに置いてきてしまったものを、
拾い集めるこ