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それは手紙。そしてうた。その、詩。(返答詩集)

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これは 誰かに届けようと思った 手紙のような どこか 遠い人にいる 会ったこともない でも どこかにいるかもしれない そんな 人へ
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記事一覧

第二章詩集1-14 日記詩集1-14 返答詩集1-14 おまけトーク(結婚、子育てについて)

「名のなき歌」

生きた証とは果実のよう

熟し 膿み 朽ちて
枯れて 崩れ落ち
灰となって 大地に消え

夜が舞い降りた



一羽の蝶が金色に輝く鱗粉を星のように散りばめて
紫の羽根が青く光り踊る 死を運ぶように

喪失 悔恨
懺悔 贖罪

精算するべきことはいくらでもある
蝶は瞼の上に留まり瞳を閉じさせる

彼方で散った花びらが踊り舞う
全てを忘れていいと 詠うかのように

苦しみ 痛み 

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第二章詩集1-13 日記詩集1-13 返答詩集1-13 おまけトーク(自分を保つ、というワークだったのかな)

「白昼夢」

白い階段を上る

階段に指輪が落ちる
涙だったかもしれない
跳ねるごとにピアノのような音を響かせて
転がり堕ちていく

手を伸ばして 触れようとしても

掴むことは叶わない…

頭上には数々の光の柱が淡く降り注いでいる

彼方に一つの光が輝いていた

 〇

光と空
青と白の世界

白い雲と青い空が溢れている

光は輝き 瞳に届き
心に染み 目を瞑る

どこまでも遠くにいても
遙か彼

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しあわせの場所

「幸せの落ちている場所」
https://note.com/poet_ohno/n/n83d39b67e5ed?magazine_key=m9f4e03d273ef

「道を歩む 理由について」
https://note.com/poet_ohno/n/n682efc484472?magazine_key=m9f4e03d273ef

「あの空の下で人知れず人生の頁は捲れていく」
https://

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「誰かとの距離を埋めるもの」

闇雲に手を伸ばせば届くと思った

近づきすぎて届かないことがあるなんて思わなかった

ちょうど届く位置にいないと触れられない

一歩下がったと思ったらずいぶん遠くてすれ違ってしまって

誰かと出会うことと一緒にいること
繋がることと紡ぐこと

言葉一つ一つを編んで 形にすること
誰かのいる意味と自分がこうして関われたことを伝えるなら

言葉はきっと必要なんだ

分かれること 忘れること
傷つくこと

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返答詩「勇気の形」

明日を見たくて頑張っている人は
きっと目の前の灯を信じて歩いている

手を伸べたくてもきっと遠い
こんな隔たりで何を言ってあげられるだろう

きっとどこかで夜を迷っている人がいる

唄でも言葉でもなんだっていいんだ
明日の場所を指し示すことができるなら

今日は当たり前に始まる
だから誰かにとっての誰かがきっと必要で

きっと明かりを灯したかったんだ
今をより確かに眩く

一人じゃないとかそういう

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「その歩みは覚えていよう きっとこれからを支える記念碑のようなものだから」

それは胸の中で揺れる明かりのよう
月のような静けさで細くなったり消えたりする

いつだって波のように揺れている
だからまっすぐに未来を照らす何かが欲しい

誰が正しいとかそういうことではなくて
強さ弱さとかそういうことではなくて

信じたものを 胸の中で絶やさずに生きていくだけの勇気がほしい

月明りは
信じて進めた数だけ胸を温めてくれる

今日の選択が きっと明日の勇気を灯してくれる
だからこの

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「愛のカタチは溶けそうで」

それはわざと作る悲しみに似ている

気づいてほしいと願ったそれは
流れ星に似ていた

振り向いてほしいと思ったのは
伸ばした手が誰にも届かないことに似ていた

わざわざそんな悲しいことを思わなくていいのに

嗚呼、矛盾している
永遠を願うのに舌で転がし溶けるチョコレートみたい

傷ついても 泣いても その先には
もう誰かがいることを知っているから
逃げようとして思い出す

君を幸せにできる人は私で

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「愛という命の温度の話」

この命が孤独だと知った時
今で満たしていた指先が 本当は空っぽなんじゃないかって 思った

そんな自分が大っ嫌いだったから
誰かの手を求めたのが 始まりだったのかもしれない

誰でもいいわけじゃないのに
今はこの手を握ってほしいのは 誰でもよかった

自己嫌悪と寂しさをループする
それはきっと愛の欲望だったのかもしれない

嗚呼、涙を流すような切実さで
求めた温もりは きっと誰かの優しさだった

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「心という世界をぐるっと回った裏側で」

繰り返す痛みは まるで焦げ付いた痕のようで
それは心の火傷のようなものだったのかもしれない

熱さでひっこめた手はじんじんと痛む
もうずっと前のことなのに 今あったかのような瞬間がある

どうしたらいいんだろう
答えが見えない暗い場所に放り込まれたみたいで

どんなにあの場所から離れても一瞬で連れ戻されて呆然とする
忘れたいのに消えてくれない

痛みはまるで星みたい
もう触れられない場所で 輝いて

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「あの人のいない日々のこれからについて」

一緒にいた日々のこれまでが まるで木漏れ日のような
美しい季節のようだった

もう離れてしまったあの人の これからを知ることができない日々を
なんて――呼べばいいのだろう

思い出は もう手に入らないから美しい

捨ててしまえたら楽だけど――きっと忘れてしまう
出逢えたから 今こんなにも心が淋しい

嗚呼、忘れたくないな
でもずっと空っぽでもないんだ

これからの日々を、ちゃんと別の何かが埋めてい

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「思い出との邂逅は 今ここで」

砂浜に打ち上げられ貝殻は
海がどこからか運んできたもの

本当は目にしたくなかった
でもいくらでも押し寄せてくる

逃げてもずっとそこにある
砂浜にそうして埋もれていく

目を背けてもいい
逃げてもいい
でも 消えてくれない

どこかで聞こえた歌声は
いつだって呼んでいた

砂を払って拾い上げて
いつか聞いた歌は 心のメロディーと重なった

耳をふさぐことをやめた
だっていつでも歌えるから

声に

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「出会い続けることの意味」

毎日私は歩いている
不幸から遠ざかるようにして

心を少し鈍感にして 人の痛みに気づいて少し傷つく

でも平凡が一番 平和が最高
のほほんと毎日が過ぎていけばいい

気づいたら春 嗚呼 今日も穏やかな日だ

花が綺麗 飾る花も移ろっていく

心だってそういうもの

たくさん考えてしまうの
受け取ったものをそのままの重さで扱うことが難しい

ほんの少しの痛みを繰り返して
ささやかな楽しかった日々に救

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「生きていく意味を 寂しくなる前の暖かい手が 紡いでいたから」

どういうわけか死にたかった僕は生きることを選んだみたいだ
もう一度昇る太陽を見てみたいと思ったんだ

繋いでいた手が離れた瞬間に
この世界はなんて残酷なんだろうと思った

一人って こんなに心細くて
どうして良いのか分からなくなったんだ

生きているのが当たり前なことが
本当はそうじゃないなんて嘘みたいだ

この悲しみが現実なら
どうかこの世界が優しくなければそれこそ嘘だ

一緒に歩いた時間はすべ

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「優しい場所は ずっと近くに」

笑っていればたいていのことは乗り越えられる
おいしいご飯があればなんだって最後は良い一日

それでもどうしたって無理な日だってある
頑張るって そういうこと
こうして生きている自分なんて そういうもの

自分が自分を支えられない時は
どうか外側の世界に手を伸ばしてみてほしい

きっとこの世界は あなたが思っているよりも ずっと優しい

半径一メートルの世界を大切にしたい
触れた手は勝手に傷ついてい

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