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早寝早起きという概念

私は、早起きが苦手だ。というか、朝起きるのが苦手だ。私にとっては朝起きるという行為が、1日の中で一番苦痛であると言っても過言ではない。そのせいで、これまで随分と苦労してきた。幼い頃から、寝覚めは悪い方だったと思う。小学生の頃は、近所のお姉さんと待ち合わせをしても、ほぼ毎回私が待たせてしまった。それから部活を始めても、数ヶ月したら自分が一番最後にやって来るのが当たり前になってしまった。朝は、いつもギリギリセーフか、アウトのどちらかだ。もはや、今更私が早起きできるようになるのは、不可能なのではないかとすら思っていた。
よくある、朝起きる方法として目覚まし時計を遠くに置いておくとか、時計をいくつか用意しておくといったものは、私にはまるで無意味だった。何故なら、私はアラームに気が付かなくて起きれないわけではないからだ。目覚まし時計の音はよく聞こえるし、さらに言えば携帯の振動だけでも目を覚ますことはできる。

では、なぜ起きれないのかというと、朝になると、起きようという意志が全くと言っていいほど消えてしまうからだ。前日の夜にどんなに強く決心をしても、その日どんなに大事な予定が入っていても、寝起きの私は起きようという意志が皆無なのだ。何故これほどまでに朝起きれないのだろう─。
そう考えてみると、朝が嫌いなのがいけないのではないかと思った。私は朝が嫌いだ。反対に、夜が好きだ。これから1日が始まるという朝よりも、1日が終わる夜に留まっていたい。だから夜更かししてしまうのだ。

そして、休暇中は昼夜逆転の生活になる。太陽が昇る頃に眠くなり、太陽が沈む頃に私は目覚め、1日が始まる。そんな生活を続けていたら、あることに私は気づいた。それは、夜起きるのは苦痛ではないということ。夜から深夜にかけての時間帯は、とくにストレスなく目覚めることができる。まだ、世の中が動き出すまでには時間がある。朝が来るまでに時間がある。そう思うと、起きたくないという気持ちが減るのだ。そして、私の好きな夜と罪悪感なく遊ぶことができる。
 
このことに気づいてからは、朝起きるのをやめて夜中に起きるという生活に転換してみた。すると、朝寝坊とは無縁の生活になった。夜中から起きているから、朝寝坊するということがない。ようやく私は、朝早くに起きているという、私にとって奇跡的な出来事の実現に成功し、それが今や定着しつつあるのだ。

遅寝遅起きだった私が、昼夜逆転を拗らせた結果、一周回ってスーパー早寝早起きに辿り着いたのである。つまり、遅寝遅起きの感覚のまま、早寝早起きができるようになったのだ。なんてストレスのない生活だろう。
しばらくは、この生活を続けてみるつもりだ。

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