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梅を見て知る、他と比べないこと

早咲きの梅を見に湯島天満宮へ出かけた。
今日の風は冷たい、しかも強風で、体の芯まで冷える。
この寒さで梅のつぼみもギュッと縮こまっている感じ。
”まだ早かったかな” と思いながら歩いていくと
すっかり開花している1本の木をみつけた。
梅の良い香りが立ち込めるその木の下で、
遠い昔、母がなぐさめてくれた時のことを思い出した。

小学校に入学した頃、ランドセルに背負われているかのように
小柄で、いろいろうまくできないことが多かった私に
母は言った。
「他の子と同じようにできなくてもいいのよ。
あなたは早生まれ(1月)だから、4月生まれの子とくらべたら
遅く生まれてきたわけでしょ。スタートが違うだけであとから
絶対追いつくものなの、だから大丈夫。」

この梅園にも、すっかり開花した梅と
つぼみのまま咲く気配のない梅がある。
真っ先に咲くのもよし、
みんな咲き終わった頃に咲くのもよし、
開花が早くても遅くても
花の美しさにかわりはない。


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