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エヴァンゲリオンと私

時に西暦1998年。当時、小5だった僕はエヴァンゲリオンに熱狂していた。23000円の劇場版BOXを2つも買ってしまうほどに。量産機のぬいぐるみとか入ってるやつで1つは未だ未開封。

ハマったきっかけはコンビニで買ったエヴァンゲリオンのポテトチップス。そこは子供。

おそらくシンジ君のビジュアルにアニメキャラ的な記号がなく、中性的で頼りないところに惹かれたのだろう。

旧劇場版は何度観たことか知れない。VHSをコマ送りして、ガイナックス社前に書かれた誹謗中傷の落書きと庵野氏への悪意の書込みなどのサブリミナル映像に気づくほど観た。子供だったので今思えば内容の30%も理解はしていなかったが、シンジ少年のトリップからの甘き死よ、来たれの流れには深い没入感を感じた。作画も挿入歌も素晴らしかった。旧劇に限らず、アニメ作画の到達点はこの辺だと思っている。

旧劇のあの病みっぷりはまさに世紀末の混沌。もう時代がそうだった。るろうに剣心の作者は「キャラクターへの愛がなさすぎる」と怒っていたがそういうところを超えていたと思う。

あの劇場版は当時物議を醸した。「唐突で難解、意味不明」と皆、頭を抱えた。僕も初めて観たときはお腹が痛くなった。
とある書物によると、あの完結の仕方は「DEUS EX MACHINA」(機械仕掛けの神)と呼ばれ、ギリシャ演劇ではよく使われる手法らしい。超越者が物事の最後に突然現れて、全ての問題を解決するというものだ。極めてエヴァンゲリオンらしい幕の引き方だったと腑に落ちた。

そんな旧劇場版から10年経ち、新劇場版が公開されたが「THE END OF EVANGELION」の下、完璧に終わっただけに「まだ何かやるのか」という思いは強かった。

と言いつつも、破からはしっかり映画館で観た。その昔、「みんな死んじゃえ」と言っていたシンジ少年も破では真っ当なアニメの主人公になっていた。

基本的に私は原理主義者なのでエヴァンゲリオンは「キモチワルイ」で終劇したと思っているが、本日シンエヴァンゲリオンを観て、永遠とそんなことを言っている自分は成長がないのか、と思った。

それが映画館でシンジ君と同じ2001年生まれ位の若者たちに囲まれシンエヴァンゲリオンを観た一番の感想です。成長のない私にとっては旧劇のラストよりダメージのあるラストでした。

#シン・エヴァンゲリオン劇場版 #エヴァ #旧劇場版 #スキしてみて

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