国債ってやばい!?⑤

最近、国債の外国人保有率が高くなってきている…。外国人が大半を買い占めたら、国債を人質にされて、国の運営に支障を来す…。そんな報道を聞いたことは一度や二度ではないはずです。

しかし、国債には国を動かす権利は付帯されていません。外国人保有者が一斉に売却を仕掛ける、これも現実的ではありません。見ず知らずの外国人が合理的な理由もなく協調することなどないからです。見ず知らずの外国人を例えば中国(よく中国人が株や不動産を密かに買い漁っているという報道がありますよね)に置き換えても同じです。今や経済は国を越えて密接につ繋がっていて、そのダメージは自国にも跳ね返ることは容易に想像できます。

さらに、国債の外国人保有率が高いとデフォルトになる確率は、世界各国の200年以上のデータからみても相関はないそうです。

最後にもうひとつ。

国債には純粋な債権としての顔と、信頼性が高い債券であるがためにもうひとつの顔があります。それは、金融市場で様々な取引における基本的な金融商品になっているということです。金融市場では、「国債と株」、「国債と社債」といったように「国債と何か」で取引されることが多いそうです。考えてみれば当然ですが、例えば銀行が顧客から10億円を集めました。現金のままでは何も生まれないので、運用担当者は元手の10億円を株や債券などで運用しないといけません。その際に投資する選択肢として国債があります。国債は、利回りは小さいですが、信頼性が高く、流通量も充分あるため、非常に使い勝手の良い金融商品なんですね。金融資本主義が発達した他の国の金融市場でも同じことが言えるそうです。

このように国債は、金融市場においても必要なものと認識されており、ただ単に国債は借金だから減らせ、という指摘だけでは短絡的で全体が見えていないと言わざるを得ないですね。

【参考図書】99%の日本人がわかっていない国債の真実

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