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『極めて個人』 てくてく通信+🎈 #46

こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。


極めて個人

仙台には、突然夏が来ました。いきなりエアコンを入れる日々になって、びっくりです。皆さん体調を崩しませんように。

私はそもそも、絵と文章を書いて暮らしたくて、英会話を始めました。絵の世界も文章の世界も、好きなことを好きなように描くには厳しいお金の流れがあって、経済的に独立できることが判った状態で、絵と文章を書く暮らしに移行したいと思ったからです。5年後の2024年にはそこに移行できているといいなと思います。そのころまでには英会話もまた別の形をとれるようにしたいと思っています。

それでも、英会話をやったことにはとてもたくさんのご褒美がついてきて、私を好きで、私が好きな人たちに定期的に会えるようになりました。そもそもそんな人がいることに、前の仕事しているときは気が付かなかったので、その人たちをとても大切に思うし、その人たちに会える時とても嬉しくなります。中には、私の文章を好きだといってくださる人もいらして、それは何より私の喜びです。

絵を描くことも、文章を書くこともとても孤独な仕事です。でも、それがいいと私は思ったのです。私は幼いころから言葉の暴力にさらされてきたので、暴力にとても敏感です3年前に読んだ文章で、プリミ恥部(すごい名前ですけど芸名です)さんという人が「戦争に反対するのにデモをするなんて元も子もない」ということを書いていました。それが私にはとてもピンときます。

戦争というのは、集団で集団を攻撃することをさします。集団になったとき、個人の責任は薄くなって、誰をだれが攻撃しているかが判りにくくなります。その時、暴力は究極化します。その暴力を回避するには、極めて個人な状態に降りることが有効です。

例えば、いじめを思い浮かべてください。いじめられる側でも、いじめる側でもどちらでも経験のある方を思い浮かべるといいです。いじめられる側は一人でも、いじめる側はいつも集団ではなかったでしょうか。一人で公に堂々といじめをできる人は権力を持った人以外になかなかいません。いじめるという行為の中に集団でやってるからいいんだという心理が動いています。いじめる側を解体して一人ずつ話すと、案外話が通じる人たちだったりします。彼らは集団になったときはじめて力を持つのです。

多くの戦争も、個人レベルまで下りていくと、おそらく、相手の人を殺すまでの理由や動機を持った人に出会うのはむつかしいと思います。それが国家や集団の目的だから行われているだけで、個人の動機として、戦争が行われることは稀です。個人の動機で誰かを殺したいと思ったら、それは犯罪になってしまいます。殺人が国家の名義になるだけで、よいこととなってしまうのが戦争です。

その、極めて個人な状態で生まれてくるものを見ていたいと私は思いました。自分の中から生まれてくる形や色や言葉を記したいと思いました。少なくともその生まれる瞬間は自分だけで苦しんで生み出す作業をやりたいと思ったのです。戦争や暴力で誰かの命や自由を奪うことの究極の反対のことをしてみたいと思ったのです。

もちろん、個人で何もかも全部はできません。特に事業はそうです。ですので、今、私が目指しているのは「極めて個人で協同する」ことです。でも、この「極めて個人」の状態を極めていくと、本当にいろんなことが明らかになっていきます。自分の中にあるブレや、迷いや、ずれはすぐに作品に形なって表れてきます。ほかの人の手が加わらないその過程では、責任は私にしかなくて、失敗しても、他の人やシステムのせいにすることはできなくて、自分を振り返るしかないです。何もかもが、個人に責任のある状態があらわになります。同時に、どれほどたくさんの人に助けられて、今の状態が運営できているかもわかります。

この状態では、誰かをいじめようという気持ちにはなりません。

少し前に、Risaさんが自分の生活を独立した何かではなく、大きな流れの中にある一部として感じられるとKjempe bra通信で書いていました。とてもいい気づきだなと思ったし、それが感じられる生活は豊かだなと思いました。それが、おそらく人間として生活する時に、集団であったり、コミュニティがあることの良さで、大きな流れの中に自分を置くことの良さなのだと思います。でも、芸術活動はそれを凌駕して、さらに孤独な作業になります。

ムーミンを書いたトーベ・ヤンソンは、ひと夏無人島にこもって、船で食料を渡しながら、ムーミンを書いたそうです。なるほどなと納得するのは私だけではないと思います。あの優しさ、思慮深さ、想像力、精密さは、並外れた深い営みの中から生まれたのだということを知るのは、とても感慨深いです。そんな時間がとても必要で作って、創作活動をしたのだなと思います。村上春樹の小説で主人公が井戸の中に潜るように、ヤンソンさんも、潜る時間を大事にしたのだと思います。でも、そんな活動をする芸術家もまた、コミュニティに属して生活する基盤を持っています。

この「極めて個人の状態を保ちながら、協同し、大きな流れに乗っていくこと」が私の次の目標です。今、どこに軸を据えられるか考えています。

みなさんの生活の中で、何か困ったな、うまくいかないなということが現れたら、流れから一度離れてみてください。そして、極めて個人の状態に自分を置いて、自分の中のほつれを探してみてください。ほつれは全体の流れの中にも、自分の中にも両方あります。でも変えられるのは、自分の側だけです。自分の側のほつれを直すと、自然と流れの中のほつれに引っかからなくなります。それが、極めて個人になる、とても有意義な一面です。

世界のすべての芸術家はそうやって、極めて個人の状態で深海に潜って取ってきたものを皆さんに見せます。それを読むとき、見るとき、あなたもやはり極めて個人な状態に戻っています。そこに立ち戻れることが芸術のひとつの存在意義なのです。そのことは、個人の平和を取り戻すし、それは引いて、社会の平和につながるものだと私は考えます。

3年間、したいことだけをしてきた私が、今、考えているのが、このことです。だんだんと極めて個人として立つことを引き受けられるようになってきました。ここからは、皆さんと協同していく営みを考え始めたいと思います。皆さんも、極めて個人の体験をしたら、ぜひ教室でお知らせください。ネガティブなものでも構いません。たった一人で、深い体験をしたら、それは、みんなにとって豊かな体験に変わるからです。


ちょっとしたおすすめ

Reborn art festival 「四次元の賢治」
石巻、牡鹿半島で芸術祭が開かれています。
小積エリアでは、淺井裕介さんが泥絵の展示をしています。

青葉市子さんも展示しています。

遠いし、暑いけれども、もし時間があるなら、
夏の旅行にどうぞ。

その中でも、最もお勧めなのは、
小林武さんが演奏する
中沢新一さんの脚本のオペラです。
「四次元の賢治」
9月22日23日、塩釜で開かれます。

2年前序章だけ見ました。
とっても面白かったです。
最後の章まで出来上がったこのオペラ。
痛烈なアートに対する批判が現れています。
私も見に行きます。
行くよという方は声をおかけください。


編集後記

真夜中の読書がはかどります。一人で読んでいるだけの体験ではない、ブッククラブをするようになってから、読書はまた違った面白さを見せるようになりました。英語を学ぶこともまた孤独な作業です。でも、Oneに来ることによって、他の人とのつながりを得ることからまた英語のほかの楽しさの側面を皆さんに知ってもらえたら、嬉しいです。ペルービアン・ナイトもそんな気持ちで開催しています。

(初出:2019.8.3)



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